大正時代の美少女は本を読んでいた

右は『読むということ』の245ページの写真です。美しい「令嬢」が、本を持っています。「婦人画報」の別冊から、発展した「皇室画報」の中の写真ですが、当時の憧れの対象であった上流の少女が、本を持っているというのは、読者に本を読むということ自体が、憧れの的であり、また、上流への道の一つとして幻想されていたのだろうと思います。

この雑誌は、上流階級の趣味としてテニスの写真もあるなど、文化・ファッションなどまで含めたものでありました。ファンションの流行の紹介という意味では、ファッション雑誌の機能ももっていたのではないでしょうか。

今、同じ様な雑誌としては、かなりイメージが違いますが、JJなどが、そうなのでしょうか。でも、もはや、本を読むということは、憧れの的にはなっていない。この意味は重大だと思います。

(97.10.21 房)


前の絵日記  次の絵日記

ホームページに戻る