ひつじ書房 コーパスによる日本語史研究 近世編 コーパスによる日本語史研究 近世編 岡部嘉幸・橋本行洋・小木曽智信編
2023年12月刊行

コーパスによる日本語史研究 近世編

岡部嘉幸・橋本行洋・小木曽智信編

A5判並製カバー装 定価4000円+税 408頁

ISBN978-4-8234-1134-2

装丁者 坂野公一(welle design)

ひつじ書房

Corpus-based Studies on the History of the Japanese Language: Early Modern Japanese
Edited by Okabe Yoshiyuki, Hashimoto Yukihiro, and Ogiso Toshinobu



【内容】
日本語史研究は、資料の読解とそこから取り出した言語形式の集計と分析を重ねる方法によって、発展してきた。近世語はその資料性において多様な様相を示すが、本書は近世語研究にコーパスを用いた方法論を取り入れることで、新たな展開を呼び起こす。また、資料性という観点から『日本語歴史コーパス 江戸時代編』の設計思想を平易に解説する。
執筆者:岡部嘉幸、村上謙、矢島正浩、村山実和子、橋本行洋、銭谷真人、高谷由貴、北﨑勇帆、市村太郎、片山久留美、宮内佐夜香、上阪彩香、常盤智子、小木曽智信、松崎安子


【目次】
はしがき


〈展望〉

コーパスによる近世語の研究
岡部嘉幸

1 はじめに
2 近世語の系統と『日本語歴史コーパス 江戸時代編』
3 コーパスによる近世語研究
4 おわりに

近世語の資料とコーパス
村上謙

1 はじめに
2 資料についての問題
3 検索ツールについての問題
4 『CHJ 江戸時代編』について
5 最後に:現状とこれから


〈論文〉

[通時的研究]

近世前期における逆接仮定条件史
―トモとトテ・テモ共存の意味―
矢島正浩

1 はじめに
2 前接語の状況
3 トモの用法
4 トテの用法
5 テモの用法
6 近世前期における逆接仮定辞の共存と条件表現史

『日本語歴史コーパス』に見る形容詞の連接
村山実和子

1 はじめに
2 調査方法と対象
3 全体の概観
4 [連体形+連体形]型の変容
5 おわりに

近世の「夜食」
橋本行洋

1 はじめに
2 『日本語歴史コーパス(CHJ)』の用例から
3 〈三食制〉意識の定着と「夜食」
4 「夜食」と「よるごはん」
5 おわりに

近世近代における「あて字」と「熟字訓」
―人情本の漢字表記を中心に―
銭谷真人

1 はじめに
2 検証方法について
3 検証結果と考察
4 おわりに

[共時的研究]

『日本語歴史コーパス 江戸時代編』に見られるダトテとダッテの使用状況
髙谷由貴

1 はじめに
2 先行研究
3 調査方法
4 調査結果
5 分析
6 おわりに

近世における従属節の階層性
北﨑勇帆

1 はじめに
2 調査
3 調査結果
4 階層構造の時代差
5 おわりに

『古今集遠鏡』に見られる程度副詞類とその周辺
―洒落本での使用状況との比較―
市村太郎

1 はじめに
2 調査の対象
3 「宣長訳」に見られる程度副詞類
4 結論

『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅰ洒落本』(京都・大坂)を利用した動詞待遇表現化のコロケーション
村上謙

1 はじめに
2 調査対象データについて
3 動詞の選定と基本度の検討に関して
4 動詞別・待遇表現化形式
5 動詞ごとの状況
6 最後に

[資料研究]

近松浄瑠璃における動詞の使用傾向
―コーパスデータから動詞の基本度について考える―
片山久留美・村上謙

1 はじめに
2 調査方法と調査資料について
3 動詞の使用傾向から見た近松
4 上位50 語の内訳から各コーパスの性質を読み解く
5 無印の語からコーパスの性格をうかがう
6 最後に

接続辞を指標とした近世資料の統計分析の試み
宮内佐夜香

1 はじめに
2 分析の対象と方法
3 データと分析結果
4 資料性の検討
5 接続辞と資料の対応
6 おわりに

『日本語歴史コーパス 江戸時代編』を用いたテキストアナリティクス
上阪彩香

1 はじめに
2 用いたデータについて
3 作品の数量的指標
4 おわりに

『古今集遠鏡』を対象とするコーパス構築の試み
市村太郎

1 はじめに
2 本研究で対象としたテキスト
3 テキストの分類とXML タグの設計
4 検索結果表示項目
5 漢字の使用に関する問題
6 改良に向けた今後の課題

『春秋雑誌 会話篇』の電子化について
常盤智子

1 はじめに
2 対象資料について
3 XML データの作成
4 パラレルテキストの活用と限界
5 組み込めない情報と組み込む必要のある情報
6 おわりに


〈解説〉

『日本語歴史コーパス 江戸時代編』の設計と構築
小木曽智信

1 はじめに
2 「江戸時代編」の構成
3 近世語テキストの形態素解析
4 江戸時代編Ⅰ洒落本
5 江戸時代編Ⅱ人情本
6 江戸時代編Ⅲ近松浄瑠璃
7 江戸時代編Ⅳ随筆・紀行
8 おわりに:開かれた共同構築環境によるCHJ 江戸時代編の拡張へ

『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅰ洒落本』解説
市村太郎・村山実和子

1 はじめに
2 「江戸時代編Ⅰ洒落本」開発の経緯
3 「江戸時代編Ⅰ洒落本」の特徴
4 利用上注意が必要な点
5 おわりに

『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅱ人情本』解説
村山実和子

1 はじめに
2 コーパスの概要
3 版本から翻字したテキスト
4 形態論情報の多重化
5 使用にあたっての注意点
6 おわりに

『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅲ近松浄瑠璃』解説
片山久留美

1 はじめに
2 収録作品の概要
3 テキストの概要
4 形態論情報の概要
5 副本文の形態論情報について
6 「中納言」における表示項目
7 おわりに

『日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅳ随筆・紀行』Ver.0.4(芭蕉の紀行文)解説
松崎安子

1 はじめに
2 「 江戸時代編Ⅳ随筆・紀行Ver.0.4(芭蕉の紀行文)」の本文
3 形態論情報の特徴
4 外部リンク
5 『 日本語歴史コーパス 江戸時代編Ⅳ随筆・紀行 Ver.0.4(芭蕉の紀行文)』の特徴
6 おわりに


索引
執筆者紹介

【編者紹介】
岡部嘉幸(おかべ よしゆき)成蹊大学文学部教授
橋本行洋(はしもと ゆきひろ)花園大学文学部教授
小木曽智信(おぎそ としのぶ)国立国語研究所研究系教授


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