ひつじ書房のいつもの朝が始まった。そこへ電話のベル。
がちゃっ……「はい、ひつじ書房でございます」
しばしの沈黙。なんだ?間違いか?
……と、「Hello!」
へ?へろう??へろうさん???珍しい名前だな。
戸惑う私に更なる追い打ち。
「This is Nantoka Kantoka」
そのときはじめて私の胸にある疑いが……
ひょっとして、えーごか?
そーなのだ。それは国際電話であった。ひつじ書房では本文が英語の本も作っている。で、その執筆者で、なんとアラスカからであった……
ぎゃーーー!!!!頭の中で駆け回る私。真っ白になった頭で、「いえす」「おーけー」「さんきゅう」の三語だけでしゃべり倒した私であった。
この日私は一日中動揺していた。
(1998.2.24 P)