近代の問題、認知の問題のいきつくところは身体である。身体が「芸能」と いうからだの活動をどう修得していくかということを手がかりに、この問題 にせまる。人文科学・社会科学においての卓越した成果。ブルデューを超え たか?
- 暗黙の知を支える前提
- 社会的ルーティンとしての儀礼的行為
- 学習過程としての暗黙知
- 習得過程の社会性という問い
- 教授―学習の社会的ミクロサイクル
- 徒弟制というメタファー
- 『身体の構築学』の二つのルーツ
- 『身体の構築学』への道
- 徒弟制への異なる視座―先駆者達
- 芸道的徒弟制の政治学 ―参加というプロブレマティーク
- 芸道的徒弟制の政治学 ―権威、深度、「積極的秘匿」
- 芸道的徒弟制の政治学 ―市場メカニズムと組織
- 徒弟制モデルの効用と限界
- メディアの革新と実践の変容
- 『身体の構築学』の構成
儀礼から芸能へ―あるいは見られる身体の構築 福島 真人
- 一つの寓話
- 儀礼――生存への意志と閉じたサイクル
- 観客と身体のハイパーインフレーション( あるいはジャンルとしての「身体技法」)
- 結論
芸能を〈身につける〉―山伏神楽の習得過程 西郷 由布子
- はじめに
- 山伏神楽
- 神楽の習得過程
- 神楽の構成=「手ごと」の仕組み
- 「手ごと」の機能
- 学習としての稽古
「民俗芸能」における言説と身体 橋本 裕之
- 「民俗芸能」の理念と実際
- 言説の複数性
- 言説の複数性
- 演技を習得する/させる過程
- 演技を習得する/させる過程
- 「演技の共同体」の現在
伝承の解剖学―その二重性をめぐって― 小林 康正
- 伝承論への新しい視角――技能、個人、社会というトリアーデ――
- 芸能のある場所――三味線、民謡、宴会の民俗誌――
- 伝承の二重性――変化しつつ構造化する伝承――
イエ相続の実践―参加と再生産をめぐって― 常田 夕美子
- はじめに
- 現代におけるイエ研究の意義
- 「相続慣行論」的説明とその問題点
- イエの組織構造とリクルートメント
- イエ相続における永久性の獲得過程
- イエへの参加形態と相続の実践
- イエの変化と継続の一事例―自らの経験から―
- 結び
大衆演劇における芸能身体の形成 鵜飼 正樹
- はじめに
- 大衆演劇の出しものと上演される場
- 口立て稽古・立ち稽古
- 上演
- 芸の習得過程
- 役者アイデンティティーの定着と承認
- 組織の変動と芸の習得
- きょうだい弟子
- 芸と人気
古典音楽伝承の共同体―能における保存命令と変化の創出 藤田 隆則
- 保存命令と実践
- 能のリズムに関する実践上の規範―説明形式批判をかねて
- 実践規範の選択と強調―リズム図式への弾圧
- 同一性の神秘化―こころの領域
- まとめ―および共同体の現状
「わざから知る」その後 レクチャーと討論 生田 久美子
「ZPDからLPPへ」―開けZPD― レクチャーと討論 茂呂 雄二
参考文献
あとがき
索 引