ひつじ書房 メディア談話へのまなざし クロスモーダル分析の試み 片岡邦好著 メディア談話へのまなざし クロスモーダル分析の試み 片岡邦好著
2024年5月刊行

片岡邦好談話分析著作選集 I

メディア談話へのまなざし

クロスモーダル分析の試み

片岡邦好著

A5判上製カバー装 定価3400円+税

272頁

ISBN978-4-8234-1178-6

ブックデザイン 中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)

ひつじ書房

Selected Works of Kuniyoshi Kataoka: A Linguistic Anthropological Approach to Discourse
Volume 1: A Cross-modal Approach to Media Discourse
Kuniyoshi Kataoka




【内容】
1 メディア談話、2 道案内と空間描写、3 ロッククライマーの身体とナラティブ分析を扱うシリーズ全3巻の第1巻。マルチモーダル分析の手法を駆使し、メディア談話研究の可能性を拓く論文集。本書は社会言語学・言語人類学的アプローチを用いながら、書記言語、音声言語、パラ音声、身体表象などを統合的に分析対象とすることを目指し、認知的かつミクロな相互行為分析に着目する「マルチモーダル」の視座と、本書で「クロスモーダル」と呼ぶ個々の集団や文化的規範を重視するアプローチにより、メディア談話の新たな側面に光を当てる。


【目次】
はしがき

第1章 クロスモーダル分析の構想
1. 「メディア談話」とは何か
1.1 「メディア」と「談話」
1.2 本書の目的
2. メディア談話の言語研究
2.1 海外における発展
2.2 国内における発展
3. 本書におけるメディア談話へのアプローチ
3.1 エスノグラフィックな手法
3.2 文化への視点
3.3 相互行為的な視点
3.4 クロスモーダル分析のための枠組み
4. 各章の概要

第2章 クロスモーダル分析のための理論的枠組み
1. クロスモーダル分析への姿勢
2. 理論的背景
2.1 語りの構造によるアプローチ
2.2 語りとジェスチャー研究
2.3 「参与/関与」と「フレーム」によるアプローチ
2.4 詩的分析モデル
2.5 制度と認知
2.6 クロノトープとスケール

第3章 行為と知覚のナラティブ―テレビCMのクロスモーダル分析(1)
1. はじめに
2. 語り、詩的構築、身体
3. 分析対象とその特徴
4. 「ツップリダンス」のクロスモーダル分析
4.1 基本構造
4.2 語りとマルチモーダルな詩的構造
5. おわりに

第4章 参与と映像による詩的実践―テレビCMのクロスモーダル分析(2)
1. はじめに
2. 語りと身体の詩的構築
3. 分析データとその特徴
4. 「どん引きダンス」のクロスモーダル分析
4.1 発話・テキスト
4.2 パフォーマンス(踊りと発声)
4.3 参与と画面切り替え
4.4 視点粒度(遠近のタイプ)
4.5 ナレーションと効果音
5. おわりに

第5章 ラジオ番組収録における多層的参与―制度的制約に伴う現象を中心に
1. はじめに
2. 活動、認知、制度
3. データおよび分析方法
4. 分析と考察
4.1 反復許容性に伴う現象:並列発話と「強制的」他者修復
4.2 ターンの宛て手の不透明性
4.3 複数の(人工的)認知の交点
4.4 フレーム・ホッピングと応答可能性
5. おわりに

第6章 言語・身体・メディアの共謀的実践について―バラク・オバマ上院議員による2008年民主党党員集会演説を題材に
1. はじめに
2. 先行研究
3. 分析データおよび分析方法
4. 分析
4.1 演説のテクスト分析
4.2 演説の提示技能
4.3 生放送というパフォーマンス
5. おわりに

第7章 演説の多層的クロスモーダル分析―ドナルド・トランプ氏の集会演説に焦点を当てて
1. はじめに
2. 先行研究
3. 分析データおよび分析方法
4. 分析
4.1 テクスト分析
4.2 マルチモーダル相互行為分析
4.3 メディア実践
5. おわりに

第8章 改憲議論のクロスモーダル分析―ジェスチャー空間に投影される政治理念
1. はじめに
2. 理論的背景
3. 分析方法と本章の問い
4. データと参与者
5. 分析
5.1 安倍首相による憲法概念の空間化
5.2 小池議員による憲法概念の空間化
5.3 空間と身体のイデオロギー化
6. おわりに

第9章 「ばい菌」言説と「縮尺化」―新型コロナ感染症を事例に
1. はじめに
2. コロナ時代の移動と越境
2.1 病とスティグマ
2.2 クロノトープとスケール
2.3 間接指標とイデオロギー
3. 分析データおよび収集方法
4. 分析:「ばい菌」言説
4.1 感染者・感染源としての「ばい菌」
4.2 有害・汚染物質としての「ばい菌」
4.3 伝播・影響としての「ばい菌」
4.4 異物・異質としての「ばい菌」
5. おわりに

第10章 結語

参考文献
索引


著者紹介
片岡邦好(かたおか くによし)
[略歴]1960年生まれ。愛知県出身。米国アリゾナ大学、第二言語習得研究(Language Use専攻)博士課程修了。愛知大学文学部および文学研究科教授。
[主な著書]論文: Shifting bonds in suspect interrogations: A focus on person-reference and modality. In Ide, Risako and Hata, Kaori (eds.), Bonding through Context: Language and Interactional Alignment in Japanese Situated Discourse, pp. 17–37. Amsterdam: John Benjamins.(2020).
共編著:『ポエティクスの新展開—プルリモーダルな実践の詩的解釈に向けて—』ひつじ書房 (2022).
単著:Language and Body in Place and Space: Discourse of Japanese Rock Climbing. Bloomsbury Academic. (2023).



ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。
書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