[シリーズエディター仁田義雄・村木新次郎]
もはや、日本語研究は、“いわゆる国語学者”だけの専有領域ではなくなってきている。言語学や各個別言語を専門とする者の中にも、日本語の研究を行ったり、日本語との対照研究を行ったりする者が増えてきている。さらに言えば、言語研究プロパーでない(たとえば、言語情報処理等)人達からの言語に対する発言・研究も増えつつある。したがって、日本語についての研究と言えども、伝統的な国語学の成果を踏まえながらも、もはや、それら諸領域での研究成果を無視するわけにはいかないものになってきている。
こういう時期に、比較的若手を中心として、日本語を核としたさほど大部ではないモノグラム的な研究叢書を編むことにしたのは、理論に傾いた研究と実証に重きを置く研究に梯子を掛け、日本語を中心として研究を進めている研究者と、何らかの点で日本語にも関心を持つ研究者との間に橋を渡すことのできる少しでも新しい研究成果・研究方法を呈示できればとの思いからである。
この叢書が、日本語研究、広くは言語研究に、ささやかながらも一石を投ずることができれば、編者ならびに執筆者にとってこれに過ぎたる喜びはない。
近年、日本語研究は、新しい展開を示しています。これまでの国語学の研究の範囲を超え、海外の言語研究の流れから相互的に影響を受け、また、日本語情報処理、認知言語学などの影響、また、日本語教育などからの様々な要請などにより、特に現代語の研究の場で、活発に議論が巻き起こり、相互に影響を与え、大きな成果があがりつつあります。もちろん、従来の国語学の蓄積を軽んずるものではなく、明治期に国語学と博言学(言語学)にわかれた日本語の研究がここにきて、新たな統合の時期を迎えているということが言えるのではないでしょうか。さらに、英語、フランス語、中国語などの外国語との対照研究も広く行われつつあり、日本語を色々なレベルで客観的に研究する土壌が育ってきている状況にあることと思われます。日本語も新たな時期に達したのだと思います。小社では、そうした新しい局面を重視し、これからの日本語研究のために『日本語研究叢書』と題して、刊行して行くことにいたしました。まず、第1期を刊行し、続けて第2期、第3期と刊行して行きたいと存じます。
現在、日本語研究の世界で、優れた業績を上げ、また上げつつある中堅・若手の気鋭の研究者によって執筆される本叢書が日本語研究のいっそうの発展に寄与することを信じ、また、祈っております。ぜひとも皆様がたのご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。
1991年2月に『日本語動詞の諸相』を第一回配本として刊行してから、既に9年少しの時が流れました。この間、「第一期・日本語研究叢書」に対して多大の御支援を賜りましたことを、出版社・著者ともども、お礼申し上げます。刊行した5冊の本は、おかげさまで、いずれも、刷りを重ねることができました。
当初7冊の刊行を予定していましたので、まだ2冊が未刊で残っていることになります。予約をしてくださった方々をはじめ、日本語研究叢書第一期の完結を期待してくださった皆様に、配本遅延をお詫び申し上げます。ただ、あまり長く未刊のままを続けることは、さらに申しわけない状況を続けることになり、とりあえず、第一期は、5冊の配本をもって完結させていただきたく存じます。申しわけありません。
未刊の2冊は、充実した形で、いずれ「ひつじ研究叢書(言語編)」として刊行されることになると思います。
今後もなるたけ良いものを刊行していきたいと思っております。引き続き「日本語研究叢書」に御支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
日本語研究叢書・編者
村木新次郎著 A5判 348ページ 4000円 (税込4200円) ISBN4-938669-01-3
「動詞の形態論」、「動詞の統語的特徴」、「形式動詞とその周辺」の三部構成による現代日本語の動詞の分析。動詞の精密な研究として、エポックをなしており、今後の研究においては当然踏まえられるべきものである。活用の詳細な研究は、日本語を教える人々にも読んでもらいたい。
鈴木泰著 A5判 358ページ 5000円(税込5250円) ISBN4-89476-103-3
古代語の動詞の研究は検証されない「通説」であったことを批判しつつ、実証的な論証から古代語の動詞の仕組みにせまる。源氏物語を題材にした分析は、テクストの性質にもせまる。2版では、新知見に基づきかなり改訂している。
斎藤倫明著 A5判 346ページ 4700円 (税込4935円) ISBN4-938669-06-4
現代語を語構成の立場から、事実を丁寧に追いながらそして理論的に分析。「言語単位をめぐって」「形容詞語幹をめぐって」「複合動詞をめぐって」「語構成と意味」の4部からなる。<2刷にて索引を増補>
仁田義雄著 A5判 280ページ 3200円 (税込3360円) ISBN4-938669-02-1
文の成り立ち、文とはなにかというものを考えるときに必須であるモダリティ論の基礎的文献であり、必読の重要な書。文というものに興味を持つ言語研究者以外の人々にもすすめたい。
澤田治美著 A5判 338ページ 4400円 (税込4620円) ISBN4-938669-17-X
テクストの分析に重要な「視点と主観性」といった観点からの日英語助動詞の比較研究である。この観点は、言語の実際面の考察に必要であり、微妙な言語現象への考察は、言語研究のみならず文学研究にも有益である。
山梨正明著 A5判 320ページ 4200円 (税込4410円) ISBN4-938669-42-0
待望久しい認知言語学の第一人者による文法論。カテゴリー化のプロセス、イメージスキーマとメンタルモデル、転義と文法化のプロセス、メタファーとメトニミー、視点とプロトタイプ、意味の慣用化とブリーチング等の問題を実証的に考察しながら、言葉とこころのメカニズムにかかわる言語研究の新しい方向を探究。認知科学の観点から、言葉と人間の認識のメカニズムの解明を目指す本格的な研究書。
影山太郎著 A5判 395ページ 4854円 (税込5097円) ISBN4-938669-19-6
日本語における語形成と統語論・意味論が関わり合う種々の現象を観察し、そこから、生成文法における形態論の在り方を理論的に考察する。とりわけ、語彙的な語形成と統語的な語形成を包括するモジュール理論を提唱する。
工藤真由美著 A5判 317ページ 4200円 (税込4410円) ISBN4-938669-59-5
日本語のアスペクト・テンス体系はどうなっているか。この分野における最近の充実した成果。時間の問題はテクストの問題でもあり、語りの問題でもあることから,言語研究者ばかりでなく、原理的にテクストを研究する際にも有益。
城田俊著 A5判 416ページ 5000円(税込5250円) ISBN4-938669-94-3
自立的品詞を、語尾形・語幹形・文形に分けその形態を厳密かつ詳細に記述し、副詞・連体詞という品詞の設定の矛盾を明らかにし、格助詞の形態論上の位置を明確化する。旧来の説を綜合し、その上でより単純、より明解、小学生でも憶えられる等身大の日本語文法を提示。一般言語理論に基づく本格的日本語形態論の最初の労作であると共に、寺村秀夫の『シンタクスと意味』全三巻以後に現れた日本語の体系的記述文法であるとの評価が高い。
