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6月

2009.6.30(火)

「サービス、サービス」

事務所近くの中華料理店が出前をはじめたので、このところ夜食で何回かお世話になっている。

場所が近いので頼んでスグ届けてくれるのがうれしいし、なによりアツアツなのだが、箸とともに添えられたスプーンがとてつもなく使いづらい。
たぶんサイズが小さくて、コシがない(かんたんに言うと安っぽい)のが原因なのだが、店員の人は実際に使って食べたことがあるのだろうか。きっと一度でも使うとその不便さに気付くと思うのですが。

飲食店は新しいメニューを作ったとき、味見はするけれどこういった使い捨て食器のようなものにまでこだわらないのでしょうか? やはりコストの問題なのでしょうか?

「サービス」ってどういうことだろう? こんなときに考えさせられます。




2009.6.30(火)

半分「ハル」

私の中には半分関西の血が流れています。半分というのは、母親が京都出身であるということ、また私自身が半生を関西で過ごしたというこれまた2つ意味があります。

という半分の私の感じていることなので、関西の人ならきっと納得してくれる!、かどうかは分かりませんが、
かしこまりすぎずに敬意をあらわしたいとき(※少し仲のよい先輩に使うときなど)に、「〜してはる」という京都敬語(つまり、「ハル」敬語)は、とても便利な表現であると思ってきました。「はる」を付けるだけで、ちょっと丁寧になると同時に「〜していらっしゃる」よりフランクでいたいときによく使うのです。

そんなわたしはやはり「半分」の一見さんか、
この「ハル」は、ただ“上げ”るだけではなく、相手を“隔て”ることもするということを知りました。 用例をみると、たしかに、そういう使われ方も耳にしたことがあるように思います。
京都というコミュニティの中で独特の対人関係が築かれていく中、この「ハル」敬語はなくてはならない存在となっていったのでしょう。
方言敬語ですから、その地域の「内」「外」認識と深く関わっています。京都は特に、伝統の中で「そともの」の相容れることの出来ない世界を形成してきたと思いますし、その相手との距離感を「敬意」や「丁寧さ」でくるんだ多層の言語表現で示すことをしてきたのだなあとあらためて考えさせられます。

そしてそれはとてもおもしろいことである!
方言敬語の奥深さをひしひしと感じています。
先に述べた、その使いやすさを感じているという印象自体ももしかしたら「ハル」敬語の別の側面か、或いは「ハル」敬語はまだ変容している最中ということかもしれません。

というわけで6月のはじめに刊行した『「ハル」敬語考―京都語の社会言語史』の詳細はこちら。6月も今日でおわりです。




2009.6.25(木)

いよいよ梅雨です


東京では、毎日、曇った日が続いています。
家に帰ると、ものすごい水分が部屋にこもっているのを感じ、梅雨がきたのを実感しています。


先日、『裁判とことばのチカラ』刊行のおしらせをしましたが、今、書店に行くと、大きな書店では「裁判員制度」に関連した本のコーナーがあり、まさに関心が持たれているトピックであることを実感します。
言語学の棚以外の場所にも、書籍が置かれる機会がふえるのはありがたいです。

また、もうひとつ、今年が生誕100年の記念の年ということで、書店では太宰治のフェアをしているのもみかけます。
ひつじ書房で刊行した、『昭和十年前後の太宰治』もそのなかに置かれているのを見ました。

タイミングというのは大事なことですね。




2009.6.23(火)

レジュメ

今手元に英文学会のシンポジウムで配布されたB4サイズの1枚のレジュメがあります。そこには13の引用された文章が順番に記載されており、最後に参考文献が記載されています。

レジュメには引用(または資料)が記載されているだけで、発表の流れやまとめなどは何も書かれていません。非常にシンプルです。言語系の発表を見ても、例文が順番に記載されているだけでした。

これは英文学会のレジュメの形式なんですね。英文学会のホームページから大会資料が公開されているので見ることができますが、もしかすると公開対策としてなのでしょうか。分かりませんが、英文学会(私が出席した会場に限っては)発表者の方が原稿をすらすらと読むという形式で、手元では一緒に読まれている文章を追えないので、ラジオニュースを聞いているような印象ですね。集中力が鍛えられます。後から見直しても、メモをとってない限り発表者が何を言いたかったのか分からないということがあるのでメモは必須です。

日本語学会や、近代文学会とは発表の様子が違いました。何年か前に参加した際には気付きませんでしたが。予稿集にも簡単にどのような話をするということしか書かれていなかったので、論文集を待ちなさいということなのでしょう。個人的には、あとから見直しても分かるように、話の流れぐらいはレジュメにあってもいいのになぁと思います。




2009.6.18(金)

