沖縄ポピュラー音楽史 知名定男の史的研究・楽曲分析を通して 高橋美樹著 ひつじ書房 沖縄ポピュラー音楽史 知名定男の史的研究・楽曲分析を通して 高橋美樹著 ひつじ書房
2010年3月

シリーズ文化研究 1

沖縄ポピュラー音楽史
ー知名定男の史的研究・楽曲分析を通して


高橋美樹著

A5判上製 定価8,200円+税

ISBN 978-4-89476-464-4

ひつじ書房


☆2010/3/22 『沖縄タイムス』「魚眼レンズ」に紹介文が掲載されました☆
☆2010/4/11 『北海道新聞』に書評が掲載されました☆こちら
☆2010/4/17 『沖縄タイムス』「読書」に書評が掲載されました☆こちら
☆2010/4/18 『琉球新報』に書評が掲載されました☆こちら
☆2010/4/21 『MUSIC MAGAZINE』5月号に書評が掲載されました☆
☆2011/6/7 『ポピュラー音楽研究』Vol.14に書評が掲載されました☆
☆2011/11/2 『東洋音楽研究』第76号に書評が掲載されました☆
要約
沖縄のポピュラー音楽を対象とした初の学術書。沖縄ポピュラー音楽を代表する知名定男は民謡歌手、作詞家・作曲家、プロデューサーという役割を通して、沖縄の文化的伝統に基づきながらも、新時代のマスメディアを駆使しつつ新たな音楽を創造し続けてきた。本書は知名が沖縄人としての民族的アイデンティティー表現を確立するまでの軌跡を、インタビューや文献調査、楽曲分析などを用いて解き明かした。

【目次】
序文
まえがき
凡例

1 章 伝統と創造が織りなすポピュラー音楽

 1.1 沖縄のポピュラー音楽史と知名定男
 1.2 知名定男にみる伝統と創造
 1.3 音楽の生成プロセス
 1.4 これまでの研究
  1.4.1 海外のポピュラー音楽に関する研究
  1.4.2 日本のポピュラー音楽研究
  1.4.3 沖縄のポピュラー音楽研究
 1.5 沖縄のポピュラー音楽の作品分析をこえて

2 章 沖縄のポピュラー音楽の歴史

 2.1 年代別にみる音楽界の状況
  2.1.1 新民謡の誕生・沖縄民謡レコード化の時代1927年-1944年
  2.1.2 SP レコード全盛・ラジオ開局の時代 1945年-1958年
  2.1.3 民謡レーベルの発達 ラジオ・テレビ二局化の時代1959年-1971年
  2.1.4 沖縄ポップの台頭・日本本土デビュー全盛の時代1972年-1982年
  2.1.5 若手民謡歌手の活躍・沖縄ポップ模索の時代1983年-1989年
  2.1.6 沖縄ポップの隆盛・〈しまうた〉確立の時代1990年-1999年
  2.1.7 沖縄インディーズ・レーベル活性化の時代 2000年-
 2.2 沖縄のポピュラー音楽史にみる2つの発信スタイル
  2.2.1 〈内向き〉の発信スタイル
  2.2.2 〈外向き〉の発信スタイル
 2.3 知名定男の音楽活動とその位置づけ
 2.4 発信スタイルの融合

3 章 〈しまうた〉にまつわる諸概念の成立過程

 3.1 日本本土と沖縄における〈歌〉〈俗謡〉〈民謡〉〈新民謡〉の変遷1868年-1945年
  3.1.1 〈歌〉
  3.1.2 〈俗謡〉
  3.1.3 〈民謡〉の再検討
  3.1.4 〈新民謡〉
  3.1.5 マスメディアにみる呼称の変遷
 3.2 日本本土と沖縄における〈俚謡〉〈俗謡〉〈民謡〉の変遷1946年-1971年
  3.2.1 〈民謡〉
  3.2.2 放送メディアにみる呼称の変遷
 3.3 奄美諸島における〈しまうた〉諸概念の成立過程1925年-2004年
  3.3.1 歌謡・民謡研究にみる諸概念の変遷 1925年-1966年
  3.3.2 マスメディアにみる諸概念の変遷 1946年-2004年
  3.3.3 小川学夫にみる諸概念の変遷 1964年-2004年
  3.3.4. 諸概念にみる変遷のまとめ
 3.4 沖縄における〈しまうた〉の導入と実践 1972年-2004年
  3.4.1 仲宗根幸市の〈しまうた〉概念
  3.4.2 上原直彦の〈しまうた〉概念
  3.4.3 仲宗根と上原における〈しまうた〉概念の比較
 3.5 〈しまうた〉概念の波及過程
  3.5.1 〈しまうた〉概念の他領域への波及過程
  3.5.2 〈新唄〉
 3.6 まとめ