鎌田修著 A5判 320ページ 3200円(税込3360円) ISBN4-89476-118-1
どの言語にもある「引用」という言語行為は、それがどのようなプロセスを経て、どのように表現されるのかまだ十分に明らかにされていない。本書はまず「引用」とは何なのか、という概論を述べ、それから日本語の「引用」の統語的特徴を「視点」、「モダリティ」の観点から記述する。さらに、「引用」を通して生じる「場の二重性」に見られる社会言語学的現象を観察し、引用表現の類型化、その選択の記述、説明を計る。最後に、中間言語的としての日本語に見られる伝達表現を観察し、日本語教育への意義を唱える。
金水敏著 予250ページ
現代日本語では、主語が有情物(人間など)か非情物かによって存在詞「いる」と「ある」を使い分けるといわれるが、このような使い分けは室町時代以降にその萌芽が現れ始めた。また「おる」は、「いる」と「ある」の張合い関係をぬって、時代・方言によって、微妙に意味を変えていく。本書では、このような存在表現の歴史と地理的変異を、文献資料・方言資料に沿って明らかにしていく。
アンドレイ・ベケシュ著 予200ページ
第一部。最近、世界各国で、言語理論の、内省的・思弁的アプローチから、言語をめぐる諸事実をより重視する、より実証的アプローチへという動きが目立ってきている。このような背景で、言語事実、説明の原理など、言語を取り扱う方法論をめぐる諸問題を論じ、言語運用に基づいた方法論を探る。第二部。第一部の方法論に基づいたいくつかの個別的研究を試みた。主として、テクスト内指示のストラッテジー、シンタクス以外のコヒージョン手段の階層性、語順とテクストのミクロ構造を取り扱う。
田窪行則著 予300ページ
情報の帰属領域の構造とその運用を解明し、日本語の談話法則、談話構造、談話理解に関する理論を提案し、検証する。
(略歴)1950年東京都に生まれる。1983年北海道大学大学院博士課程退学。弘前学院大学助教授を経て現職。 (主要論文、研究書)『ケーススタディ日本語の文章・談話』(おうふう、1990、共著)「説明の機能―説明の表現の文脈効果」『表現研究』58(1993)「描出」『国語研究』10(1996)
タイトル:日本語のテクスト―関係・効果・様相 380ページ 4800円
言語学におけるテクスト論の第一人者による待望のテクスト論。文の連続とテクストは、どう違うのかから、テクストを組織化する手段やテクストを創出するシステムにまで言及する。本書ほど、テクストについて言語学的に突き詰めた書は今まで存在しなかった。文学研究者、コミュニケーションの研究者まで、広い範囲の研究者にとっての必読の文献。
(略歴)1958年大阪府に生まれる。1986年大阪大学博士課程中退。愛知教育大学助教授を経て現職。
(主要論文、研究書)「文中引用句『〜ト』による『引用』を整理する」『論集日本語研究(一)現代編』(明治書院、1986)「引用されたコトバの記号論的位置づけと文法的性格」『詞林16』(1994)「引用論における『話し手投写』の概念」『宮地裕・敦子先生の古稀記念論集日本語の研究』(明治書院、1995)
タイトル:未定(「引用」に関するもの)
本書は、日本語の引用表現・話法について、意味・統語・表現論的に考究しようとするものである。第一部では、日本語の引用表現・話法に関する研究史を概観し、諸家の所説の達成と問題点を検討しつつ、それらと対峙させる形で、筆者自身の所論を示す。第二部では、引用研究の新たな展開の可能性を探って、いくつかの個別的な問題についてケーススタディを行う。
(略歴)1949年愛知県に生まれる。1975年名古屋大学大学院修士課程修了。国立国語研究所研究員を経て現職。
(主要論文、研究書)『企業の中の敬語』(国立国語研究所報告、1982、共著)『言語行動における日独比較』(同1984、共著)『談話行動の諸相』(同1987、共著)『社会言語学』(おうふう、1992、共著)『デイリーコンサイス漢字辞典』(三省堂、1995、共編) 「言語行動としての待遇表現」『日本語学』2-7(1983)「言語行動についてのきまりことば」『日本語学』8-2(1987)「言語行動における省略」『日本語学』12-10(1993)「お礼に何を申しましょう」『日本語学』13-7(1994)
タイトル:言語行動という視点(仮題) 約250ページ
言語行動という視点の広がりと可能性を議論する。この際、先行の言語行動論的な研究を踏まえつつ、日本語の社会言語学的調査研究の分野での言語行動研究を具体的に再吟味しながら、主として、対人的な配慮が言語行動の諸側面にほどこされるメカニズムに焦点を置いて考察する。
(略歴)1943年東京都に生まれる。1974年M.I.T.大学院博士課程修了(Ph.D.)。慶應義塾大学言語文化研究所助教授を経て現職。
(主要論文、研究書)「『象は鼻が長い』構文について」『慶應義塾大学言語文化研究所紀要21』(1989)「『カキ料理は広島が本場だ』構文について」『慶應義塾大学言語文化研究所紀要22』(1990)「コピュラ文における名詞句の解釈をめぐって」『文法と意味の間:国広哲弥教授還暦退官記念論文集』(くろしお出版、1990)「日本語の意味と思考―コピュラ文の意味と構造を手がかりに―」『日本語論2』(山本書房、1994)
タイトル:日本語名詞句の意味論と語用論 約250ページ
文中に登場する名詞句の意味解釈の問題を、とくに指示性・非指示性という観点から考察する。まず、先行研究の問題点を指摘した上で、「変項名詞句」という概念の導入が必要であることを論じる。この概念を用いて、「は」と「が」の区別に関する重要な側面を指摘する。そして、日本語のコピュラ文にたいする意味解釈、「変わる」「分かる」「知る」「ある」「いる」などを含む文にたいする意味分析を行い、名詞句と疑問文構造とのあいだの意味論的・語用論的関わりを論じる。
タイトル:奄美大島(北部)方言の文法 (共著)
地元の方言研究者と本土研究者の共同作業によって、奄美大島(北部)方言の文法を、形態論を中心として体系的に記述する。北部方言に属する龍郷町瀬留集落のことばを、動詞・名詞・形容詞と品詞ごとに考察をくわえる。そのさい、文法的な面と語彙的な面のかかわりあいにふれながら、文法的なかたちのもつ意味=内容面をほりさげていくようにした。
(略歴) 1957年東京都に生まれる。1982年上智大学大学院外国語学研究科博士前期課程修了。1988年ペンシルヴェニア大学大学院博 士課程修了(言語学、Ph.D取得)。
(主要論文、研究書) 「ヴァンクーヴァーの日系人の言語変容」『アメリカの日系人―都市・社会・生活―』(同文舘出版、1994) “The velar nasal in Tokyo Japanese: A case of diffusion from above”Language Variation and Change 7 (1995)“Denasalization of the velar nasal in Tokyo Japanese: Observations in real time”Towards a Social Science of Language (John Benjamins 1996)
タイトル:言語接触と言語変容―日系二世カナダ人の日英語における変異― (仮題)
