ひつじ書房 コピュラとコピュラ文の日韓対照研究 金智賢著 ひつじ書房 コピュラとコピュラ文の日韓対照研究 金智賢著
2021年7月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第183巻

コピュラとコピュラ文の日韓対照研究

金智賢著

定価7300円+税 A5判上製函入り 240頁

ISBN978-4-8234-1066-6

ひつじ書房

A Contrastive Study on Copular Constructions in Japanese and Korean Languages
Jihyun Kim


【内容】
本書は、現代日本語と韓国語の多様なコピュラ文の対照分析を通じ、両言語のコピュラ構造並びにコピュラ形式「だ」「ita」の特徴を明らかにしようとするものである。基本型コピュラ文の意味論的分析をはじめ、一項名詞文、ウナギ文、動作性名詞述語文、拡張型コピュラ文、分裂文、さらに、コピュラ及び属格助詞に関わる名詞修飾構造等を対照的に取り上げることで、日韓のコピュラやコピュラ文の根本的かつ総体的な理解に迫る。

【目次】
はしがき
第1章 韓国語コピュラ文の意味論
西山(2003a)による基本型コピュラ文の日韓対照

1. 序論
2. コピュラ文の定義及び観察対象
3. 基本型コピュラ文の分類
3.1 措定文(predicational sentence)
3.2 指定文(specificational sentence)
3.3 同定文(identificational sentence)
3.4 同一文(identity sentence)
4. 韓国語コピュラ文の特徴と助詞
5. 第1章のまとめ

第2章 一項名詞文から見る「だ」と「이다 ita」の意味機能
1. 「だ」の二つの側面
2. 非述語の「だ」「이다 ita」
2.1 非述語の「だ」の広がり
2.2 非述語の「이다 ita」
3. 述語の「だ」「이다 ita」
3.1 「だ」「이다 ita」の述語としての意味機能について
3.2 「きれいな花(だ)!」タイプの一項名詞文と「だ」「이다 ita」
4. 「だ」「이다 ita」の特徴とコピュラ
5. 第2章のまとめ

第3章 ウナギ文の日韓対照
1. はじめに
2. 先行研究
3. 日本語と韓国語のウナギ文
3.1 二つのウナギ文と二つの前提
3.2 命題的前提と述語の「だ」「이다 ita」
3.3 ウナギ文における非述語の「だ」
3.4 情況的前提とコピュラとしての「は」「은 / 는 un/nun」
4. ウナギ文の周辺
4.1 その他の議論とウナギ文の種類
4.2 「ボクがウナギだ」と命題的前提
4.3 擬似ウナギ文と「R」の階層性
5. 第3章のまとめ

第4章 動作性名詞述語文とコピュラ
1. はじめに
2. 先行研究
3. 日韓の動作性名詞述語文
3.1 「出発だ!」型の文
3.2 「私は反対だ」型の文
3.3 「田中さんが到着だ」型の文
3.4 その他の動作性名詞述語文
4. 動作性名詞述語文におけるコピュラの述語性
5. 第4章のまとめ

第5章 日韓の拡張型コピュラ文
1. はじめに
2. 先行研究
3. 拡張型コピュラ文の対照
3.1 「象は鼻が長い」と「象はかわいい鼻だ」
3.2 「このタワーは高さが10mだ」と「このタワーは10mの高さだ」
3.3 「カキ料理は広島が本場だ」と「カキ料理は本場が広島だ」
4. 第5章のまとめ

第6章 分裂文から見る日韓コピュラの特徴
述語前置型分裂文の分析を兼ねて
1. はじめに
2. 分裂文について
2.1 定義と形式的特徴
2.2 分裂文の機能
3. 日本語と韓国語の分裂文
3.1 述部に現れる要素
3.2 「の」と「것 kes」
3.3 「だ」と「이다 ita」
4. 日本語の述語前置型分裂文について
4.1 一項述語主部の述語前置型分裂文
4.2 二項述語主部の述語前置型分裂文
4.3 韓国語との対照分析
4.4 述語前置型分裂文の文法的位置づけ
5. 第6章のまとめ

第7章 「AはBだ」から「BのA」へ
いわゆる属格助詞の日韓対照を兼ねて

1. はじめに
2. 名詞句について
3. 名詞句「N1 の N2」のタイプ
4. タイプ[B]の名詞句の意味構造と連体形式
4.1 タイプ[B]の韓国語表現と関与するコピュラ文の意味
4.2 韓国語の名詞句に関与するコピュラ文の種類と連体形式
5. 日韓の名詞句といわゆる属格助詞の意味機能
5.1 「의 uy」と「φ」の意味機能
5.2 「의 uy」と「の」の意味機能と日韓の名詞句
6. おわりに

第8章 結論
1. 言語形式とコピュラの問題
2. 「だ」と「이다 ita」の述語性の問題
3. コピュラ文の意味論の問題

引用文献
索引

   


【著者紹介】
金智賢(きむ じひょん)
韓国大邱生まれ。1997年、慶北大学国語国文学科卒業。2003年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。2009年、同研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、宮崎大学多言語多文化教育研究センター准教授。
[主な著書・論文]
「現代韓国語の談話における無助詞について」(2009年、『朝鮮学報』210)、『教養韓国語 初級』(2015年、朝日出版社)、『日韓対照研究によるハとガと無助詞』(2016年、ひつじ書房)、『現代日本語と韓国語における条件表現の対照研究』(2018年、ひつじ書房)、「韓国語名詞句とコピュラ文の意味論」(2019年、『國語學』92)、「「AはBだ」から「BのA」へ」(2020年、『朝鮮学報』255)など。


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