ひつじ書房 文革から「改革開放」期における中国朝鮮族の日本語教育の研究 本田弘之 著 文革から「改革開放」期における中国朝鮮族の日本語教育の研究 本田弘之 著
2012年2月

文革から「改革開放」期における中国朝鮮族の日本語教育の研究

本田弘之 著

A5判上製 定価8,700円+税

ISBN 978-4-89476-591-7

ひつじ書房



本書は中国朝鮮族の日本語教育が「満州国」消滅後、約30年を経て「再開」され、自律的に発展していった過程をフィールドワークとインタビュー調査により詳細に追ったものである。朝鮮族の人々は、かつて民族文化をはく奪する手段として使われた日本語教育を自分たちの民族教育を振興させるためのツールとして活用してきた。その教育の舞台となった民族中学における日本語教育を分析し、その教育が各方面に与えた影響を考察する。


【目次】

はじめに
第1章 研究の目的と方法
 1.1 研究の目的と意義
 1.2 本書の構成
 1.3 先行研究
 1.4 調査方法
第2章 中国朝鮮族と少数民族教育
 2.1 中国朝鮮族
  2.1.1 「朝鮮族」の成立過程
  2.1.2 朝鮮族の居住地と言語生活
 2.2 少数民族教育
  2.2.1 中国の教育制度
  2.2.2 進学競争と入試制度
  2.2.3 民族教育制度
  2.2.4 民族教育制度が直面する問題点
 2.3 朝鮮族の民族教育
  2.3.1 朝鮮族中学における教育とその特徴
  2.3.2 民族教育の「漢語化」と「トランスナショナル化」
 2.4 朝鮮族が直面するコミュニティの縮小と解体
第3章 中国朝鮮族の日本語教育
 3.1 朝鮮族の日本語教育の時代的な推移
  3.1.1 「満州国」時代の日本語教育と朝鮮人
  3.1.2 文化大革命と民族教育の危機
 3.2 「中国」における日本語教育の時代的な推移
  3.2.1 清末から民国期まで
  3.2.2 中華人民共和国成立から文化大革命終了まで
  3.2.3 文化大革命終了と日本語教育の再開
 3.3 朝鮮族による日本語教育の「再開」
  3.3.1 日本語教育の「再開」事情
  3.3.2 「再開」期の日本語の授業
  3.3.3 再開期における大学の日本語の授業
  3.3.4 再開期の朝鮮族中学の授業と大学の授業を比較する
 3.4 教員の世代交代と授業の変化
  3.4.1 「外国語教育」としての日本語教育のはじまり
  3.4.2 現在の朝鮮族の日本語教育
  3.4.3 日本語教育へのビリーフ
  3.4.4 教師の授業観とその実現
  3.4.5 日本語教師の学習経験
 3.5 教科書とその使用
  3.5.1 民族中学で使用される教科書とその変遷
  3.5.2 問題集にみる「受験日本語」
  3.5.3 中国の日本語教育における教科書の位置
 3.6 朝鮮族の日本語教育の進展と変化
第4章 朝鮮族の日本語教育の変遷とその構造
 4.1 中国経済の高度成長と人材の不足
 4.2 産業界への人材供給源として機能した朝鮮族の日本語教育
 4.3 朝鮮族の「南方」移住が日本語教育の地域的な拡大に果たした役割
 4.4 1980 年代、中国における日本語教育と人材育成の二重構造
 4.5 中国朝鮮族の「漢語化」と「トランスナショナル化」
 4.6 中国朝鮮族の将来と日本語教育
参考文献
おわりに
索引

【執筆者紹介】

本田弘之(ほんだ ひろゆき) 〈略歴〉札幌市生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、高校教諭を経て、青年海外協力隊に参加。中国・ポーランドで日本語を教える。早稲田大学大学院日本語教育研究科満期退学。博士(日本語教育学)。現在、杏林大学外国語学部教授。
〈主要著書・論文〉『徹底ガイド 日本語教材』(共著、凡人社、2008 年)、『日本語教育を学ぶ 第二版』(共著、三修社、2011 年)など。


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