ひつじ書房 ポエティクスの新展開 プルリモーダルな実践の詩的解釈に向けて 片岡邦好・武黒麻紀子・榎本剛士編 ポエティクスの新展開 プルリモーダルな実践の詩的解釈に向けて 片岡邦好・武黒麻紀子・榎本剛士編
2022年11月刊行

ポエティクスの新展開

プルリモーダルな実践の詩的解釈に向けて

片岡邦好・武黒麻紀子・榎本剛士編

定価4800円+税 A5判上製 312頁

ISBN978-4-8234-1144-1

装丁 中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)

ひつじ書房

New Vistas in Poetics: Plurimodal Approaches to Poetic Practice
Edited by KATAOKA Kuniyoshi, TAKEKURO Makiko and ENOMOTO Takeshi


【内容】
多様な記号の反復・対照性・平行性によってもたらされる等価性、すなわち「詩」の原理は、様々なコミュニティ内で指向される「行為の型」を司る原理でもある。伝統儀礼、芸能から、教育、福祉、実業、観光、社会運動まで、我々が実際に身を置く社会に存在する実践を「生活の詩」と捉え直し、社会的行為の根底にある詩的機能の作用を解き明かす。
執筆者:浅井優一、井出里咲子、榎本剛士、梶丸岳、片岡邦好、高梨博子、武黒麻紀子、古川敏明、山口征孝

【目次】
はしがき

第1部 ポエティクスの理論的射程

第1章 ポエティクスの射程
近年の詩的分析の展開をふまえて
片岡邦好
◯コラム ことばとクライミングのフィールドワーク(に至るまで)

第2章 分人性のポエティクス
書記された彼岸から今ここの儀礼へ
浅井優一
◯コラム フィジー諸島でのフィールドワーク

第3章 語用論的分析から模倣現象を捉え直す
「詩的」構造と進化論の接点を探る
山口征孝
◯コラム フィールドワークの思い出

第2部 生活、社会、歴史の中の詩的実践

第4章 “He haole ‘oe?”
ハワイ語の引用と構築された対話の詩的構造化が指し示すリアリティ
古川敏明
◯コラム 研究協力者へのアプローチ

第5章 ジョージ・フロイド事件におけるデモと詩の生成
嘆願のポエティクスを中心に
井出里咲子
◯コラム コロナ禍のフィールドワーク雑感

第6章 観光のエスノポエティクス
並行性と響鳴による詩的実践
高梨博子
◯コラム 旅行者視点の調査手法を求めて

第7章 即興の掛け合い歌「掛唄」における響鳴
梶丸岳
◯コラム 掛唄と直接関係のない調査のはなし

第8章 島の祭りのポエティクス
周縁島嶼域における詩的構築の多様性
武黒麻紀子
◯コラム ネットワークゼロに導かれて

第9章 「英語教育」の指標的類像として見る「英語の授業」
榎本剛士
◯コラム 今だから言える、裏か表かわからない話

索引



【編者】
片岡邦好(かたおか くによし) 愛知大学文学部人文社会学科教授
[主な著書・論文]
The ‘body poetics’: Repeated rhythm as a cultural asset for Japanese life-saving instruction. (Journal of Pragmatics 44(5), 2012)
『コミュニケーションを枠づける―参与・関与の不均衡と多様性』(共編著、くろしお出版、2017)

武黒麻紀子(たけくろ まきこ) 早稲田大学法学学術院教授
[主な著書・論文]
『相互行為におけるディスコーダンス―言語人類学からみた不一致・不調和・葛藤』(編著、ひつじ書房、2018)
Pluri-modal poetic performance of banter: The Angama ritual on Ishigaki Island in Japan. (Humour in Asian Cultures: Tradition and Context, Routledge/Taylor and Francis, 2022)

榎本剛士(えのもと たけし) 大阪大学大学院人文学研究科准教授
[主な著書・論文]
『学校英語教育のコミュニケーション論―「教室で英語を学ぶ」ことの教育言語人類学試論』(大阪大学出版会、2019)
「メタ言語のメタ語用論―英語授業における対象言語の詩的生成とその社会化効果」(『社会言語科学』23(1)、2020)



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