ひつじ書房 小学校と中学校の英語教育接続に関する実践的研究 渡慶次正則著 ひつじ書房 小学校と中学校の英語教育接続に関する実践的研究 渡慶次正則著
2024年11月刊行

小学校と中学校の英語教育接続に関する実践的研究

渡慶次正則著

定価3,000円+税 A5判上製カバー装 260頁

装丁 中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)

ISBN978-4-8234-1252-3


ひつじ書房

Practical Research Connecting English Education Between Elementary School and Junior High School
Tokeshi Masanori



【内容】
小学校と中学校の英語教育の乖離をどう接続するか。本書は、小学校現場に密着した調査、教員研修等の豊富なデータを基に、俯瞰的かつ体系的に中学校との接続方法を示す。小学校の検定教科書分析と小学校授業観察、発音、文法、語彙指導の小中接続、オンライン教員研修、早期英語教育(臨界期仮説)の学術的な評価について実践書とは異なる視点から今後の英語教育の指針を提案。現場教員や研究者、大学院生待望の実践的な研究書。

【目次】
まえがき


第1部 小学校の教科書を知る

第1章 小学校「外国語」検定教科書の表現、文法規則、発音
1. はじめに
2. 先行研究
2.1 英語教材・教科書分析の理論的枠組み
2.2 渡慶次の『We Can! 1』『We Can! 2』の先行調査
2.3 小学校の英語発音指導
2.4 小学校英語検定教科書の語彙
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査資料
4. 調査結果
4.1 表現・文型と題材に関する検定教科書と『We Can! 1』『We Can! 2』との対応
4.2 渡慶次(2021b)に出現しない5文型と関連文型、中学校段階の文型
4.3 文法規則の明示的説明と句読点について
4.4 検定教科書の英語音声指導について
5. まとめ

第2章 小学校検定教科書の文字指導と単語指導
1. はじめに
2. 文献研究
2.1 「読むこと」の指導について
2.2 「書くこと」の指導について
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査資料
4. 調査結果
4.1 検定教科書における活動数と割合の全体像について
4.2 音声言語と文字言語について
4.3 「読むこと」について
4.4 「書くこと」について
4.5 単語学習について
5. まとめ


第2部 小学校の授業を知る

第3章 小学校英語授業におけるやりとり、教師の発話と役割
1. はじめに
2. 文献研究
2.1 EFL教室のinteractionの特徴
2.2 EFL教室のinteractionにおける教師の発話や機能
2.3 EFL教室のJTE, ALT, HRTの役割
2.4 授業における教師の「足場かけ」(scaffolding)
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査対象者
3.3 観察記録収集方法と分析方法
4. 調査結果と考察
4.1 観察授業の概要
4.2 教師と児童のturn-taking
4.3 display questionと授業中の主導教師
4.4 TTにおけるreferential question
4.5 絵本教材を用いた応答引き出しと反復
5. まとめ


第3部 小学校と中学校の指導をつなぐ

第4章 英語教員養成課程における英語発音の知識と技能、態度
1. はじめに
2. 文献研究
2.1 外国語教授法における発音指導の変遷
2.2 英語教師の発音モデルと国際語としての英語
2.3 国内の英語教員養成課程と現職教員研修における発音指導の課題
2.4 発音指導における分節的要素(segmental)や超分節的要素(suprasegmental)
2.5 英語教員養成における音声学教育の提案
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査対象者
3.3 調査用具
3.4 「英語科教育法」における発音学習・音読練習と調査項目の関連
4. 調査結果
4.1 発音記号の予備調査について
4.2 「英語発音学習・音読、目指す英語発音に対する意識について」の事前と事後調査結果
5. まとめ

