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2月



2015.2.25(水)

amazonの書誌情報


続々と新刊が出来てきています。
新刊が刊行されると、書店をはじめいろいろなところに新刊情報を送りますが、そのうちの1つに、amazonに表示される書誌情報があります。出版社や本によっては、書籍の卸をしている取次会社やそのほかの情報が流用されているものもあるようですが、ひつじ書房の新刊は基本的に社内で入力しています。私はこの登録作業を担当しています。

登録にあたってはさまざまなルールがあります。例えば著者名の姓名の間は半角アキにする、「内容紹介」や「著者名」の改行はタグを入れる、「目次」は文字数制限あり、などなどです。

項目のひとつに、「出版日」があります。amazonの説明には「取次搬入日+1日を入力ください。」と書かれています。ここで注意したいのは、「奥付の日付けではない」ということです。

余談ですが、ひつじ書房では「取次搬入日+1日」とはしていません。さらにプラス数日の余裕をもった日付を入力しています。
これには、理由があります。「取次搬入日+1日」というのは、実際に書籍がamazonの倉庫につく日、という意味だと思います。ただし、実際に書籍が倉庫に入ってからamazon側で登録されるまでに、時間がかかることがあります。この登録作業が「出版日」より遅くなってしまうと、サイト上では品切れの表記になってしまうのです。
過去に、ぴったりの日付を入れて、しばらくamazonの画面上で品切れの表記になってしまった経験があり、「プラス数日の余裕」はそれを防ぐための対策です。

というわけで、amazonの「出版日」は奥付の日付ではありません。書誌情報をお調べになる方はご注意ください、という豆知識でした。




2015.2.10(火)

仮フランス装と製本所


2月もあっというまに10日が過ぎました。2月から3月にかけては、学術振興会や大学の出版助成を得て刊行する本の刊行期限があり、本当は余裕を持って刊行できればよいのですが、例年押せ押せになってバタバタしてしまう場合が多い月です。

印刷・製本所も一番立て込む時期です。昨年刊行した『田村俊子』を作るときに、仮フランス装で作っているのですがそれを扱える製本屋さんが少なく、今まで仮フランス装をお願いしていた製本屋さんが数年前に廃業してしまったため、新しい製本屋さんにお願いしました

仮フランス装、ご存じでしょうか。『田村俊子』を実際に見てもらうと分かりますが、有名なところだと新潮クレスト・ブックスも仮フランス装で作られています。ただ雰囲気がおしゃれというわけではなく、書籍の歴史的な経緯を含んでいて面白いです。そもそもなぜ仮なか? 興味のある方はぜひ調べてみてください。

上で「扱える」と書きましたが、仮フランス装は表紙を折る工程があり、それを出来るところが今減っているそうです。製本も様々な行程があり、細かく分業されています。ひつじ書房のある文京区にも歩いているとあちこちに小さな工場があって、様々な力が結集して本が出来ていることを実感できます。

さて、この春は新しい製本屋さんも加えて予定を立て、製造方面では準備を整えていますが、まずは早く校了して印刷に回さなければ……というところです。

一年で一番目が回る時期ですが、がんばっていきます。




2015.2.3(火)

カタルタ


先々週末のことになりますが、龍谷大学で開催された「「市民の参加の話し合い」を考えるラウンドテーブル」に参加してまいりました。龍谷大学の村田和代先生が中心となり開催(主催は、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター)したもので、報告者には言語学の先生だけではなく政治学、社会学の先生方も集まり学際的なラウンドテーブルでした。

報告者の中で、福元和人さん(メドラボ代表)に福元さんが考案された「カタルタ」をご紹介いただきました。

「カタルタ」は、トランプを模したカードで、表面には、数字、スート(ダイヤ、ハートなどのマーク)、そして、「もし」「なぜなら」「残念ながら」「とはいっても」といった接続詞や副詞が印刷されています。このカードをめくって出たワードに従って会話をすすめる、対話のための道具です。

今回のラウンドテーブルの懇親会では、この「カタルタ」を使って自己紹介ゲームをしました。参加者にはカードが1枚配られ、出されたお題は、「専門以外に関心のあることは?」。2人組になってお互いのカードの表面が見えないように交換しお題に従って話しを始めます。

「専門以外に関心のあることは・・・です」
(カードをめくり、出たワード「特に」)
「特に、・・・・です」

というように会話を進めます。

慣れていないと、カードをめくるのを忘れついいつものように「というのも・・・」と話しを進めてしまったり、普段の私の話し方では、ここでは使わないだろうというワードが出てくると話しにつまってしまったり・・・。

「専門以外に関心のあることは・・・です」
(カードをめくり、出たワード「だからといって」)
「だからといって、だからといって??・・・・」

難しい、と思う場面も多くありましたが、相手の方と思いもよらない話しの展開になったりおもしろい刺激的な体験ができました。

福元さんのお話しでは、自己紹介以外でも多様な用途があるそうで、例えば会社の採用面接でも使われることがあるそうです。また「カタルタ」にも「ラブカタルタ」など種類があるそうです。(詳しくは、「カタルタ」のホームページをどうぞご覧下さいhttp://www.kataruta.com)

今回のラウンドテーブルでは、原発の是非の話し合いといった国家レベルのものから、町作りでの話し合い、教室内での生徒による話し合い、PTAの話し合いなど身近なものまで、様々な「話し合い」が報告されていました。話し合いの言語的構造、身体的な振る舞いから、話し合い自体の構造、現場での実践、大変興味深い点が多く、これからも注目していきたいです。


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