2021年12月28日(火)d英語の書誌情報の書き方(11月10日にメール通信で配信した内容がもとになっています。) ある必要がありまして、英語の文献リストの表記方法についてあらためて整理してみました。日本語の文献の中に数本、英語の文献が混ざる程度であれば、あまり気にしなくても済みますが、英語の文献がたくさんある場合、統一が取れていないと体裁が悪いですし、書籍としての信用度が低くなってしまう危険性があります。ルールを決めて記載方法を統一しないといけないと思います。せめて、少なくとも1つの論文の中では不統一がないようにしないといけないと思います。 ひつじ書房は、自社で使っている執筆要項ではChicago manualの方法を優先的に考えています。言語学系の学術書は比較的理系的な研究に近いので、APA(アメリカ心理学会、American Psychological Association)のやり方を使う方も多いです。大きな違いは、Chicago manualは、著者の名前のファーストネームをスペルアウトしますが、APAはイニシャルにします。そして、Chicago manualはandで、APAは&を使うという点です。 他にも違っている点は、Chicago manualは一番最初の人は、姓・名の順ですが、2人目以降は名・姓の順になります。名・姓は、英語での人名の標準の順ですので、姓でソートする必要がある最初の人以外は、名・姓の順ということです。APAは、2人目以降も1人目と同じで、ずっと姓・名の順で行きます。ひっくり返しているので姓・名の間にコンマを打ちます。ずっと姓・名の順で行くのは、Oxford style manualも同様です。ちなみにOxfor d style manualはandを使って、APAは&を使っています。両方とも名前の表記はイニシャルです。 名前をイニシャルにしないでスペルアウトする方もいらっしゃいます。論文を収録している論文集の編者の名前の順番もソートしなくてもいいのに、最初の1名を姓・名の順にしている場合と全て名・姓の順にしている場合もあります。 ちなみにAPAの7版からは出版社の所在地は書かなくてよいということになりました。doi(デジタルオブジェクト識別子、Digital Object Identifier)があるものについてはそっちを書くということです。ひつじ書房としては、日本の情報だけの時は地名は書きませんが、日本以外の場所に所在地があるものが混在している場合は地名はあった方がいいと現時点では考えています。 なお、ひつじ書房では、社外の知り合いの編集の人といっしょにルールブックの読書会というのを続けています。最初はButcher's copyeditingで次にHart's rulesで、次にOxford style manualで、現在はChicago manual 17版を読んでいます。先週から書誌情報の章の14章に入りました。なかなか、難しいです。学術書の出版社でもChicago manualをみんなで読んでいる出版社は少ないでしょう。きちんと仕事に活かしていきたいと思っています。 ---------- 執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。 「本の出し方」・「学術書の刊行の仕方」・「研究書」・スタッフ募集について・日誌の目次・番外編 ホットケーキ巡礼の旅 日誌の目次へ
|