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1月

2011.1.31(月)

厳冬

1年で一番寒い季節です。北国に住んでいたとき着ていたコートで出勤しているのに、毎日厳しい寒さだなあと感じてしまいます。なんだかすっかり東京の気候に慣れたようです。

早咲きの梅が、近所に咲いていました。厳しい寒さに耐えてがんばっているんだなあと思うと、私も寒がってばかりいられないような気になりました。
今は、2月に3冊の本が刊行するため、何かとあわただしく作業をすすめています。刊行の期日がせまり、印刷所などの方と、こまごまとしたやりとりを重ねて、最後のつめに向かいます。ここががんばりどころです。
無事に本が出せる頃には、気候もすこし暖かくなっていることでしょう。寒さには弱いのですが、一生懸命寒さと忙しさに立ち向かっていきたいと思います。



2011.1.31(月)

あいまいなのは日本語か、英語か?


ルネ:Is Jane a good cook?
シャルル:She's English.

上の会話は、もうすぐ刊行する、今井邦彦先生の『あいまいなのは日本語か、英語か?』から引いた、英語の発話例のひとつです。 これは、フランス人ルネが友達のシャルルに、イギリス人であるシャルルの新妻ジェインについて尋ねたという設定です。

上のシャルルの返答は、つぎのことを意味しています。
a. ジェインは料理が上手ではない。
b. その原因はジェインがイギリス人だからだ。
c. イギリス人が一般に料理に向いていないことを思い出せ。

さらには、
d. ぼくはジェインの料理の腕前以外の点に魅力を感じて結婚したんだ。
e. ジェインは典型的なイギリス女性だ。
ということも意味しています。

本書では、「英語圏の人の言うことは論理的で明白だが、日本人の発話は曖昧で不明瞭なことが多い」という説に対し、「英語の発話は、日本語の発話にくらべて、あいまいさを残す傾向がある」と主張します。 この新説が、たくさんのジョークや今井先生の豊富な実例に基づいて、説得的に披露展開され、とても楽しい内容になっています。

楽しみながら、日英語の発想の違いを理解していくうちに、「英語らしい英語」が話せるようになります! 2月の刊行を予定していますので、楽しみにしていてください。



2011.1.31(月)

郵便

最近、私用でフランスへ手紙を出す機会がありました。
ちょっとした定型サイズの封筒だったので、料金はエアメールで90円!
国内と10円しか違わないことに驚きました。国外へ仕事で本などを送る機会は多いですが、普通郵便はあまり利用したことがなかったのですね。

日本国内どこでも80円で届く郵便サービスというのも、改めて考えるとすごい制度です。私が池袋から茗荷谷まで、地下鉄で移動しても160円かかるし、飛行機で沖縄まで行ったら2万円以上かかるかしら・・・

そもそも、世界の片隅の日本という国から世界各地に手紙や本を届けることが出来るということ、それ自体が興味深いですね。暇が出来たら、「ていぱーく」や「切手の博物館」にでも出かけようと思います。



2011.1.28(金)

みそしるのかんづめ

寒い寒いと言っていると、よけいに寒くなるような気がします。ことばの力ですね。

さて、温かいものが恋しい季節です。自動販売機の「あったか〜い」のマークに思わず引きよせられてしまいます。そういえば、この「あったか〜い」の文字はなかなか独特の表記の仕方だと思います。「冷」「温」「アイス」「ホット」よりも、妙にフレンドリーで、自動販売機以外では見かけないようにも思います。

先日気がついたのですが、茗荷谷駅近くの自動販売機には「みそ汁」があります。コーンスープやおしるこの缶飲み物はよく見ますし、どこぞにはおでんの自動販売機もあるとのことですから、みそ汁があってもおかしくはないのかもしれません。ですが、初めて見たときは驚きました。

好奇心に負けて購入してみました。具はねぎとわかめで、コーンス―プに入っているコーンの粒よりも小さくなっています。出汁のきいた味ですが、「缶からみそ汁を飲む」という違和感はあります。慣れの問題でしょうか。

皆様ぜひ、とは申しませんが、話のネタによいかもしれません。



2011.1.28(金)

「国際交流基金 日本語教授法シリーズ」完結に向けて、ただいま編集中!


