「桜」と「さくら」
もうすぐ春分の日です。桜の季節にもなってまいりました。……ということは花粉の季節に突入しているということでもあり、弊社でも目や鼻の症状に悩む人が続出です。私もひとごとではなく、点鼻薬や目薬が手放せない日々を送っています。
さて、現代の言語研究に欠かせないツールといえばコーパスですが、私も大学時代にたいへんお世話になったものです。『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)は、登録制の「中納言」のほうをよく使っていました。ゼミの先生からは、気になる言葉遣いや表現があればひとまずBCCWJで検索してみるように言われていたので、大学生の私にとって「検索」といえば、1にGoogle、2にYahoo!、3にBCCWJといった具合でした。
今は中納言の契約期限が切れているので、ひさしぶりに「少納言」のほうで検索してみました。調べてみたのは、韻文(短歌・俳句・詩)における「桜」と「さくら」の用例数です(私は短詩が好きなので、調べてみたくなりました)。「桜」は71件、「さくら」は26件でした。漢字の用例数はひらがなの約2.7倍です。
一方、韻文以外のジャンル・メディアの用例では、「桜」が6252件、「さくら」が1137件なので、漢字の用例数はひらがなの約5.5倍です。相対的に、韻文においてはひらがなの「さくら」の使用頻度が高そうです。私自身、短歌をつくるときにはひらがなのほうの「さくら」を使いがちですし、他の方の作品を読んでいても「さくら」の表記をよく見るように思います。やわらかい雰囲気が出るからでしょうか。
ひとつの単語に対してどういった表記がもっとも一般的に用いられているか知りたいことは日常的によくありますが、BCCWJで検索すると自分だけの肌感が根拠あるものになるので、心強いです。言語の研究者ではない道に進みましたが、これからもお世話になること間違いなしです、いつもありがとうございます。
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