ガイドブック日本語史調査法 大木一夫編 ガイドブック日本語史調査法 大木一夫編
2019年5月刊行

ガイドブック日本語史調査法

大木一夫編

A5判並製カバー装 328頁 定価2,600円+税

装丁 大崎善治

ISBN 978-4-89476-854-3

ひつじ書房

An Introduction to Researching Japanese Historical Linguistics
Edited by OOKI Kazuo


【内容】
古い文献に残された過去のことばを調査し、日本語の歴史を明らかにするための技法を解説する日本語史研究の調査法マニュアル。古い文献とはどのようなものか、そこに書かれた内容をどう読み取るか、そこからどのように証拠を集め、日本語の歴史として組み立てるか、その手続きを具体的に説明する。日本語史の演習・ゼミや日本語史の卒業論文に最適。
執筆者:大木一夫、勝田耕起、後藤英次、佐藤志帆子、マシュー・ジスク、鳴海伸一、百留康晴、松崎安子、安本真弓



【目次】

はしがき

第1章 日本語の歴史を明らかにするために
1. ことばの変化と日本語の歴史
2. 日本語の歴史を明らかにする
2.1 文献による日本語の歴史
2.2 言語地理学による日本語の歴史
2.3 ふたたび文献日本語史
3. 文献による日本語史研究の過程

第2章 古い文献の姿
1. 書誌学と文献学
1.1 書誌学
1.2 文献学
2. 古い書物の姿―書誌学の基礎
2.1 近代以前の書物の姿
2.2 写本と版本
3. 本文の信頼性―文献学の基礎
3.1 書写による伝承と本文の変容
3.2 本文の変容と言語史資料としての価値
3.3 本文批判―校合・校訂、校本

第3章 日本語の歴史のための資料
1. 文献資料の種々
1.1 仮名文・漢字ひらがな交じり文
1.2 漢字片仮名交じり文
1.3 漢字文資料(万葉仮名、正格漢文・変体漢文)
1.4 古辞書
1.5 ローマ字文
2. 日本語史の時代と文献資料
2.1 日本語史の時代区分
2.2 奈良時代の文献資料
2.3 平安時代の文献資料
2.4 鎌倉時代の文献資料
2.5 室町時代の文献資料
2.6 江戸時代前期の文献資料
2.7 江戸時代後期の文献資料
2.8 明治時代以降の文献資料
3. 資料の特徴を知るために

第4章 古典作品を活字本で読む
1. 古典作品の活字本にはどのようなものがあるのか
2. 古典叢書を日本語史調査に利用するには
2.1 本文
2.2 注釈・現代語訳

第5章 漢字で書かれた文章を読む
1. 漢字で書かれた文章
1.1 「漢字で書かれた文章=漢文」か
1.2 2 種の漢文─純漢文と変体漢文
2. 漢字で書かれた文章(漢字文)を読む
3. 漢字・漢語受容史研究の資料としての漢字文

第6章 写本・版本の読み方
1. ひらがなを読む
2. カタカナを読む
3. 漢字を読む

第7章 古辞書をつかう
1. 漢字辞典・漢和辞典の利用
2. 国語辞典の利用
2.1 色葉字類抄
2.2 節用集
3. その他の辞書の姿
3.1 日葡辞書
3.2 和英語林集成
3.3 言海
4. 古辞書の種々

第8章 現代辞書を利用する
1. 日本国語大辞典を利用する
2. 古語辞典を利用する
2.1 『古語大辞典』(小学館)
2.2 『角川古語大辞典』(角川書店)
2.3 『岩波古語辞典』(岩波書店)
2.4 『古語大鑑』(東京大学出版会)
2.5 時代別の古語辞典
3. 電子的な辞書(CD-ROM 版、オンライン版)
3.1 『角川古語大辞典』CD-ROM 版
3.2 オンライン版
4. 漢和辞典を利用する

第9章 参考文献を探す
1. 参考文献を探す意味
1.1 自分の疑問が研究テーマとなり得るかを確認するために
1.2 自分の研究テーマをより明確にするために
1.3 疑問を解決するための研究方法や論証方法を学ぶために
2. 参考文献を探す方法
2.1 ウェブ上のデータベース
2.2 各種文献目録
3. 参考文献を入手する
3.1 文献の所蔵先を探す
3.2 相互利用サービス
3.3 書店などで購入する

第10章 用例を集める
1. 用例を集めるということ
2. 用例を集める
2.1 文献を読んで探す
2.2 検索ツールを利用する
3. 用例を記録する
3.1 ノートに記録する
3.2 カードに記録する
3.3 表計算ソフトに記録する
3.4 テーブルを使って用例を整理する
3.5 ピボットテーブルを使ってデータ集計を行う
3.6 コンピュータで用例を記録する際の注意点

第11章 電子テキストを利用する
1. コーパス言語学と日本語の歴史研究
1.1 コーパスとコーパス言語学とは何か
1.2 タグ付きテキストとタグ無しテキスト
2. 電子テキストを利用する
2.1 電子テキストの信頼性
2.2 検索専用ソフトを使う
2.3 検索する前にテキスト加工
2.4 文字列検索の基本と「ゴミ」の問題
2.5 正規表現を使う
2.6 正規表現を使ったテキスト加工
2.7 テキスト加工の問題点
2.8 電子テキストの限界
3. 日本語史研究のための電子テキスト
3.1 国立国語研究所公開のコーパス
3.2 国文学研究資料館公開の電子テキストデータベース
3.3 東京大学史料編纂所公開の電子テキストデータベース
3.4 漢籍・仏典の電子テキストデータベース
3.5 有料の電子テキスト
3.6 その他の電子テキスト

第12章 ことばの歴史を構築する
1. ことばの歴史構築にむけて
2. 用例整理・分析の視点
2.1 いつに着目するか
2.2 どういう点に着目するか(1)―どこで使われているか
2.3 どういう点に着目するか(2)―どのように使われているか
3. ことばの歴史を描く
3.1 共時的な記述
3.2 通時的な分析
4. 日本語史、もう一歩先へ

日本語史研究のための文献ガイド
資料 日本語史研究のための電子テキスト一覧
索引
執筆者紹介




【編者紹介】
大木一夫(おおき・かずお)
1966年、長野県塩尻市生まれ。東北大学大学院文学研究科後期博士課程退学。博士(文学)。現在、東北大学大学院文学研究科教授。主な業績として、『文論序説』(ひつじ書房、2017)、『ガイドブック日本語史』(ひつじ書房、2013)、『日本語史叙述の方法』(共編著、ひつじ書房、2016)、『山田文法の現代的意義』(共編著、ひつじ書房、2010)がある。



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