二つ以上の異なった言語体系が個人或いは集団の中で接触することを、言語接触という。言語接触の具体例は、歴史的にも共時的にも少なくない。本書では、カナダのヴァンクーヴァーとトロントで日系1、2、3、4世カナダ人から収集した自然談話録音資料を対象に、日本語・英語の言語接触を取り上げ、この二つの言語が接触した結果、音声・音韻・形態・統語・意味の各レヴェルでおこった言語変容の諸相を解明していく。
[シリーズエディター加藤泰彦・工藤浩・鈴木泰・仁田義雄・村木新次郎]
テーマごとに現代日本語の研究の様々な成果を集める日本語研究資料集シリーズ。各巻の編者による書き下ろしを〈解説編〉として新たに加え、文献一覧と著者名一覧を付し、検索の便をはかった。
金水敏・田窪行則編 A5判 210ページ ISBN4-938669-09-9
[収録論文]古田東朔・佐久間鼎・三上章・高橋太郎・服部四郎・阪田雪子・久野・堀口和吉・黒田成幸・吉本啓・金水敏・田窪行則
須賀一好・早津恵美子編 A5判 250ページ 2500円 (税込2625円)
ISBN4-938669-53-6
[収録論文]本居春庭・松下大三郎・西尾寅弥・奥津敬一郎・井上和子・青木伶子・須賀一好・野村剛史・天野みどり・ヤコブセン・早津恵美子・野田尚史
斎藤倫明・石井正彦編 A5判 354ページ 3100円 (税込3255円)
ISBN4-938669-78-1
[収録論文]奥津敬一郎・影山太郎・斎賀秀夫・阪倉篤義・玉村文郎・長嶋善郎・西尾寅弥・野村雅昭・林四郎・姫野昌子・宮地裕・宮島達夫・森岡健二・湯本昭南・ワカバヤシマサオ
第2・3巻 テンス・アスペクト 鈴木泰・澤田治美・工藤真由美・森山卓郎編
第4巻 ヴォイス 村木新次郎・外池滋生編
第5巻 否定 加藤泰彦・井上優編
第6巻 活用 村木新次郎・屋名池誠編
第9巻 はとが 上林洋二・丹羽哲也編
第10巻 格 仁田義雄・小矢野哲夫編
第11巻 とりたて 野田尚史・沼田善子編
第12巻 副詞 工藤浩・矢澤真人編
第14巻 語の意味 山田進・相澤正夫編
バナード・コムリー著 松本克己・山本秀樹訳
A5判 320ページ 3200円(税込3360円) ISBN4-938669-07-2
様々な言語から言語の普遍性と類型論を追究した名著の翻訳。色々なタイプの言語を考察していくことから深められた考察は、日本語を考える際にも有益である。
ヤコブ・L・メイ著 澤田治美・高司正夫訳
A5判 380ページ 3880円(税込4074円) ISBN4-938669-75-7
Journal of Pragmaticsの雑誌の編集長でもあり、多くのシリーズエディターをつとめている著者の語用論の決定版。ユーモアと含蓄に富んだ記述は、話芸ともいえよう。満を持しての刊行。本書は、ブラックウェル社に先がけて、ひつじ書房が契約した書籍である。言語研究のみならず、人文科学全般に有益。翻訳時、著者に確認の上、原著のミスを多数訂正している。
ダイアン・ブレイクモア著 武内道子・ 山崎英一訳
A5判 310ページ 3009円(税込3159円) ISBN4-938669-23-4
文化人類学者スペルベルと言語学者ウィルソンによる、人間の認知上の一般原則に基づく伝達理論としての関連性理論の入門書。なぜ人間はわずかな情報だけで発話を理解でき、時に理解に失敗するのか。また、日常の会話とアイロニーやメタファーなども統一的に考察できる新しい理論でもあり、文学研究にも有益である。
ダニエル・ヴァンダーヴェーケン著 久保進ほか訳
A5判 349ページ 5000円(税込5250円) ISBN4-938669-85-4
言語哲学者サールとも共同研究を行っているヴァンダイヴェーケンによる発話行為理論の決定版。今回の訳者とも共同の研究を行っており、翻訳に成果が生かされている。
第7巻
ローレンス・L.・ホーン著 河上誓作・濱本秀樹・吉村あき子訳
M. A. K. ハリディ ルカイヤ・ハサン著 安藤貞雄ほか訳
A5判 505ページ 6000円(税込6300円) ISBN4-938669-90-0
ことばは、次々とつながっていくことで文章や談話になっていく。文の研究から文章の研究へむかいつつある今後の言語研究にとって必須な結束性(cohesion)の基本的文献。(原題「Cohesion in English」)
カトリーヌ・ガルニエ著 細川英雄・小出美河子訳
A5判 205ページ 4854円(税込5097円) ISBN4-938669-30-7
フランスの著名な日本語学者である著者の日本語の複文の研究。今後、研究の発展が求められている分野の大いなる前進。研究成果の少ない分野で、実に優れた業績を上げている。
徳川宗賢著 A5判上製 650ページ 15000円 (税込15750円)
ISBN4-938669-10-2
『日本言語地図』の調査・作成、『日本方言大辞典』の編集など、方言研究・方言地理学に精力をそそいできた著者のはじめての論文集。現在の方言研究・社会言語学の指針となる書。それぞれの論文を補訂する補記を巻末に付す。
森野宗明著 予15000円
城田俊著 A5判上製 280ページ ISBN4-938669-11-0
本書は日本語共通語の音声を全ての水準において記述することを試みたものである。これまでの日本語の音韻論は結果として妥当なものであっても、結論が必ずしも道筋を明確にして、緻密に論証されていたとはいえなかった。その欠けていた音韻論の論証を一歩一歩飛躍なく精密に記述したはじめてのものである。
松本克己著 A5判上製 204ページ 9000円 (税込9450円)
ISBN4-938669-31-5
上代語は八母音だったのか、従来の定説に大きな衝撃を投げかけた論の決定版を含む著者の初めての著書。言語学者ばかりでなく、上代文学に関心を持つ人々の必読書。詳細な語彙索引を付す。
湯川恭敏著 A5判上製 690ページ 19000円 (税込19950円)
ISBN4-938669-38-2
「多くのバントゥ系言語を調査していくうちに、それらのアクセントの面白さに魅かれるようになった。…動詞アクセントの場合、基本的にはすべての活用形が分からなければそれを調査・分析したことにはならない」著者のアフリカ語研究の決定版。
澤田治美著 A5判上製 424ページ 12000円 (税込12600円)
ISBN4-938669-39-0
学位論文の公刊。日英の助動詞の研究では定評のある(市河賞受賞)著者による語用論的分析。日本の読者に読みやすいように例文はローマ字表記の他に日本語を付す。(英語)。
金子亨著 A5判 515ページ 現在品切 PDFによる重版予定
ISBN4-938669-87-0
人類の言語に、普遍的な時間概念があるのかというという徹底した問題意識のもとに従来のテンス・アスペクトを、全く新しく越えようとする書き下ろしの研究書。
本書は、*PDF形式で重版します。電子本ですので、Mac OS か Windows 95, 98, NTが必要です。値段の詳細は小社のホームページをご覧下さい。
奥津敬一郎著 A5判上製 458ページ 5825円(税込6116円)
ISBN4-938669-63-3
著者の広い関心の中から今まで一緒に纏められていなかった数量詞移動、複合名詞、不定詞、引用、ダ型文、移動変化動詞、「はい」と「いいえ」、受身文、授受動詞構文などに関する重要な論文を集めて刊行。いわば、アルバムに未収録のシングルヒット集である!
