第25回メディアとことば研究会 日時:2009年6月20日(土)15時―18時半 利用会場: 〈東京会場〉東洋大学白山キャンパス ナレッジスクエア 〈関西会場〉武庫川女子大学 日下記念マルチメディア館
発表者名:是永論(立教大学社会学部教授) タイトル:How to do things with “絵図” ―マンガを中心とした画像表現における相互行為の理解について キーワード:エスノメソドロジー、相互行為分析、概念分析、マンガ、画像表現 概要: 本報告では、日常の中で見られる相互行為上の手続きが、マンガなどの画像(絵図)においてどのように表現されることによって、画像上のやりとりが一定の相互行為として理解されるのか、について分析することを目的とする。たとえば、私たちは画像上の人物が「指さし」をしているとき、そこに何か見るべきものがある、という指示として理解するだろう。このとき、本報告では、エスノメソドロジーの立場から、個々の指さしが「記号」などとして指示を意味していると考えるのではなく、その動作にいたるまでのやりとりが、「説明」といった一定の「概念」をともなう状況として成立しており、その概念において、動作が「指示」として理解されるものと考える。そこから、日常の相互行為について、ある状況が一定の概念をともなって理解されるための手続きが存在することを指摘しながら、その手続きが画像上において一定に表現されることが、画像における動作の相互行為としての理解をもたらすことを、実例を分析しながら呈示していく。その結果、マンガなどの画像表現が「わかりやすい」ものとして理解される仕組みに少しでも迫れればと考える。 【発表レジュメ(Pdf)】 発表者名:糟屋美千子(兵庫県立大学環境人間学部講師) タイトル:環境問題に関するテレビニュースのディスコース分析 ―環境・人間・経済はどのように語られているか キーワード:テレビニュース、環境問題、ディスコース、言語的要素、非言語的要素 概要: 環境問題が深刻化する現代社会において、環境問題に関するテレビニュースのディスコースは社会に大きな影響を与えると考えられる。しかし、テレビニュースのディスコースは、影響力が大きいにも関わらず、記録されることなく消えていく。また、そのメッセージは必ずしも表面に表れているわけではない。したがって、テレビニュースのメッセージや社会的影響を明らかにするためには、ニュースを記録し、ディスコースを詳細に分析することが必要である。ここでは、昨年末、経済情勢の急激な悪化が連日報道された中で報じられた、環境問題に関するひとつのテレビニュースを取り上げ、ディスコースの言語的・非言語的要素を分析する。そして、その中で環境・人間・経済がどのように語られているかを検討することにより、ニュースのメッセージや社会的影響を考察し、そこに表れている我々の社会がもつ考え方を明らかにすることを試みる。 【発表レジュメ(Pdf)】 |