ひつじ書房 「問う力」を育てる理論と実践 問い・質問・発問の活用の仕方を探る 小山義徳・道田泰司編 ひつじ書房 「問う力」を育てる理論と実践 問い・質問・発問の活用の仕方を探る 小山義徳・道田泰司編
2021年3月刊行

「問う力」を育てる理論と実践

問い・質問・発問の活用の仕方を探る

小山義徳・道田泰司編

定価2800円+税 A5並製 360頁

装丁 三木俊一(文京図案室)

ISBN978-4-8234-1035-2

ひつじ書房

Promoting Learners' Questioning Skills: Theory and Practice
Edited by OYAMA Yoshinori and MICHITA Yasushii


【内容】
学習指導要領の改訂により、「自ら問いを立て、自律的に考えることのできる人材の育成」が求められている。本書は、学習者の「問い」や、教師の「発問」を基に展開する実践の紹介と背景理論の解説を行い、教育現場で教える教員の方はもちろん、学習者の「問い」や「質問」の研究に携わる大学院生や研究者も深く学べる内容となっている。
執筆者:生田淳一、植阪友理、小山義徳、鏑木良夫、亀岡淳一、小山悟、齊藤萌木、篠ヶ谷圭太、白水始、たなかよしこ、中山晃、野崎浩成、深谷達史、道田泰司、八木橋朋子

★前書き・目次を公開しています PDF


MORGENモルゲン2021年7,8月合併号(遊行社)に、小山義徳先生のインタビューが掲載されました。



【目次】
前書き

第1部 問いに関する主な理論や歴史的背景
第1章 質問研究の意義
白水始・小山義徳

1. はじめに
2. 学びにおける質問の意味
3. 問いの生成に関する教育心理学の研究の概観と教育実践
4. これからの質問の実践研究に向けて

第2章 予習での問いをもとに授業理解を深める
篠ヶ谷圭太

1. 予習時の質問生成に着目した背景
2. 問題の意識化を促す介入
3. 問いの生成手順への介入
4. おわりに

第3章 環境が授業における学習者の質問を引き出す
生田淳一

1. 学習者は質問をしない
2. 教室で質問を引き出すには
3. 今後の展望―質問力の育成のために必要なこと

第4章  児童の問いに基づいた小学校道徳授業の展開
―木下竹次と手塚岸衛の大正自由教育の実践を踏まえて

小山義徳・八木橋朋子
1. 児童、生徒の問いを元にした教育実践の歴史
2. 千葉県師範学校附属小学校(現:千葉大学附属小学校)の実践
3. 児童の問いに基づく道徳授業の実践
4. 児童の問いに基づく授業を行うにはどのような指導が必要か

コラム1 児童の問いを元にした道徳授業の展開
千葉大学教育学部附属小学校 八木橋朋子

第2部 「知識・技能の習得」における「問い」
第5章 批判的思考としての質問を重視した授業づくり
道田泰司

1. はじめに
2. 批判的思考を育成するための質問技法(questioning)
3. 筆者の実践1―宿題を通した質問作成
4. 実践1の振り返りとその後の模索
5. 実践2の構想と模索
6. 実践2―受講生の発表と質疑応答
7. 終わりに

第6章 学習で生まれる問い、学習を進める問い
―協調問題解決をとおした問いの創発
齊藤萌木

1. はじめに
2. 人はいかに学ぶか―実践研究の前提
3. 授業のデザイン・実践・振り返りによる実践研究の進め方
4. どんな実践事例を対象にしたか
5. 理解の深まりと問いの発見の関係―実践事例の分析とその考察
6. 次の学びにつながる「問い」の創発をどう支えるか