第5章 小学校と中学校の英文法指導の接続
1. はじめに
2. 文献研究
2.1 文法とコミュニケーションの教授法の歴史
2.2 「宣言的知識」対「手続き的知識」と「暗示的知識」対「明示的知識」
2.3 統制的処理と自動的処理
2.4 小学生と中学生の文法知識と処理
2.5 学習の初期段階に習得する定型表現とその発達
2.6 文法の指導
2.7 文法的特徴や項目による習得の困難度
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査対象教科書と観察授業
4. 文法事項および文型に関する分析結果
4.1 小学校教科書から考察する文法的特徴
4.2 小学校授業観察から考察する文法学習および指導
4.3 中学校検定教科書の文法形式と明示的説明
5. まとめ

第6章 小学校と中学校の単語指導の接続について
1. はじめに
2. 小学校5学年・6学年検定教科書と中学校1学年検定教科書の単語数
3. 母語話者の語彙能力とEFL学習者の語彙能力
4. 「受容語彙」と「産出語彙」における語彙数
5. 単語の出現頻度と重要単語
6. 「単語を知っている」とは何か
7. 単語の「偶発的学習」と「意識的学習」、語彙学習に影響を与える要因
8. まとめ


第4部 小学校英語教員を育成する

第7章 小学校英語教育における教員研修と教員養成
1. はじめに
2. 小学校英語コア・カリキュラム
3. 東アジア諸国・地域の研修制度・教員養成
4. 国内の小学校英語教員の資格や能力
5. 国レベルと民間団体の小学校英語教員研修(2000年以降)
6. 地域レベルの日本と韓国の小学校英語研修内容の比較
7. 大学における小学校英語教員養成と中学校英語二種免許
8. 小学校英語教員に求められる英語力
9. まとめ

第8章 オンラインを利用した小学校現職教員研修
1. はじめに
2. 文献研究
2.1 Network-Based Language Teachingとユビキタスの「オンライン英会話」
2.2 オンライン英語教員研修プログラム
2.3 小学校英語教員に求められる英語能力
2.4 一般英語能力と「教室英語」
3. 調査方法
3.1 研究の問い
3.2 調査参加者
3.3 研修の「オンライン英会話」利用とオンライン授業研究会について
3.4 調査用具
4. 調査の結果
4.1 「オンライン英会話」受講回数と利用の問題点について
4.2 「一般英会話」能力伸長とユビキタス「オンライン英会話」の長所
4.3 「教室英語」能力の伸長について
4.4 レベル別の事前平均値と事後平均値の比較による「教室英語」能力の向上について
4.5 利用したオンライン教材と受講内容について
5. まとめ


第5部 早期英語教育を再検証する

第9章 年齢と第2言語学習到達度の再検証
1. はじめに
2. 臨界期仮説の代表的な先行研究の検証
2.1 脳障害の事例と言葉を奪われた少女の実例に基づく母語習得
2.2 移民の第2言語習得と年齢
2.3 第2言語の短期習得(自然習得)と年齢
3. 社会的・心理的要素が影響する子供と大人の第2言語習得
4. 第2言語環境と年齢
5. 認知的要素が影響する第2言語習得の年齢
6. 臨界期仮説の反証となる母語話者並みの第2言語能力習得事例
7. 学校カリキュラムで学習した第2言語と年齢
8. 年齢と第2言語習得研究から日本の小学校英語教育への示唆
9. まとめ


参考文献
初出一覧
謝辞
索引




【著者紹介】
渡慶次正則(とけし まさのり)
沖縄県の公立中学校で2003年まで19年間、英語教員を務める。現職は、名桜大学国際学部教授で、主に英語教職科目を担当している。University of Wollongong教育学部 TESOL博士コース(Doctor of Education)を2004年に修了した。 主な論文は、An Investigation into Pre-service Teacher’s English Language Prociency through CEFR-J Self-Assessment and Condence Levels, Annual review of English learning and teaching (JACET九州沖縄支部紀要)23巻(2018)、「小学校英語授業における教師発話やturn-taking、教師の役割の調査」『沖縄英語教育学会紀要』19号(2023)他。



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