小林賢次著 A5判上製 436ページ 12000円 (税込12600円)
ISBN4-938669-64-1
著者が研究の出発から継続して取り組んできた条件表現史の集大成。日本語史の研究者はもちろん、現代語の研究者にも有益。
文部省助成刊行物
中村捷著 A5判上製 331ページ 6019円 (税込6320円) ISBN4-938669-65-X
生成文法の研究でしられる著者の最新の研究を一書に纏めたもの。第1章 束縛理論、第2章 代名詞、第3章 束縛代名詞、第4章 日本語の再帰代名詞、第5章 日本語の空代名詞、第6章 英語の遊離数量詞、第7章 優位条件と多重疑問文、第8章 空演算子構文、第9章 機能範疇と移動規則
森田良行著 A5判 374ページ 3800円 (税込3990円)
ISBN4-89476-135-1
『基礎日本語辞典』(角川書店)など、日本語の精密な分析で知られる著者のいままでの語の意味の実践的な分析の裏付けとなる方法を、ひとつひとつ丁寧に解きあかす。本書は『基礎日本語辞典』の記述を補いあうものである。
佐佐木隆著 A5判上製 472ページ 14000円 (税込14700円)
ISBN4-938669-77-3
著者がここ十年ほどのあいだに執筆した上代語の構文や表記にかかわる論考をまとめたもの。本書は、上代語の構文の特徴や実相を確認し、それにそったかたちで『古事記』や『日本書紀』の歌謡の文脈を解釈、『萬葉集』の歌句を構文面から検討、上代語に特有の表記の背景を考察している。
鈴木泰・角田太作編 A5判上製 248ページ 4200円 (税込4410円)
ISBN4-938669-76-5
執筆者 高橋太郎・宮島達夫・かねこひさかず・まつもとひろたけ・鈴木泰・角田太作・工藤浩・金田章宏・澤田和浩。
川端善明・仁田義雄編 A5判上製 463ページ 10000円 (税込10500円) ISBN4-938669-92-7
執筆者 仁田義雄・石神照雄・川端善明・田上稔・小野正弘・加藤久雄・菊地康人・森井紳・内田賢徳・安部清哉・蜂矢真郷・鈴木泰・野村剛史・山口尭二・浅見徹・金水敏・柴谷方良・澤田治美・高橋太郎・工藤浩・小矢野哲夫・丹羽哲也・前田富祺・宮島達夫・森山卓郎ほか
現在、日本語の文法研究の最前線の研究者を集める。渡辺実氏の古希を記念して企画された。
山口幸洋著 607ページ 19000円(税込19950円) ISBN4-938669-95-1
アクセント研究で名高い著者の研究の決定版。一型アクセントは「アクセントが無い」のではない。「読み上げ式」が主であった従来の方言の研究方法に対する批判とともに、日本語のアクセントを根底から研究する。
姫野昌子著 296ページ 6000円(税込6300円) ISBN4-89476-108-4
「なぜ『駆け込む』と言えて『歩き込む』と言えないのか」、留学生の質問に応えることから始まった複合動詞研究のパイオニアによる待望の書。25年間の研究を最新の成果を踏まえてまとめなおした。外国語としての日本語を学ぶ人のことも念頭に入れ、その仕組みと用法を解きあかす。
石綿敏雄著 340ページ 4600円(税込4830円) ISBN4-89476-107-6
この本はふたつの内容からなる。(1)現代文法理論の概観 (2)日本語格構造の解析 (1)では現代の主要な文法理論、特に結合価理論を取りあげて概観している。(2)は過去の2回の研究をふまえて一つひとつの語に用例や簡単な説明を添え、深層の意味と表層の言語表現の対照表示の仕方を工夫し、用言の意味と名詞との結合の仕方を考えての用言の分類配列を行った。
佐佐木隆著 56022000円(税込19950円) ISBN4-89476-115-7
本叢書第12巻『上代語の構文と表記』に続く、29の章からなる上代語構文の新研究。徹底した用例調査によって上代語特有の構文を明らかにし、その成果に基づいて『萬葉集』の歌の訓義を追究する。前著と同様、文学研究にもかかわる書。
近藤泰弘著 688ページ 19000円(税込19950円) ISBN4-89476-122-X
本書は、日本語の記述文法を完成させることを目的とし、そのために基礎的な理論と方法とを示し、その文法記述の一部を古典語・現代語の両方の面から示したものである。
丸田忠男・須賀一好編 366ページ 5000円 (税込5250円) ISBN4-89476-121-1
日本語、英語を研究する第一線の研究者たちによるシンポジウムを踏まえ、編集し直した論文集。
山田進・菊地康人・籾山洋介編 366ページ 6000円 (税込630円)
本書は、日本語の記述文法を完成させることを目的とし、そのために基礎的な理論と方法とを示し、その文法記述の一部を古典語・現代語の両方の面から示したものである。
カレル・フィアラ著 520ページ 28000円 (税込29400円)
本書は、プラーグ学派の貢献により自然言語による表現は、「情報価値」の表示を伴うことが明らかになった。そのことを基盤にした文章・テキスト論。
<本書は、ひつじメール便りに登録している方には、別の値段を設定しております。>
文部省助成刊行物
大門正幸著 200ページ 7400円(税込7770円)
古英語における述語を複数含む構文では、「述語1+述語2」および「述語2+述語1」いずれの語順も許される。本書はこの2種類の語順の選択がどのような要因によって決定されていたのかを様々な角度から考察したものである。
杉浦滋子著 予200ページ 13000円(税込13860円)
代名詞を、形態的にではなく意味的に、指示物をもつ指示代名詞と先行詞によって束縛される束縛変項とに分類することにより、日本語と英語の有形代名詞とゼロ代名詞を分析することを試みた。
久保美織著 254ページ
A5判上製 12000円(税込12600円) ISBN4-938669-36-6
並製 4000円(税込4200円) ISBN4-938669-35-8
MITで取得した学位論文にわずかに誤植を訂正した公刊。日本語の基本句構造を考える上で必読の研究書。「は」と「が」、状態・動作動詞の構造的相違とそれに伴う格の表出、使役構文、そして従属節、名詞句の構造に至るまで、多彩な分析が展開されている。生成文法の観点から意味と構造の関係に取り込んだ力作。(英語)
吉田惠以子著 194ページ
A5判上製 12000円(税込12600円) ISBN4-938669-49-8
並製 3884円(税込4078円) ISBN4-938669-48-X
コーネル大学で取得した学位論文の大幅な改訂版。公開は小社より独占発行。(英語)
ウィリアム・マックルーラー著
A5判 373ページ 4000円(税込4200円) ISBN4-938669-60-9
コーネル大学へ提出された学位論文の公刊。(英語)
HaleとKeyser(1993、1994)とDechaine(1996)によるl-syntaxモデルを前進させるもの。lexiconとsyntaxの関係の包括的な理論を提示するものである。(英語)
1995年にMITに提出・受理された学位論文を、整え直したものである。Minimalist programの枠組みで書かれている。(英語)
中村捷編 A5判 369ページ 4000円(税込4200円) ISBN4-938669-34-X
東北大学で、94年夏に開かれたセミナーの内容をまとめた論集。英語学の中堅層から、当時、MITで学位論文の執筆中の執筆者をも含む、最新の研究成果(英語)。
Nobuko Hasegawa, Yoshiaki Kaneko, Fusa Katada, Akira Kikuchi, Masatoshi Koizumi, Ken-ichi Mihara, Masaru Nakamura, Hiromu Sakai, Tatsuya Suzuki, Yuji Takano, Koichi Takezawa, Naoto Tomisawa, Hiroyuki Uta, Akira Watanabe
中島平三、田子内健介、鈴木右文、平田一郎、桑原和生、奥野忠徳、高見健一、藤野洋子、Seiji Naito
つくば言語文化フォーラム編
A5判 319ページ 4200円(税込4410円) ISBN4-938669-57-9
沼田善子(現代日本語)、森野崇(古代日本語)、レー・バン・クー(ベトナム語)、フランス・ドルヌ(フランス語)、ダニエラ・カルヤヌ(ルーマニア語)、アンドレイ・ベケシュ(スロヴェニア語)
原口庄輔・船城道雄編 A5判 135ページ 3204円 (税込3364円)
ISBN4-938669-58-7
Howard Lasnik, Jun Abe, Yoshio Endo, Robyne Tiedeman, Shigeo Tonoike(英語)。
原稿が入りました!
