ひつじ書房 獲得と臨床の音韻論 上田功著 ひつじ書房 獲得と臨床の音韻論 上田功著
2023年2月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第195巻

獲得と臨床の音韻論

上田功著

定価5000円+税 A5判上製函装 168頁

ISBN978-4-8234-1177-9

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

The Phonology of Typical and Atypical Speech Development
Ueda Isao

ひつじ書房


【内容】
幼児の言語発達期に見られる発音の遅れや誤り、機能性構音障害と呼ばれる体系的な誤構音につき音韻理論からのアプローチを試みる書。伝統的古典的生成音韻論から、自然音韻論、素性階層理論、素性不完全指定理論、近年の最適性理論に至る理論の発展に伴い、幼児の誤構音にどのように光が当てられてきたかを、日本語と英語の誤構音のデータを分析の俎上に上げて議論を進める。臨床現場の活動と理論的な分析は車の両輪である。分野横断的で学際的な書である。〈日本学術振興会助成刊行物〉

【目次】
まえがき

第1章 序論
1.1 はじめに
1.2 誤構音の規則性
1.3 関連する音韻現象
1.4 第1章のまとめ

第2章 初期の音韻理論による音韻獲得の分析
2.1 はじめに
2.2 初期生成音韻論
2.3 初期生成音韻論に基づく研究の問題点
2.4 自然音韻論に基づく音韻過程分析
2.5 基底表示決定の問題と制約の導入
2.6 派生時代の制約の問題点
2.7 第2章のまとめ

第3章 より合理的な説明を求めて 音韻理論の発展と獲得研究
3.1 はじめに
3.2 階層的素性表示と軟口蓋音の獲得
3.3 素性不完全指定と調音位置の同化
3.4 目標音に対する異なる音韻知識
3.5 素性の不完全指定と疑似指定
3.6 第3章のまとめ

第4章 基底の素性指定と語彙拡散による音韻変化
4.1 はじめに
4.2 語彙拡散による音素分離
4.3 3つの素性不完全指定理論
4.4 もうひとつのタイプと個人変異
4.5 歴史的音韻変化と方言分布
4.6 第4章のまとめ

第5章 音獲得順序のパラドクス
5.1 はじめに
5.2 音素分離と弁別素性
5.3 素性獲得の含意法則
5.4 依存音韻論による分析
5.5 音獲得の性格
5.6 第5章のまとめ

第6章 継続性のある音韻体系の記述を求めて 最適性理論
6.1 はじめに
6.2 制約のランキングと獲得過程
6.3 最適性理論による獲得の類型化
6.4 音韻獲得の機能的側面
6.5 音韻獲得の形式面と機能面の関係
6.6 第6章のまとめ

第7章 音韻理論が明らかにする臨床例の隠された問題
7.1 はじめに
7.2 誤構音の原因
7.3 ラ行音障害再考 2つのタイプの臨床的事実の理論的考察
7.4 第7章のまとめ

第8章 まとめと今後の展望
8.1 音韻論と獲得・障害
8.2 今後の展望
8.3 音声学的な視点

おわりに
引用文献
索引



【著者紹介】
上田功(うえだ いさお)
名古屋外国語大学教授・大阪大学大学院連合小児発達学研究科招聘教授・大阪大学名誉教授。大阪外国語大学大学院修了、京都大学博士(文学)。静岡大学助教授、アメリカ合衆国インディアナ大学フルブライト交換客員研究員、大阪外国語大学教授、大阪大学教授を経て現職。
〈主な著書〉
“Some formal and functional typological properties of developing phonologies”(2005, 『言語研究』127, pp.115–139), The International Guide to Speech Acquisition(2007, 共著, Thomson Delmar Learning, New York), The Oxford Handbook of Speech Development in Languages of the World(2023予定, 共著, Oxford University Press).


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