久しぶりの移動
このお正月休み、2年ぶりに実家のある郡山に帰省しました。
コロナ禍でほとんど福島のことばに触れていませんでしたが、家族からばーと話されると、すぐに「〜だばい」「〜べ」「〜さいってくる」など、福島のことばにコードスイッチングできて、その場にいれることを嬉しく思いました。
久しぶりに、東京郡山間を移動した年末年始でした。
「移動」といえば、昨年末に『モビリティとことばをめぐる挑戦 社会言語学の新たな「移動」』(三宅和子・新井保裕編)を刊行しました。
【内容】
「移動の時代」といわれる21世紀、グローバル化、デジタル化の中で移動する人とことばの関係は多様性・流動性を深めている。従来の人文社会科学のパラダイムでは捉えきれなくなった、ポストモダンを生きる人々の「モビリティ」とことばの現実を把握するにはどのような視点や方法論が求められるのか。この課題に取り組んできた10人の研究者が集結。執筆者:新井保裕、岩﨑典子、生越直樹、フロリアン・クルマス(三宅和子訳)、佐藤美奈子、サウクエン・ファン、古川敏明、三宅和子、山下里香、吉田真悟
「モビリティ」は、日本語で「移動」と訳されることが多いですが、その射程は広いです。三宅和子先生の「序章 モビリティ、21 世紀に問われる社会言語学の課題」では、これまでのモビリティ研究と、日本の社会言語学、本書のひとつひとつの論文が、社会言語学にとって非常に重要な問題を提起していることが述べられています。
「モビリティとことば」、とても面白いテーマだと思います。その第一歩ともよべる本書を刊行できたこと嬉しい限りです。
本書では「コラム 私の移動をふり返る」もかなりおすすめです。執筆者の先生がご自身の「移動」をふりかえっています。自分史であったり、研究のきっかけであったり。本書でしかなかなか読むことができないでしょう。
ぜひご覧ください。
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