日本語文法史の視界 継承と発展をめざして 高山善行著 日本語文法史の視界 継承と発展をめざして 高山善行著
2021年3月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第162巻

日本語文法史の視界

継承と発展をめざして

高山善行著

定価6400円+税 A5判上製函入り 288頁

白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)

ISBN 978-4-8234-1008-6

ひつじ書房


             


【内容】
本書は、日本語文法史の開拓的研究をまとめたものである。古代語の助動詞を中心に、現代語との対照の観点から基礎的、実証的研究を行なっている。「名詞句」「モダリティ」「疑問文」「配慮表現」を取り上げ、それぞれの研究において新しい視点、分析方法を提示する。また、「とりたてとモダリティ」「テンス・アスペクトとテクスト構造」など、研究テーマの接続も試みる。この分野の研究領域を見通し、領域拡張の基点となる書。


【目次】
はじめに
1. 本書の目的
2. 本書の方法
3. 本書の構成

Ⅰ 研究領域の伸展

第1章 モダリティ研究の展開
第1節 モダリティ研究の展望
1. はじめに
2. 研究史
3. 古代語のモダリティ形式
4. モダリティ形式の性質
5. 課題
6. おわりに
第2節 モダリティ形式の連体用法
1. はじめに
2. 研究の目的
3. 方法と資料
4. 観察
5. まとめ
6. おわりに
第3節 「ム」の連体用法
1. はじめに
2. 準備
3. 方法
4. 観察
5. 分析
6. 結論
7. おわりに
第4節 モダリティ形式の準体用法
1. はじめに
2. 研究史
3. 資料・方法
4. 観察
5. 『枕草子』と『源氏物語』の比較
6. まとめ
7. おわりに

第2章 疑問文研究の新視点
第1節 疑問文研究の展望
1. はじめに
2. 研究史概観
3. 「疑問・推量」問題
4. 間接疑問文の成立
5. おわりに
第2節 疑問文とモダリティ形式の関係
1. はじめに
2. 出発点
3. 疑問点
4. 方法
5. 分析
6. まとめ
7. おわりに
第3節 疑問文と場面性 実在型疑問文をめぐって
1. はじめに
2. 方法・資料
3. 観察・分析
4. まとめ
5. おわりに
第4節 間接疑問文の成立 ケム型疑問文を中心に
1. はじめに
2. 方法
3. ケム型疑問文の性質
4. 用例群と注釈構文
5. まとめ
第5節 上代語における潜伏疑問文の探索
1. はじめに
2. 研究の目的
3. 事例研究 「知らず」構文
4. 並列句
5. まとめ
6. 課題

Ⅱ 研究領域の開拓

第3章 名詞句研究の可能性
第1節 名詞句研究の展望
1. はじめに
2. 研究史概観
3. 名詞句と〈数〉
4. 名詞句の限定表現
5. 名詞句の慣用化
6. おわりに
第2節 名詞句と語の境界
1. はじめに
2. 研究の目的
3. 語と句をめぐって
4. 事例研究 古代語名詞句「使ふ人」
5. 「使ふ人」の周辺語彙
6. 語と句の境界
7. おわりに
第3節 名詞句と数 複数性をめぐって
1. はじめに
2. 研究史
3. 複数性と意味解釈
4. 「統合性」と「個別性」
5. おわりに
第4節 クオリア構造による名詞句分析
1. はじめに
2. 研究の目的
3. 「始ム/始マル」構文と名詞句
4. モノ名詞の場合
5. クオリア構造とは
6. クオリア構造による分析
6. まとめ
7. おわりに

第4章 配慮表現史の構想br> 第1節 配慮表現研究の展望
1. はじめに
2. 研究史
3. 研究の方法
4. 事例研究 前置き表現の発達
5. 配慮表現発達の社会的要因
6. 今後の課題
第2節 中古語の断り表現 『枕草子』の場合
1. はじめに
2. 研究史
3. 資料・方法
4. 観察・分析
5. 断り表現の文法的特徴
6. おわりに
第3節 中世語の断り表現
1. はじめに
2. 方法・資料
3. 断り表現の実態
4. 対人配慮表現の萌芽
5. 対人配慮と対理意識
6. おわりに
第4節 形容詞による受諾表現
1. はじめに
2. 問題のありか
3. 方法
4. 観察・分析
5. 方言研究の視点から
6. 課題

Ⅲ 研究領域の接続

第5章 モダリティ研究との接続
第1節 とりたてとモダリティ
1. はじめに
2. とりたて研究史の概観
3. 分析
4. 助詞のカテゴリー再考
5. おわりに
第2節 条件文とモダリティ
1. はじめに
2. 研究史
3. 問題のありか
4. 観察
5. 未然バ節との関係
6. ムニ節とムハ節の差異
7. おわりに

第6章 テンス・アスペクト研究との接続
第1節 存在表現とテンス・アスペクト
1. はじめに
2. 研究史
3. 上代
4. 中古
5. 中世
6. まとめ
7. おわりに
第2節 テクスト構造とテンス・アスペクト
1. はじめに
2. 枠構造
3. 段をめぐって
4. 枠表示の方法
5. 物語テクストと伝聞表現
6. 言語情報と枠構造
7. おわりに

あとがき
既発表論文との関係
使用テキスト
参照文献


【著者紹介】
高山善行(たかやま よしゆき) 福井大学教育学部 教授
[主な著書]『日本語モダリティの史的研究』(ひつじ書房、2002年)、『日本語の配慮表現の多様性―歴史的変化と地理的・社会的変異』(くろしお出版、2014年、共編著)、『日本語文法史キーワード事典』(ひつじ書房、2020年、共編著)ほか。


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