籠の中
自宅の部屋があまりに暑いので、扇風機を購入しました。ファンの覆いが藤でできていて、籠の中にファンが入っているような、洒落たデザインのものです。
しかしながらこの扇風機、デザインは素敵なのですが、そのデザイン故に「首」にあたる部分がなく、首振り機能もありません。定期的に角度をかえないと、凍えることになります。当然タイマー機能もありません。
似たようなことはままありまして、格好いいデザインのペンは書き味が悪く、おしゃれな小ぶりのバックには本が入りません。外見をとるか機能をとるか、しばしば選択をせまられます。
特に身近な消耗品である文房具の選択には悩みます。消耗品の場合は、手に入れやすさも問題の一つです。私は一度好みのものを見つけたらずっと同じ物を買い続けることが多いのですが、ものによっては後から探しても見つからなかったり、廃版になっていたりすることもあります。以前、大手メーカーの大量生産品で手に入れやすく、好みのデザイン、かつ書きやすいという、素晴らしいボールペンがあったのですが、デザインが微妙にマイナーチェンジしまい、その微妙さ故に受け入れがたいという悲しいことがありました(些細なことにこだわるのが悪いと言えばその通りなのですが)。
そんなことを考えていますと、古い本でも高確率で手に入れることができる出版市場というのは、本当に特殊なんだなあと思います。数年前のモデルのボールペンを店頭で見つけるのはなかなか困難ですが、書籍であれば、もし店頭になくても取り寄せてもらえる可能性が高いです。その特殊さ故の問題もありますが、非常に恵まれた環境であることは確かだと思います。
冒頭に書きました扇風機ですが、文句を付けてはいますがかなり気に入っています。しかし今年はともかく、来年以降になったら壊れても同じ物を見つけるのは大変そうです。幸いなことに消耗品ではないので、大事に使おうと思います。
|