本の手前
新型コロナで学校がお休みになった影響か、会社の近くの公園にはいつも子どもが遊んでいて、お昼に外に出ると賑やかです。
会社の裏の方の通りや周辺には、印刷製本関係の小さな町工場がいくつかあって、入口の前にはよく印刷が終わった紙が積まれたりしています。
おそらく思う以上に分業がされている業界ですが、細かくはあまり知られていないかもしれません(私も知らないことばかりです)。
以下の画像は、上製本の表紙(裏表)と、印刷された本文です。
表紙は背に箔押しと表4側に空押しがされています。これは凸版屋さんが凸版を作っています。
裏側を見ると、クロスの内側に灰色のボール紙が貼られていることがわかります。これは表紙貼り屋さんの仕事です。
このクロスは、表紙に使う布クロスはロールで巻かれているので、それを伸ばして断裁をする、クロスの断裁屋さんで加工されたものです。
右側には印刷して折られた本文がありますが、印刷所から来た本文をこのように折り、見返しと合わせて背を固める一連の加工屋さんもあります。
そうして、これらを花布やスピンなども合わせてそれぞれのパーツを合体させ、スリップや投げ込み、カバーや函も装着させて本の形に仕上げるのが、製本のクライマックスというところでしょうか。
会社の規模によって分業の状況も異なると思いますが。
本が好きで本について詳しい方も、実際の本になる前のパーツになっている状態を見ることはあまりないのではないでしょうか。
私はこういったパーツに愛着を感じてしまうのですが、人によっては本未満の何か、としかうつらないかもしれませんね。
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