近代語研究会編 A5判上製 360ページ 15000円(税込15750円)
ISBN4-938669-54-4
執筆者 出雲朝子/金沢裕之/金子弘/佐藤貴裕/清水登/鈴木博/田中章夫/陳力衛/永田高志/蜂谷清人/飛田良文/宮田和子/村田菜穂子(お詫び・佐藤先生の図版の部分に間違いがありました。訂正の図版を用意していますのでご請求下さい。)
近代語研究会編 A5判上製 予20000円
執筆者 飛田良文/笹原宏之/陳力衛/村山昌俊/永田高志/木下哲生/大久保恵子/服部隆/小野正弘/藤田保幸/稲川順一/中井精一/増井典夫/矢野準/余田弘実/近藤尚子/諸星美智直/山形浩/土岐瑠美江/申鉉竣/前田桂子/矢島正浩/佐田智明/樋渡登/平林一利/今野真二
近代語研究会編 20000円(税込21000円) ISBN4-938669-05-6
都竹通年雄著 平山輝男序 山口幸洋解説
A5判上製 187ページ 4800円(税込5040円) ISBN4-938669-29-3
驚異的な精力で研究に打ち込み、博学な知識と純粋な研究心によって知られていた都竹通年雄の研究を刊行する。
都竹通年雄著 松本泰丈編・解説
A5判上製 329ページ 4800円(税込5040円) ISBN4-938669-72-2
都竹の中心的なテーマであった(方言)文法の研究を集めて刊行した。
佐治圭三著 A5判 312ページ 4800円 (税込5040円) ISBN4-938669-03-X
長年、日本語教育・文法研究に携わってきた著者の初めての著書。日本語を教える人、学ぶ人にとっての、必読の書。「はとが」、「はとも」、「のだ文」など肝要な事項を研究解説した本。
佐治圭三著 A5判 328ページ 3500円(税込3675円) ISBN4-938669-13-7
中国での日本語教育の長年の指導の経験に基づき、日本語を学ぶ際に重要なことを分かりやすく述べる。これから日本語を教える人には、どのような質問が寄せられ、どういった答えを返したらよいかの想定問答集ともなる書。
堀口和吉著 A5判 212ページ 3500円 (税込3675円) ISBN4-938669-41-2
今の国文法教育の大きな欠陥の一つは、文の構成を主語・述語・修飾語から成るとし、それにとどまることである。本書は、その誤りを指摘し、主語述語主義の呪縛から解放を願うものである。
佐久間まゆみ編 A5判 348ページ 3500円(税込3675円)
ISBN4-938669-28-5
日本語理解のテストのため、また、テクスト研究にとって重要な要約文の研究。第1部「文章理解と要約文の研究概要」、第2部「韓国人日本語学習者の要約文の分析」より構成。
工藤真由美著 A5判 216ページ 3900円(税込4095円)
ISBN4-89476-112-2
外国人児童生徒が、小中学校で教育を受けるにあたってはじめに学習すべき基本的な語彙は何か。計画的な学習に不可欠な基本語彙の設定を目指して行われた調査の報告書。児童生徒の日本語学習環境整備のための、まずは出発点となる基礎資料である。
現代日本語研究会編 A5判 279ページ 3500円 (税込3675円)
ISBN4-938669-93-5
著者たちが、職場における女性のことばを、収録する場所を作り、録音し、丹念に文字化した労作であり、研究の書である。本書には、その文字化資料が圧縮されてFDに納められていることも大きな特徴であり、基礎データを公開するということも意義深い。本書のデータは、個人ライセンスであり、研究機関などによる使用には、複数ライセンスを要する。企業の研究所などの講読をお願いする。
これだけの資料に対して、おそるべき安価であるはずだ。それはまた、今後の資料作成・研究への支援ともなる。
長野泰彦編 346ページ 並製 4600円 上製 16000円
ISBN4-89476-107-6、ISBN4-89476-116-5
Alfred Gell・安富歩・宮田登・古橋信孝・見田宗介・立川武蔵・Peter Austin・James A. Matisoff・崎山理・Marianne Mithun・Wallace Chafe・川田順造
民博で行われたシンポジウムをまとめたもの。哲学者・言語学者・文化人類学者など学問の境界を超え、ことばと時間について追求する。
田中伸一・阿部潤・大室剛志 208ページ 並製 2800円
ISBN4-89476-124-6
第1章 生成音韻論―その目標、方法論、事例研究― 第2章 ミニマリスト・プログラム―最新の生成統語理論の動向― 第3章 概念意味論―基本的なメカニズムと事例研究
坂原茂編 4400円 予500ページ
はじめに 坂原茂
山梨正明他編
松村一登・林徹編 A5判 310ページ 5000円 (税込5250円)
ISBN4-938669-82-X
"The Dative and Related Phenomena" is a collection of papers dealing with syntactic phenomena in various languages which in one way or other are associated with the DATIVE.The linguistic forms and constructions under discussion are the "applicative" in Tembo (Bantu) and Australian Aboriginal languages,the "genitive" in Turkish, the "adessive" in Estonian,the "dative" in Telugu and German, and and the "indirect object" in French. The collection also includes two papers (B. Comrie,T. Ooe) which are not directly related to the general topic.
