黒木 亜由美
大学1年生の秋からひつじ書房でアルバイトをし、就職活動のため半年間お休みを頂いた後、2003年の9月よりひつじ書房でインターンとして働くことになりました。学生の間ひつじ書房でアルバイトをしていたからには、今後「出版社とはどういう事をするのか?」と聞かれた時、自分の経験に基づいてきちんとした説明をしたいと思ったからです。
アルバイトの時と異なりインターンの間は主に編集業務を担当しました。担当したのは斎藤倫明先生の『語彙論的語構成論』と茅野佳子先生の『PETER TAYLOR'S SOUTH』、マチネスタッフの谷川さんをお手伝いするような形で『対照言語学の新展開』の編集にも携わりました。担当させていただいた著者の先生方に大変恵まれ、お忙しいにも関わらず先生方は丁寧に作業を進めて下さりました。不慣れな校正作業をスムーズに進めることが出来たのは先生方のおかげだと感じており、大変感謝しています。
『語彙論的語構成論』は三美印刷さんと作業を進め、このような外部の方々とひとつの仕事をしていくことの難しさ、楽しさを経験しました。『PETER TAYLOR'S SOUTH』は仕事をミス無くきちんと行うという意識を今まで以上に持って行いました。『対照言語学の新展開』は共著のため、一つ一つ内容の異なる論文の校正作業を経験させて頂きました。その他には、ひつじ新聞を作成しました。自分自身で文章、レイアウトを考えることによって、伝えたいことをうまく伝えるにはどうすればよいのかを考える良い機会になりました。
それぞれの作業の中で新しいものを吸収しながらインターンの日々を送り、毎日が大変充実していました。また、このように任せていただいた様々な作業を同時進行で進めていくことは非常に難しく、仕事をこなしきれないような状況もありましたが、何とか乗り越え、よい経験になりました。
ひつじ書房は本の編集から販売まで一貫して業務を行っているので様々な業務任せていただき、経験することができました。著者の先生との連絡、打ち合わせ、校正作業、目次・索引・表紙などの本文以外の部分の作成、完成後の宣伝、献本作業というように、一冊の本が完成するまでの作業をほぼ全てやりました。一つの物が完成するまでの課程を全て自分が行うということは非常に責任を感じ、かつやりがいがありました。そしてなにより、本が完成したときの感動は本当に大きいものでした。ひつじ書房でインターンをしてよかった点として、社内が非常にアットホームな雰囲気なので質問しやすかったとことも挙げられます。分からない点を質問すると、松本さん、社員の皆さんが、皆さん自身の経験に基づいた的確なアドバイスを下さり、順調に作業を進めていくことが出来ました。本当にお世話になりました。
インターンとはその仕事を経験し、理解するという意味が強いとは思いますが、それよりも社会人としての責任感を感じられることが一番良い点だと思います。4月からの仕事の内容はひつじ書房での業務と全く異なりますが、インターンとしてこのように様々な業務をすることが出来たのは大変貴重な経験になりました。そして、このインターンで学んだことの多くが様々な形で今後役に立つと思います。機会を与えてくださった松本さんに本当に感謝しております。ありがとうございました。