2003年10月10日の日誌 第3回目のひつじサロン「NPOの広報」

2003年10月10日(金)

第3回目のひつじサロン「NPOの広報」

第3回目のひつじサロンは、さいたまNPOセンターの吉田理映子さんをお招きして、「NPOの広報」という内容で話をしていただいた。人数が、予想よりも多い人数になって、ひつじの事務所はいっぱいになってしまった。とても盛況であった。吉田さんという人間とNPOの広報というテーマがとても魅力的なものであったからだろう。テーマが魅力的であるという意味は、日本の社会では、広報というものはまだ、どちらかというと企業のもので、市民活動にとって広報というものがなじんでいないという新鮮さにあったのではないだろうか。NPOということに興味がある人も、現在は勤めていてNPOに興味のあるという人にも、両方の人にとっても魅力的なテーマと思えたのだろう。

ここまでは、参加申し込みが多かった理由についての分析になるが、吉田さんの話し自体も、魅力的な内容だった。吉田さんが、市民参加の街づくりというコンセプトで提案して、採用され、建設されていくビルがあって、実際にその建築場所近辺に住んでいると、全く住民不在であるというギャップ。企業の広告が、「早く、ひろく」であるのに対して、人と人との間を伝えていくという広報は「ゆっくり、深く」であるということ。マスメディアを使って、効率よく、あるいは他者を上回る影響力を発揮しなければならない企業の広告の性格と、気持ちを伝えていく広報にはちがいがある。さらに、活動をしてこられた中で出会った人々について類型化した表現が面白い。「そのことはこうやるんだ」という「ルンダ婦人」、「そのことはそういうモンダ」という「モンダ民」、「それはこうなんダー」という「ダーザン」。どこにでもいるような気もするし、自分自身もそんなところがあるので、反省してしまう。

吉田さんの話を聞いて、ことばをつなぐことのプロフェッショナルということを納得した。NPOの世界に入る前に、広告・広報の仕事をしていただけあって、というべきなのか、倉本聰さんといっしょに仕事をされたそうだが、その中でたくさんのことを学ばれたことからなのか(「たとえ灯は小さくても あったかい」ということを学んだそうだ)。いろいろなことがあって、吉田さんはチャーミングなのだろう。来ていただいて本当に良かったと思う。ありがとう。感謝します。また、参加された方々にも感謝します。

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