Contributors: Peter Austin (Australian Aboriginal languages), Bernard Comrie (Siberian languages), Tooru Hayasi (Turkish), Sigeki Kaji (Tembo), Nozomi Kodama (Telugu), Kazuto Matsumura (Estonian), Takao Ooe (Korean), Akio Ogawa (German), Sigeru Sakahara (French) (英語)
森川正博著 A5判 253ページ 5825円(税込6116円) ISBN4-938669-21-8
生成理論に基づき、日本語の格の問題を取り扱った研究。新しい知見にとむ、ワシントン大学の学位論文の大幅な改訂版(英語)。
井谷玲子著 A5判 257ページ 3689円 (税込3873円) ISBN4-938669-70-6
ロンドン大学のウィンルソンのもとに提出されたレリバンス理論の学位論文(英語)。
―Papers from the International Symposium on Endangered Languages, Tokyo, November 18-20, 1995.
松村一登編 A5判 266ページ 5000円 (税込5250円) ISBN4-938669-97-8
1995年11月に東京大学で開催された、ICHEL(危機言語クリアリングハウス)主催の「危機言語」国際シンポジウムにおける報告をまとめた論文集。危機言語、少数言語に関する12論文を収録(英語)。
A collection of papers by the participants of the International Symposium on Endangered Languages, November 1995, organized by ICHEL (International Clearing House for Endangered Languages) at the University of Tokyo.
Contributors: Willem F.H. Adelaar(Netherlands), E. Annamalai(India), Knut Bergsland (Norway), David Bradley(Australia), Matthias Brenzinger(Germany), Michael Krauss(USA), Vida Yu. Mikhalchenko(Russia), Osami Okuda(Japan), Suwilai Premsrirat(Thailand), Harumi Sawai(Japan), Stephen A. Wurm(Australia), Akira Y. Yamamoto(USA).
A5判 予200ページ 4000円(税込4200円)
Hanako Fujino, Hiromi Morikawa, Yuki Hirose, Melinda Whong-Barr and Bonnie D. Schwartz, Koji Sugisaki, William Snyder and Daniel Yaffee, Haruka Furukawa, Miwa Isobe, Tetsuya Sano, Takaomi Kato, Taeko Teramoto
中村三春著 四六判上製 430ページ 3107円 (税込3262円)
ISBN4-938669-27-7
哲学的文芸学の誕生(野家啓一東北大学教授 推薦)
横光利一・太宰治などをテクストとして今までにない虚構理論を展開する。分析哲学や様々な虚構理論を踏まえつつ、それらの超越をめざす。最もラディカルな局面から小説・詩などの局面を捉え直す。根元的虚構理論の書。(書評掲載 山形新聞ほか)
福島真人編 四六判上製 546ページ 4078円 (税込4282円)
ISBN4-938669-46-3
近代の問題、認知の問題のいきつくところは身体である。身体が「芸能」というからだの活動をどう修得していくかということを手がかりに、この問題にせまる。人文科学・社会科学においての卓越した成果。ブルデューを超えたか?(書評掲載 毎日新聞ほか)
佐佐木隆著 四六判上製 320ページ 4200円 (税込4410円)
ISBN4-938669-47-1
古代語の音韻研究で定評ある著者によるはじめての著書。古代説話の構造主義分析と言語が逆に説話を生み出し、説話を育てていく現象の分析。言語学者、上代文学研究者、そして説話研究者にすすめたい。(書評掲載 産経新聞)
和田敦彦著 四六判上製 340ページ 3600円 (税込3780円)
ISBN4-938669-89-7
近代の文学はどのような「読まれ方」によって成立してきたのか、読者論、社会史を踏まえながら、新しい局面へと誘いかける。気鋭の新著。(書評掲載 朝日新聞ほか)
山本芳明著 四六判上製 340ページ 3600円 (税込3780円)
文学はどのようにして、職業としてなりたつようになったのか。文学の経済的な側面は、文学を規定している。というよりも、いままでの我々の文学者のイメージ自体が、昭和の初期前後に造られたものに過ぎない。この本で「文学者の作られ方」が解明される。
秋永一枝著 四六判 238ページ 2330円 (税込2446円) ISBN4-938669-44-7
下町育ちの国語学者である著者が、生粋の江戸っ子たちと話をして、東京弁を集め、分析したもの。今はもう失われてしまった愛すべき言葉たちへのレクイエム。(毎日新聞で書評掲載・杉浦日向子さん)
杉本つとむ著 四六判 333ページ 2330円 (税込2446円) ISBN4-938669-79-X
江戸時代の知識人にとって長崎留学は夢であった。世界に開いた窓である長崎。そこからオランダ文化は吸収されていくのであった。蘭学・洋学研究の第一人者である著者によるエッセイ。
清水道子著 A5判上製 575ページ 8000円 (税込8400円)
ISBN4-938669-33-1川端香男里東京大学名誉教授推薦
チェーホフの短編小説「犬を連れた奥さん」の全文分析や、他の短編の分析を行っている。テクスト主義的な分析としてここまで徹底して追求されたものとしては、はじめてのものである。ロシア文学以外の分野の文学研究者にも必読の書。
民俗芸能研究の会/第一民俗芸能学会編
A5判上製 600ページ 9223円(税込9684円) ISBN4-938669-20-X
文学研究から演劇学・文化人類学にいたる主に若手研究者による「民俗芸能」を根底から考察し直す論文集。
杉本つとむ編著 A5判上製 698ページ 12000円 (税込12600円)
ISBN4-938669-16-1
本書は、天保年間に、渋川六蔵・藤井三郎補訂にオランダ語訳本より作られた日本英語学史上の初の英文法書である。もとのものは失われたが、大槻如電が昭和3年(1928)、油印本で限定100部復刻したものの貴重な複製。研究を付す。
平家琵琶研究会 上参郷祐康編
A5判上製 384ページ 12000円(税込12600円) ISBN4-938669-15-3
日本文学・日本語学をはじめとして、日本音楽・比較文学・民俗学などの研究者の既存の分野を越えた研究会である平家琵琶研究会によっておこなわれてきた平家琵琶をめぐる学際的で新しい研究成果を公刊する研究論文集である。
鈴木淳著 A5判上製 754ページ 15000円(税込15750円)
ISBN4-938669-80-3
江戸期の和学研究で定評のある著者による現時点での集大成。日本の近代の学問自体の母胎の一つである和学の研究は、広く、他分野の研究者にも必読の書と言えよう。巻頭に美麗な図版を付す。
橋本裕之著 A5判上製 544ページ 9223円 (税込9684円)
ISBN4-938669-81-1
若狭地方に残る王の舞は中世の田楽を受け継ぐ数少ない芸能の一つである。本書は、若狭地方という民俗社会になぜ王の舞が残っていたのか、芸能史と民俗学を基盤として、文化人類学的な新しい知見とともに、その本質にせまるものである。また、民俗芸能という身体技法の謎にもせまる。
藤田隆則著 A5判上製 12000円(税込12600円)
本書では、世阿弥の時代から現代にいたるまでの演出の資料に基づいて、多人数合唱箇所(「同音」あるいは「地」と呼ばれる)の演出方法について考察する。
内田慶市・野原康宏著 A5判 2330円 (税込2446円) ISBN4-938669-71-4
マッキントッシュで中国語を入力・処理・出力するための本。アップル社が出した中国語キットを組み込むことで容易に日本語や英語などと混ぜて入出力ができるのだが、中国語キットには日本語のマニュアルがついていない。実際に中国語を使うときに必要なノウハウを満載。
バージニア・シャー著 松本功訳 菊池敦子協力
A5判 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-67-6
インターネット、パソコン通信、コンピュータによる通信が常識化した時代の必読書。本書を読んでいれば、通信の世界で非難を浴びせられなくて済むはず。ネットワーク社会が、住み良い楽しいものになる。
ファブリス・ピオー著 江下雅之ほか訳 A5判 予2800円
いわばフランス版『本の雑誌』の編集長である著者による現代出版・書店論。電子本や飛び出す絵本など、既存の形態と違った本が、どのような意味を持っているのか、ととらえ直す。フランスでは、再販制が、原則的に廃止され、書店の構図も大幅に変わった。日本の近未来の書店を考える時にも有益であろう。
家辺勝文著 A5判 2400円(税込2520円) ISBN4-89476-100-9
テキストを電子的にやり取りするということはどういうことなのか。そのために考えておく必要のあることは、どういうことか。電子リテラシーの基礎を考えていく現在の必須の本。すべての文字を書く人にすすめたい。
富田倫生著 A5判 5500円(税込5775円) ISBN4-89476-101-7
エキスパンドブックとボイジャーから新しく出たT-Time製品版付きによって、パソコンでの読み書きが革命的に変わる。今までの紙や本のイメージに引きづられてきたイメージではなく、パソコンで書き、パソコンで読むための全く新しいツールが、T-Timeである。このアプリケーションの誕生に立ち会ったジャーナリストの富田倫生さんが、熱っぽく解説する。これは、パソコン読書におけるエポックである!
