【内容】
認知言語学が用法基盤アプローチとして不十分であることを指摘する声は少なからずあるが、その原因は、英語や日本語、あるいは標準変種や書き言葉などの高度に理想化されたレベルでの研究が多く見られたことにある。本論文集では、社会・相互行為の文脈から言語使用を考察し、極度の理想化から脱却した新しい認知言語学の在り方を探求する。
執筆者:遠藤智子、大谷直輝、木本幸憲、木山直毅、渋谷良方、土屋智行、中村文紀、中山俊秀、名塩征史、堀内ふみ野、横森大輔、吉川正人、李嘉、李昱琨、Ash L. Spreadbury
【目次】
はしがき
序 認知言語学と言語の理想化
渋谷良方・吉川正人・横森大輔
Part 1 コーパス分析からのアプローチ
WANT交替
確率文法によるアプローチ
渋谷良方
Have to be or hafta be or gotta be, that is the question.
認知的・社会的要因から変異形の選択問題に迫る
吉川正人
多義性研究におけるテキストジャンル
RUN構文を例に
木山直毅
better off notかnot better off か
否定辞notを含むbetter off構文に関する認知社会言語学的研究
大谷直輝