消費税改訂に関して書籍のシール貼り強制に反対する。

現実的に本体価格が表示されているにもかかわらず、書店の一部から、4月以降に出荷する者に関して、シールを貼って欲しいという要望が出されているそうある。消費税がはじめて導入されたとき、定価と税金のかかるもとの値段である本体価格との区別が難しいということでシールを貼らざるを得なかったということは、それなりに納得できることである。しかしながら、すでに本体価格が表示されている現状で、シールを貼って欲しいという要望についてはとうてい理解できない。消費者を、バカにした考えだと思わざるを得ない。

消費者が、税率が上がったということを知っているのに、理解できないと思うのはどういうことなのであろうか。しかも、実際にシール貼りを余儀なくされるのは、長期間販売しなければならない専門書の出版社なのである。大手の出版社には関係のないことだ。

1030円(本体1000円)と書かれているものが、4月以降1050円になるというのは、だれでもわかることではないだろうか? もし、シールを貼らなければ出荷していけないということになると専門書の出荷コストは非常に大きなものになってしまう。わずかな人数で、わずかな利益で運営している出版社に最終的な引導をわたすようなものである。中規模以上の出版社は要望にしたがって出荷するのは妨げないが、小さなわれわれまで強制しないで欲しい。

今、一般的に使用されているレジスターであれば、税率の変化に対応できるはずである。そのようなレジでない書店は大変だと思うが、残念ながらそのような書店さんでは専門書はほとんど実際には販売していないはずである。そのような書店では、大手の出版社の本しか扱っていないはずで、大手出版社に要望を出すのは構わないが、専門書を出している弱小出版社まで巻き込まないで欲しい。

ひつじ書房

松本 功



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