松本功著 A5判 2200円(税込2310円) ISBN4-89476-102-5
昭和からつい数年前まで、出版はバブルの中にあった。「近代化」と「大衆化」の大きな流れでの従来の本の役割は終焉してしまったと考える著者による本の将来について真摯に考える本。電子本、インターネットなどの新しいテクノロジーの中で少部数出版の意義をとらえ直す。新しい出版社、編集者の役割を提唱する。
岩井俊雄著
多村栄輝・LUNA CAT・仲 晃生著 A5判 1300円(税込1365円)
ISBN4-89476-109-2
オンライン読書ソフトT-Timeに身も心も捧げた3人のファンブック。T-Timeは、読むためのソフトだが、T-Timeのタグをテキストやhtml文書に埋め込むことで本のように表示させることができ、また、T-Timeパブリッシャーキットを使うことで、パスワード付きの文書にしたりもできる。様々なチップスと蘊蓄の本。本書は、基本的に1.5までの内容だが、2.0への電子的なサポートも行う予定(パスワード付き)。
伊坂淳一著 A5判 182ページ 1600円 (税込1680円) ISBN4-938669-73-0
現代人が間違え易い、あるいは移り変わりつつある現在の生きた言葉づかいを出発点に、日本語を考えるとはどういうことなのかということと日本語の仕組みを考えていく。教養として学ぶことができるように十二分に配慮して執筆された新しいテキスト。半期制に対応。<小社ホームページにサンプルあり。>
姫野昌子ほか著 A5判 1600円(税込1680円) ISBN4-89476-104-1
長い間、日本語を教えてきた経験をもとに日本語を教えるためにどのようなこころがまえで、どのような知識をもって、どのように教えたらよいか、実践と方法論をわかりやすくまとめたテキストブック。類書にはない具体的な指針は、これから日本語を教えようとする人に大きな助けになるだろう。
森山卓郎著 A5判 2400円(税込1680円) ISBN4-89476-123-8
文法の新しい局面を迎えている2000年にふさわしいもっとも新しい日本語の文法のテキスト。日常的なことばから、文法を考えていく。必須な文法事項が一通り触れられている。豊富で、最新の文献リストは、卒論の課題を見つけるときにも便利。
A5判 337ページ 1900円(税込1995円) ISBN4-938669-18-8
仁田義雄(現代語の文法・文法論)、鈴木泰(古代語の文法・文法史)、村木新次郎(現代語の語彙・語彙論)、小林賢次(古代語の語彙・語彙史)、土岐哲(現代語の音声・音韻論)、林史典(古代語の音韻・音韻史/文字・表記)、真田信治(社会言語学・方言学)、畠弘巳(文章・談話)、山梨正明(認知言語学)、田中穂積(言語情報処理)、工藤浩(日本語学史)
城田俊著 A5判 280ページ 2136円(税込2243円) ISBN4-938669-45-5
本書は日本語共通語の音声を全ての水準において記述することを試みたものである。これまでの日本語の音韻論は結果として妥当なものであっても、結論が必ずしも道筋を明確にして、緻密に論証されていたとはいえなかった。その欠けていた音韻論の論証を一歩一歩飛躍なく精密に記述したはじめてのものである。
湯川恭敏著 A5判 2800円(税込2940円) ISBN4-89476-113-0
チベット語、バンツゥー諸語などの研究で知られる著者による言語学の入門書。先入観なしに、言語をフィールドワークすることから、はじめるべきであるという経験に裏付けられた主張と理論は、言語を調べたい、研究したいという気持ちをもつ全ての人に有益である。
篠崎晃一・小林隆編
方言の様々な局面、文法・音韻・アクセントなどの最先端の知識を集め、概説したテキスト。
油谷幸利著 B5判 135ページ 1300円 (税込1365円) ISBN4-938669-62-5
定評ある著者による入門書。CD-ROM版のサンプルはNiftyserveFLのデータライブラリの6番の105あるいはひつじ書房のホームページからダウンロードできる。
[目次]第1課 文字と発音〈1〉 第2課 文字と発音〈2〉 第3課 文字と発音〈3〉 第4課 最敬体,指示詞と疑問詞,人称代名詞 第5課 指定詞,存在詞,漢数詞,第一類の語尾 第6課 連用形,過去時制補助語幹,否定 第7課 連体形,固有数詞 第8課 尊敬補助語幹,第四類の語尾,第五類の語尾 第9課 未来, による慣用句 第10課 ぞんざい体,引用文 第11課 変則用言〈1〉 第12課 変則用言〈2〉, よる慣用句
油谷幸利著 B5判 153ページ 1600円 (税込1680円) ISBN4-938669-91-9
[目次]第1課 敬体と略待 第2課 平叙文と疑問文,助詞〈1〉 第3課 待遇法,助詞〈2〉 第4課 感嘆文,音変化〈1〉 第5課 否定 第6課 可能と不可能 第7課 引用文縮約形,命令,勧誘,禁止 第8課 条件文,時,音変化〈2〉 第9課 疑問と不定 第10課 使役と受け身,音変化〈3〉
Geoffrey N. Leech著 澤田治美 日本語解説付
A5判 253ページ 2330円(税込2446円) ISBN4-938669-26-9
理論研究者にも記述的な言語研究者にも定評あるLeechのテキストのひつじ版。英語のあるいはことばについて考えるということが面白いことであると言うことを教えてくれる本でもある。
Jean Aitchison著 安藤貞雄注
A5判 250ページ 2330円(税込2446円) ISBN4-938669-37-4
定評あるJean Aitchison(4版)の著書のひつじ版リプリント。的確で目配りのきいた、そして過不足のない本書は言語学・英語学のテキストとして優れたものである。
中島平三著 A5判 146ページ 1200円 (税込1260円) ISBN4-938669-55-2
簡潔にして要を得た英語学のテキストの決定版。本書は、英語学研究の基盤となる基礎知識や、思考法、研究方法など英語学研究のエッセンスを、なるべく時流に流されない形でしかもコンパクトに提供しようとするもの。英語学の中核をなす統語論、形態論、音韻論、意味論の基礎を日本語で平明、簡潔かつ丁寧に提示する。
