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3月

2019.3.20(水)

新刊たくさん出ています



2月からたくさんの新刊が出ています。
2018年度は日本学術振興会の助成(研究成果公開促進費〈学術図書〉)で、6冊の本を刊行しました。

〇海老原志穂著 『アムド・チベット語文法』
〇吉岡佳子著 『ろう理容師たちのライフストーリー』
〇安本博司著 『コリア系移住者の民族継承をめぐって—教育戦略と文化伝達』
〇エリザベス・C・トラウゴット、リチャード・B・ダッシャー著 日野資成訳 『意味変化の規則性』
〇今村圭介、ダニエル・ロング著 『パラオにおける日本語の諸相』
〇庵功雄著 『日本語指示表現の文脈指示用法の研究』

オープンオフィスなど研究書出版のご相談にいらっしゃる方に言っていることですが、新書などと比べて経済規模が小さく、売っていく期間が長い研究書にとって、助成金はとても重要です。

上記の中で、わたしは『ろう理容師たちのライフストーリー』と『コリア系移住者の民族継承をめぐって—教育戦略と文化伝達』を担当しました。
ひつじ書房ではこれまであまり刊行してこなかった、ライフストーリー研究系の書籍です。それぞれ、ろう理容師たちとコリア系移住者(韓国人ニューカマー、朝鮮族、在日コリアン)のインタビュー調査を中心に考察をおこなっています。さまざまな「語り」から彼らの生き方や取り巻く世界を知っていただければと思います。

また、3月末にもライフストーリー系の書籍が出る予定です。

〇澤邉裕子著 『隣国の言語を学び、教えるということ—日韓の高校で教える言語教師のライフストーリー』

本書では、日本にとっての韓国語、韓国にとっての日本語という、「隣国の言語」を教える在日コリアン、韓国人、日本人高校教師たちの語りと授業事例の分析をおこなっています。
東アジアにおける複言語・複文化主義の可能性を考えるという点で、非常に重要な書籍です。刊行を楽しみにお待ちいただければと思います。

そのほか、3月にはこんな書籍が刊行予定です。

〇桒原丈和著 『小説を読むための、そして小説を書くための小説集—読み方・書き方実習講義』
〇高田博行・山下仁編 『断絶のコミュニケーション』(シリーズ ドイツ語が拓く地平 1)
〇藤巻光浩・宮崎新編 『グローバル社会のコミュニケーション学入門』
〇三上直之・立川雅司著 『「ゲノム編集作物」を話し合う』
〇千野拓政編 『越境する東アジアの文化を問う—新世紀の文化研究』(ポストコロニアル時代の人文学と東アジア文化圏 1)
〇郡伸哉・都築雅子編 『語りの言語学的/文学的分析—内の視点と外の視点』(中京大学文化科学研究所叢書20)






2019.3.5(火)

言語研究のためのデジタル研究入門ワークショップ



春の訪れを感じさせるような暖かい日が増えてきましたね。
気づけば3月、花粉症のわたしにはたいへんつらい季節です…


さて、去る2月25日、国立国語研究所にて「言語研究のためのデジタル研究入門ワークショップ」を開催いたしました。
数理的処理を用いた言語研究において第一線で活躍されている、青山学院大学の近藤泰弘先生、国立国語研究所の小木曽智信先生、小磯花絵先生にご登壇いただきまして、近藤先生には、概観とテキスト解析(Pythonなど)について、小木曽先生にはコーパスを用いた言語研究について、小磯先生には音声データの分析法(Praat)や音声コーパスの利用法などについてお話しいただきました。


ワークショップの様子



鼎談の様子


参加者の年代はさまざまで、また、言語研究専門の方のみならず、今春大学へ進学される高校生の方や、文学を研究されている学部生・院生の方もいらっしゃいました。みなさん熱心にメモをとったり、先生方へ質問をされたりと、この分野への関心の高まりを感じました。

先生方が共通しておっしゃっていたのは、「一見難しそうなプログラミングソフトもさわっているうちに使い方がわかってくる。そしてその先に、いまの言語研究をさらに面白くさせるものを発見できるとおもうので、まずはぜひチャレンジしてほしい」ということでした。

文系・理系の垣根を越えた文理融合型の研究がどんどん増えていくなかで、言語研究もある種の転換期を迎えているのかもしれません。今回のワークショップがデジタル時代の言語研究の未来を考えるきっかけとなりましたら幸いです。
ご登壇いただいた近藤泰弘先生、小木曽智信先生、小磯花絵先生、そして、ご参加下さったみなさま、お忙しいところまことにありがとうございました。

なお、本ワークショップは今後YouTubeで配信する予定です(現在準備中ですので、少々お待ちください)。
残念ながら今回ご参加いただけなかったみなさまにも、ぜひご覧いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。





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