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2022.4.20(水)

「話し合い」学習について


新年度が始まったと思いきや、4月もすでに半ばを過ぎました。
今年は冬が長くて、一気に春が押し寄せてきた印象です。桜が散った後の、植物の生長には毎年驚かされます。柿の木やアジサイの黄緑色の若葉は、見ているそばからどんどん伸びていきそうなほど生命力に溢れています。

そんなうららかな年度始めにぜひ読んでいただきたい1冊として、3月に刊行した新刊を紹介します。
内田剛著『国語科における「話し合い」学習の理論と実践』
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1124-3.htm

本書は理論編と実践編の2部構成となっています。
理論編では、明治期から現在の国語教育の話し合い学習がどのように捉えられ、どんな目標に基づいて行われてきたかを追います。通史的に見ていくことによって、話し合い学習のタイプとそこで求められる学習目標や学力観が明確になっていきます。
この過程が重要な理由の1つは、「話し合い」学習に関係する用語の混乱の問題があるためです。「ディベート」「ディスカッション」「討論」「討議」、そして「話し合い」「通じ合い」など、どれがどの訳語なのか、どう言い換えられているのか、正直よく分からないと思っている人も多いのではないでしょうか。「話し合い」学習の理論の確立・焦点化のためにも、概念の整理は非常に大切と思います。

実践編では、この理論編を踏まえたうえで、「通じ合い」学習、「ディスカッション」学習、「ディベート」学習の具体的な授業実践提案をしています。著者が実際におこなった授業を、授業プリント等の資料も含めて紹介しているので、現場の先生方にも役立つ内容です。授業のコーディネートの技術として重要な点も多々あり、例えば「ディベート」の授業であれば、相手を言い負かそうとして論点が拡散していってしまうことがあるため、テーマや形式はかなり限定しなければならない、など。授業作りにおいても、「話し合い」学習のタイプごとの学習目標の明確化や焦点化が重要なことが分かります。

学習者が安心して自己表現をおこなうことができて初めて、学級は学習活動の場として機能すると著者の内田先生は言います。
確かに学校は、教室内での独特の人間関係や空気で、まじめに授業に参加しづらい雰囲気がありました。国語科という枠を越えて、学びの場をより良くするためにも、「話し合い」学習がもっと考えられて欲しいと思います。


●国語教育関係ではこちらの新刊もぜひ!
府川源一郎著『一人ひとりのことばをつくり出す国語教育』
https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1141-0.htm





2022.4.5(火)

『未発 ジュニア版』作成開始


4月になりましたね。新年度が始まりお忙しいことと思います。

この時期には例年、弊社の新刊・近刊案内『未発 ジュニア版』(目録)の製作がはじまります。 5月の中旬に「2022年 春夏」版として出します。春夏版は、今年の5月までに刊行する新刊が掲載され、近刊は、(多くは)今年中には刊行できそうな本が並んでいます。
年2回の目録作成を予定しているので、「春夏」の次は、11月頃に「秋冬」版を作ります。

コロナ前は、学会に100部とか200部とかを持って行き配布しておりました。いまは、紙版と電子版(PDF)を作成しています。紙版は、著者の先生や関連する学会に所属されている先生にお送りさせていただいております。電子版はホームページで公開しているのと、学会のオンライン展示などで活躍しています。

ここ最近は表紙にイラストを掲載しています。季節感がでるように心がけ、植物や食べ物にすることが多いです。『未発 ジュニア版』の編集担当をしていますので、次の表紙をどうするか悩み中です。自由に利用できるパブリックドメインのものを活用させてもらうこともあります。前回の「2021年 秋冬」版は、1700年頃に出版された『東莠南畝讖 3巻』から、キノコを掲載しました。この本、当時の植物や動物が丁寧に描かれていて面白いです。着彩もきれいです。

表紙の色も悩みどころのひとつです。なるべく、新鮮さを出すために、直近に使用した色と似た色にはしないようにはしていますが、『未発』をコレクションしていただいている方でない限り、前のバージョンの色は気にならないかもしれませんね。

5月に発刊しましたら、ホームページでお知らせいたします。紙版の発送は、6月上旬の予定です。
弊社目録について「こういった内容を掲載してほしい」などご要望がありましたらぜひお寄せください。








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