児馬修著 A5判 140ページ 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-74-9
「現代英語をより深く理解するため」という観点から書かれた英語史の入門書。この1500年の間の英語の文法の仕組みが、どのように(How)、なぜ(Why)変化したかという問題をも取り扱い、言語変化のメカニズムに関する様々な言語学的アプローチを試みる。
瀬田幸人著 A5判 180ページ 1600円 (税込1680円) ISBN4-938669-86-2
本書は、この例文はこういう意味だ、というような形で実例を網羅的に収集することを意図したものではなく、様々な実例の背後にあると思われる規則性について考えてもらうことを意図したものである。覚える英文法ではなくて、考える英文法を目指した文法書といってよい。
中村三春編 四六判 372ページ 2330円 (税込2446円) ISBN4-938669-43-9
一般の文学史に出てこないフィクションの名作を選りすぐり、10作家15作品を収録。作家ごとの解説付き。真にフィクションの魅惑に酔うことを望むすべての人々に。
[収録作品]泉鏡花(朱日記)大泉黒石(犬儒哲学者/不死身)江戸川乱歩(火星の運河/白昼夢/踊る一寸法師)牧野信一(西瓜食う人)岡本かの子(花は勁し)坂口安吾(紫大納言)立原道造(鮎の歌)太宰治(懶惰の歌留多)椿 実(月光と耳の話―レデゴンダの幻想―)天沢退二郎(赤い凧/小さな魔女/秋祭り)
[解説執筆者]赤間亜生/大沢正善/和田茂俊/伊狩弘/押野武志/中村三春/佐野正人/九里順子/跡上史朗/宮川健郎
中村三春編 四六判 262ページ 2000円 (税込2100円) ISBN4-938669-69-2
現代に発表された日本の現代詩の中から10詩人を取り上げ、大まかに現代詩の流れをたどる。各作品・詩人ごとの分かりやすい解説を付す。優れた作品を再評価。
[収録詩人]尾形亀之助/安西冬衛/村野四郎/永瀬清子/伊東静雄/吉岡実/谷川俊太郎/清水哲男/荒川洋治/伊藤比呂美
[解説執筆者]和田茂俊/中村三春/虫明美喜/野坂昭雄/赤間亜生/宮川健郎
小野田美都江・菅谷明子・常世田良・浜田忠久・松本功・山重壮一
市民の図書館とは? それは市民が対話し、業を起こし、営むための図書館である。と考えるならば、教養を蓄積しておくことや娯楽 を提供することに主眼を置く図書館から次世代の図書館に進化する必要がある。それはむしろレファレンスを中心に据える本来の図書 館の姿だ。市民が生き延びるための図書館に進化することをアメリカの例や日本での例をあげながら提言する。
対話とコミュニケーション(仮称)
第一号 鼎談 鷲田清一(哲学者・大阪大学)、 崎尾英子(精神科医・国立小児病院)、平田オリザ(劇作家・青年団)
日本語は、不完全である。対話を成り立たせようと思うならば。
人が、立場や所属を超えて、対等に話し合い、考えあうための言語がうまくつられていないのではないか? 問題は、言語がないことではなく、ないことに気がついていないことにある。気がついていないことで、袋小路の中から抜け出せなくなっている。 対話の言語を追求する演劇を作ってきた平田オリザさん、子供と親との言語の陥穽について考えてきた精神科医の崎尾英子さん、人の話を聴くことから哲学を再構築しようとしている臨床哲学者、鷲田清一さんの3人による鼎談。
頒価800円
橋本裕之氏ら若き民俗芸能研究者たちが、新しい民俗芸能研究の実践を目指して組織した「第一民俗芸能学会」の機関誌準備号として発刊したもの。その会の全容が記されている。
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-50-1
執筆者 杉本つとむ・今野真二・宋永彬・鄭夏俊・本多久美子・吉田健二
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-51-X
執筆者 岩淵匡・杉本つとむ・上野和昭・加藤薫・朴海煥
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-68-4
執筆者 飯間浩明・水野惠子・坂本惠・本多久美子・大島悦子
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-88-9
執筆者 今野真二・松木正恵・鄭夏俊・朴海煥・宮田公治・松永修一
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-938669-98-6
執筆者 田村夏紀・高梨信博・桑山俊彦・川口義一・坂本惠・蒲谷宏・石黒圭
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-89476-114-9
執筆者 秋永一枝・岩淵匡・宮崎里司・寺田智美・黒川美紀子・加藤大鶴
早稲田大学国語学会 1500円(税込1575円) ISBN4-89476-126-2
執筆者 松木正恵・森田良行・中村 亘・石出靖雄・鄭
ひととことば研究会編 1262円(税込1325円) ISBN4-938669-32-3
執筆者 鎌田倫子・大関真理・西谷まり・本多英由美・江原有輝子
ひととことば研究会編 1262円(税込1325円) ISBN4-938669-52-8
執筆者 飯間浩明・早川幸子・鎌田倫子・宮田公治・石黒圭・寺嶋薫・江原有輝子・西谷まり・河内千春・江中美知子・細川英雄
ひととことば研究会編 1262円(税込1325円) ISBN4-938669-84-6
執筆者 江原有輝子・西谷まり・河内千春・能波由佳・高橋淑郎・石黒圭・横田和子・牲川波都季・村松千恵・細川英雄
ひととことば研究会編 1300円(税込1365円) ISBN4-938669-96-X
執筆者 西谷まり・高野好美・竹長吉正・牲川波都季・細川英雄
ひととことば研究会編 1300円(税込1365円) ISBN4-89476-110-6
執筆者 岩井信康・小宮千鶴子・村松賢一・有働玲子・牲川波都季・田邊信乃・石黒圭・森ひろこ・野畑和義
ひととことば研究会編 1300円(税込1365円) ISBN4-89476-125-4
執筆者 記録 国語と日本語の連携を考える会 第5回研究会 記録 当日頒布資料 第6回研究会 記録 当日頒布資料 報告・レポート 有井貴之