弊社から刊行している「国際交流基金日本語教授法シリーズ」、全14巻の内、まだ刊行していないのは「第3巻 文字・語彙を教える」「第10巻 中・上級を教える」「第12巻 学習を評価する」の3つの巻です。大変刊行をお待たせしております。

その3つの巻ですが、なんと現在3冊同時に編集作業が進行しています。怒濤の編集ラッシュです。大変ですが作業を進めながらあらためて、手前味噌ながらこれは良いシリーズだと思います。日本語の授業をされている先生にはどの巻も大変役に立つと思います。とても丁寧に、各巻それぞれのテーマに沿って、大事なことが結晶のように込められています。早くお届けしなければ…。

近日中に全巻揃った姿をお披露目できるようにがんばっていますので、楽しみにお待ち下さい!



2011.1.21(金)

大寒

昨日、1月20日は大寒だそうです。暦の上では1年でいちばん寒い、と言われる時期です。どうりで最近ふとんから出るのが辛くなったなあと納得します。

さて、先週書きました通り、担当しております書籍2冊の刊行が迫っております。合わせて、装丁についても作り上げていく時期です(遅いという声が聞こえてきそうですが)。
カバーに使う写真の貸し出し手続きをしたり、装丁案を出したり、普段はあまりない仕事が次々に入ってきます。先日は、小石川植物園まで資料写真を撮りに行きました。「大寒」の寒さの中でも、種類によっては梅や椿が咲いていました。

本の大事な顔となる装丁、これからつめていきます。早くみなさまにご覧いただけるよう、頑張ります。



2011.1.14(金)

今年もよろしくお願いいたします

年がかわって、初めてのスタッフ日誌更新になりますので、これから刊行する本についてお知らせしたいと思います。

さっそく来月に、担当している書籍2冊ができあがる予定です。1冊目は中島平三先生の『ファンダメンタル英語学演習』。英語学会でチラシを配った際には、現在『ファンダメンタル英語学』をテキストとしてご採用している方に特に興味を持っていただきました。現在、未刊の書籍なので書籍そのもののテキスト採用見本をお送りすることができませんが、ご希望の方にはゲラのコピーをお送りしております。ご採用を検討していただける方は、ぜひ海老澤までご連絡ください。採用見本のご請求の方法は、「 採用見本について」をご覧下さいませ。

2冊目は中村三春先生の『新編 言葉の意志 有島武郎と芸術史的転回』です。未発選書の第17巻にあたります。1994年に有精堂から出版された書籍に、大幅な増補改訂を加えた1冊です。旧版に7章分の追加を加え、500ページを超すボリュームとなっております。『或る女』『惜みなく愛は奪ふ』『星座』『一房の葡萄』など、有島武郎の代表作から、「お末の死」などの短編、評論など広く網羅した1冊です。ちなみに新しいゲラが出校したときには印刷所の営業さんが届けてくれるのですが、この本はゲラの包みが大きいのですぐにわかります。

刊行が近くなると、より一層気合いが入ると同時に、緊張します。お休みの気分を引きずらぬよう、気を引き締めて参りたいと思います。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



2011.1.6(木)

昨年を思い出しつつ、

新年あけましておめでとうございます。
うっかりしていて、昨年末に恒例の「今年のふりかえり@スタッフ日誌」を書かずに昨年をしめくくってしまい、わたしひとりだけ、ふりかえらないまま年が明けてしまいました…

昨年は、20周年事業などでも大忙しのひつじ書房でしたが、年末ぎりぎりに刊行することができた『山田文法の現代的意義』をはじめ、さまざまな書籍を刊行しました。

昨年担当した書籍の中に、アブハズ語の辞書 “Analytic Dictionary of Abkhaz” があります。2008年にこの企画を先生からいただいた直後、南オセチア紛争があり、ロシアとグルジアの現状を知りました。大変恥ずかしながら、それまでアブハズ語という言語のことを知らず、またグルジアで起きている問題についても知りませんでした。本書を担当することを通して、アブハズ語という非常に興味深い言語と出会い、その辞書を刊行することができたことをうれしく思います。アブハズ語は年々話者が減っていると聞きます。そしてもちろん、政治的意図の有る無しにかかわらず、消滅の危機にある言語はアブハズ語だけに限りません。ひつじ書房は日本語学の研究書を中心に出版している出版社ですが、言語学の学術出版社に何ができるのか、学術の社会的貢献という意味でも、考えていかなくてはならない問題であると感じました。

2011年も、ことばに、ことば以外に、さまざまなことにアンテナを張っていきたいと思います。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



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