総合目録「未発」、作成中
ひつじ書房では、年に二回、「未発ジュニア版」として、新刊近刊を掲載した目録を作成しています。元々は、年一回、総合目録「未発」を出していましたが、それでは新刊が分かりにくいし、書影も掲載して見やすいものをということで、海外の版元でよく作られていたのを参考にして、新刊近刊を中心にフルカラーで見た目にもキャッチーな「ジュニア版」を作成することになりました。
ジュニア版を出し始めてから総合目録の製作が滞ってしまっていました。私が入社した2005年頃には、ひつじ書房の刊行点数は200点を少し越える程度でしたが、その10年後の現在には3倍以上の点数となっています。そうなると、これまでの「未発」は、ひつじ書房の主なシリーズを軸にゆるやかに関連のある書籍を配置するという形で作成してきましたが、600点以上の書籍を配置するにはそれなりに構造化して配置していかないと、目録から何かを探すということが困難になります。
さらに、今後も継続して出していくことを考えると、データベースからはき出した状態で、できるだけ手を加えずに目録のレイアウトとして完成するようにしたい。
そのような目論見があり、試行錯誤しながらデータの整備をすすめていますが、時間がかかってしまい、ご不便をおかけしてしまっています。
また、今回ひつじ書房25周年記念フェアがMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店、東京大学生協本郷書籍部で開催されるにあたり、ひつじ書房の全刊行書籍一覧を作成しましたが、その作成の途中でも目録の様々な課題が見えました。
例えば、「シリーズ 文と発話」という全3巻のシリーズがありますが、これは書誌情報上では、シリーズ名が「シリーズ 文と発話」で、書名が1巻であれば「活動としての文と発話」となっています。では索引を引く人は、「シリーズ 文と発話」で引くのか、「活動としての文と発話」で引くのか、この本について言えば、「シリーズ 文と発話 第1巻 活動としての文と発話」と索引に出ていた方が引きやすそうです。とするとデータはどうやって作っておくのが良いのか。
また、『増補 感性の変革』は、索引上「そ」の項目下か、「か」の項目下か、どちらでしょうね。こうしたことは些細なことではありますし、別に固有の問題では無くてどこの出版社も同様の問題をクリアしながらきちんと目録を刊行しているのですが、できるだけ良い目録になるように、一つずつ検討しながらすすめています。
手応えとしてはかなり良い目録になりそうだと思っていますので、いましばらくお待ち願えますと幸いです。
こちらは1994年発行の未発第一号。
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