4 章 各世代の比較にみる民謡歌手・知名定男

 4.1 「民謡」「新民謡」「沖縄ポップ」「民謡歌手」の定義
 4.2 世代別・民謡歌手における音楽活動の変遷
  4.2.1 世代別・民謡歌手の整理
  4.2.2 戦後第1 世代・登川誠仁の音楽活動
  4.2.3 戦後第2 世代・知名定男の音楽活動
  4.2.4 戦後第3 世代・前川守賢の音楽活動
 4.3 世代別・活動志向の相違
  4.3.1 登川誠仁の活動志向
  4.3.2 知名定男の活動志向
  4.3.3 前川守賢の活動志向
 4.4 まとめ

5 章 作詞家・作曲家としての知名定男

 5.1 五線譜化の意図
  5.1.1 創作プロセスの実際
  5.1.2 混在する音楽世界の実際
  5.1.3 楽曲分析の方法
 5.2 1962 年 初のオリジナル曲《おぼろ月》
  5.2.1 《おぼろ月》の楽曲分析
  5.2.2 《おぼろ月》創作の背景
 5.3 1971 年 民謡歌手に提供した《うんじゅが情ど頼まりる》
  5.3.1 《うんじゅが情ど頼まりる》の楽曲分析
  5.3.2 《うんじゅが情ど頼まりる》創作の背景
 5.4 1978 年 全国デビューの代表曲《バイバイ沖縄》
  5.4.1 《バイバイ沖縄》の楽曲分析
  5.4.2 《バイバイ沖縄》制作の背景
 5.5 1992 年 ネーネーズのために創作した《ウムカジ》
  5.5.1 《ウムカジ》の楽曲分析 203
 5.6 作詞家・作曲家としての知名定男の評価
  5.6.1 コンビを組む作詞家の変遷
  5.6.2 共有イメージの創作への導入
  5.6.3 サンドイッチ構造の導入

6 章 ネーネーズの活動にみるプロデューサー・知名定男

 6.1 音楽に関するライフヒストリー
 6.2 ネーネーズの音楽活動
  6.2.1 ネーネーズ結成の背景
  6.2.2 ネーネーズの主な音楽活動
 6.3 ネーネーズのメンバー個人における音楽活動
  6.3.1 考察までのプロセスとその方法
  6.3.2 ネーネーズのメンバー個人における音楽活動の範囲
  6.3.3 ネーネーズ古謝美佐子の音楽活動
  6.3.4 ネーネーズ吉田康子の音楽活動
  6.3.5 ネーネーズ宮里奈美子の音楽活動
  6.3.6 ネーネーズ比屋根幸乃の音楽活動
  6.3.7 ネーネーズ當眞江里子の音楽活動
 6.4 ネーネーズの活動を通じたメンバー共通の意識変容
  6.4.1 知名定男への視線とその距離
  6.4.2 マルチ・トラック録音方式の体験
  6.4.3 民謡の声、ポップの声
 6.5 ネーネーズ解散後にみるメンバー個人の音楽的志向
  6.5.1 〈内向き〉発信スタイル ─吉田康子・當眞江里子─
  6.5.2 〈内向き〉+〈外向き〉発信スタイル ─宮里奈美子・ 比屋根幸乃─
  6.5.3 〈外向き〉発信スタイル ─古謝美佐子─
  6.5.4 意識変容の要因
 6.6 まとめ

7 章 結論

 7.1 〈内向き〉〈外向き〉の提示
 7.2 〈しまうた〉にまつわる諸概念の成立過程
 7.3 各世代の比較にみる民謡歌手・知名定男
 7.4 作詞家・作曲家としての知名定男
 7.5 ネーネーズの活動にみるプロデューサー・知名定男
 7.6 むすび

参考文献
あとがき
初出一覧
知名定男 年譜
知名定男 ディスコグラフィー
索引

【著者紹介】
高橋美樹(たかはし みき)高知大学 教育研究部 人文社会科学系 教育学部門・准教授 (奥付より)


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