第7章 授業後の質問作成を通したアクティブラーニング
―留学生を対象とした実践とその改善
小山悟

1. 本実践の目的と背景
2. 初期の実践について
3. 何をどう改善したのか
4. 現在の実践について
5. 学生の書いた質問
6. 実践をふりかえって

コラム2 沖縄県「問いが生まれる授業」
沖縄県教育庁義務教育課長 目取真康司

第3部 「探究に関わる学習」における「問い」
第8章 問いに基づく探究的な学習とその実践
深谷達史

1. はじめに
2. 探究に関する理論や研究
3. 問いに焦点をあてた実践例
4. 本章のまとめと展望

第9章 大学での卒論・修論指導時における「問い」の役割
野崎浩成

1. はじめに―ここでいう「問い」について考える前に
2. 大学での初年次教育・リメディアル教育の実施状況
―今、大学で行われている初年次教育・リメディアル教育とは何か
3. 初年次教育と「アカデミックライティング」の位置づけ
4. 伝統的な作文教育と「アカデミックライティング」との関係
5. 21世紀型能力と「問い」「アカデミックライティング」との関係
6. 愛知教育大学情報科学コースにおける教育実践事例
7. 本教育実践(第6節)と「問い」の関係
―本教育実践の中での「問い」について改めて考える
8. まとめと今後の課題―未来を担う学生のために

第10章 学会で質疑応答できる力を育成し評価する
亀岡淳一

1. はじめに
2. 質問力向上の教育の意義
3. 第1段階:学内の発表会における質問振り返り表の活用
4. 第2段階:質問評価表の作成による質問の質評価の試み
5. 第3段階:質問振り返り表と質問評価表を用いた学会による実践
6. 質問発信力の育成
7. アウトカム評価
8. おわりに

コラム3 生徒の問いに基づいた授業における教師の学び
千葉大学教育学部附属中学校 桐島俊

第4部 教師の「発問」について
第11章 「学習者のつまずき」をもとに設計する国語授業
―「深い学び」を促す教師の発問
植阪友理

1. 「深い理解」を促す教師の発問の必要性
2. 学習者のつまずきから考える授業設計(困難度査定)を生かした発問
3. コツを知り、体験し、自分の特徴を知るための発問
4. コツを知り、体験し、自分を知る発問は、文学作品でも有効か?
5. 自分の考え方や生活と結びつけることを促す発問
6. 自分自身の言葉で内容を分かりやすく説明することを促す発問
7. 結びにかえて

第12章 わからないことがわかるための問い
—授業補助者から授業者へ
たなかよしこ

1. 「わかる」と答える大学生の気持ち
2. 「わからないこと」「できないこと」をどう捉えるか
3. 誰に何を何のために問うのか
4. 「問い」にまつわる日本語の難しさ
5. 大学での「問い方」への提案
6. 授業での評価決定と授業補助者からの視点の変化
7. おわりに

第13章 考えることが楽しくなる発問
鏑木良夫

1. はじめに
2. 子供の問いは教師の発問
3. 発問の3つの形
4. 発問で育つ資質・能力
5. 発問作成の視点
6. 発問の具体と分類
7. おわりに

第14章 児童の気づきを自らの問いに変える英語の授業デザイン
中山晃

1. はじめに
2. 活動と教科
3. 指導
4. 「思考力・判断力・表現力」に結びつく児童の「問い」
5. 結語

コラム4 問いを活かした授業 道田泰司

第5部 「問い」の理論と実践の整理
終章 質問実践の意義と方法
―本書各章からの示唆
道田泰司

1. はじめに
2. なぜ?
3. いつ?―授業の中での問い生成の位置づけ
4. どのように?
5. なに?―質問の種類
6. 終わりに

コラム5 授業において問い続ける生徒を育てる仕掛けづくり 道田泰司

索引
執筆者紹介

   


【編者紹介】
小山義徳(おやま よしのり)
千葉大学教育学部准教授 博士(教育学)
[研究テーマ]質問生成スキルの育成・英語教育
[主な著書・論文]『基礎からまなぶ教育心理学』(編著、サイエンス社、2018)、The Hemingway effect: How failing to finish a task can have a positive effect on motivation(共著,Thinking Skills and Creativity 30, 2018)ほか。

道田泰司(みちた やすし)
琉球大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻教授
[研究テーマ]思考力育成(特に批判的思考)
[主な著書・論文]『最強のクリティカルシンキング・マップ—あなたに合った考え方を見つけよう』(日本経済新聞出版社、2012)、『ワードマップ 批判的思考―21世紀を生きぬくリテラシーの基盤』(共著、新曜社、2015)ほか。


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