ごめんねコロナ

六月も後半となり、もう一年の半分を迎えたというおそろしいことはあまり考えないようにしています。しかしビールはおいしいです。
私はコロナを瓶で飲むのが好きなのですが、「コロナください」と言うと大抵「コーラですか」と言われます。たぶん、見た目のせいですね。

天気もぐずついているせいか、毎日の電車が遅れ気味です。 朝の満員電車では、車掌さんの「あやまり方」が気になります。

「この人、本当にすまないと思っているのだろうなあ」というタイプや
「逆に怒っている印象」を与えるアナウンス、
「詫びのことばをひたすら感情無く言い続ける」もの、
「さっぱりしているけど好印象」であるもの。

最後の好印象は「恐れ入ります」の使い方のうまさにあります。 結局電車が遅れるの原因のほとんどが車掌さんにはないわけなので、 そんなにあやまられても、ということをこちらも思いますし(ある意味白けちゃうというか)、やはり、「申し訳ない度」の共有感覚というか、センスというものがあるのかもしれません。

あとはやはり「誠実さ」でしょうか。
わたしは、とりあえず満員電車でおじさんの背中で寝ないようにしたいと思っています。

どうかすてきな梅雨を!



2009.6.18(木)

コミュニケーション力

出版社での仕事から、質・量ともに今まで経験したことのないほど 多くのものを学んでいると感じます。

一から勉強中ということで、新人というのは色々な場面でよく混乱します。

ひつじ書房には毎日大量のメールが届き、それに返信をしているのですが、 編集部のメールは全て共有されているので、自分に関係ある物を見つけることが とても大切です。件名をみて、自分あての物かどうか推理するのは楽しいのですが、 これが当たらないとき、受信メールを見落とすという事件が起きます。

事件を起こさないように、日々気をつけて仕事にあたっているのですが 自分でタイトルをつけるのも読み取るのも難しいものですね。

また、原稿の赤字チェックは編集の大切な仕事の1つですが、 色々な指示を矛盾なく、明確に組版所に伝えることが、時にはとても難しく感じます。1つひとつ、はっきりと伝えることの大切さが身にしみてきます。
私も人に説明することが上手くなるよう、電話やメールの時には特に注意したいと思います。

竹下



2009.6.15(月)

あじさい

梅雨の季節です。
私は梅雨を経験したことはないのですが、毎日のように雨が続くのは、想像するだけでも大変そうです。
ですが、この季節だからこそ楽しめるものもあるようです。
近所に、庭であじさいを育てている家があるのですが
今年はたくさん咲きすぎたのか
玄関先に数本のあじさいが生けてあり、「ご自由にお持ち下さい」と貼り紙がしてありました。
とてもきれいに咲いているので、無料なのがもったいないくらいです。
本で言うならフリーペーパーでしょうか。
無料とは思えないクオリティというのは、
非常にあこがれるものがあります。
本を作るという仕事に携わっているからには、クオリティの高さに もっと敏感になっていきたいものです。



2009.6.11(木)

裁判とことばのチカラ


『裁判とことばのチカラ』が刊行しました。
日本では、裁判員制度がいよいよ5月にスタートしましたね。本書では、言語学の観点から裁判での「ことば」を取り扱っています。

裁判での「ことば」のやりとりは…おそろしい
●「車が激突」と「車があたる」では、質問の印象は変わる
●裁判官の発言に、裁判員は影響されてしまう

裁判員に選ばれる可能性は、だれにでもあります。(これを読んでくださる数少ないスタッフ日誌読者の方の中にも、すでに選ばれている方がいらっしゃるかもしれませんね。)
言語に関わっている研究者の方は、本書で言及されている「ことば」に惑わされることは少ないかもしれませんが、そうではない方は、裁判員に選ばれたとき、法廷で「ことば」に惑わされることもあるのではないでしょうか。

大学生協やジュンク堂書店では、店頭に並んでいますので、(もしかしたら平積みになっています。)気になった方は、ぜひ、手に取って読んでみてください。
装丁もさわやかな色合いです。



2009.6.4(木)

スーパー

東京に引っ越してから3ヶ月がすぎました。
近所の地理にもすこしずつ詳しくなって、
欲しいものによってスーパーを使い分けるようになり、
自分が土地に馴染んできたなあと感じます。
とくに私が住んでいる地域はスーパーが多いらしく、
全ての店を知らなくても事足りてしまいます。
ですが、割とスーパーが好きな私としては
まだ行ったことのない、近所のスーパー開拓をこころみています。

ついこの間、はじめて行ったスーパーはすごいスーパーでした。
少し高級感を出すのがコンセプトなのか、
本格的な調味料が並び、素材にこだわった食べ物や珍しい野菜が 売られていました(アーティチョークを置いているスーパーがあるとは知りませんでした)。
さらには香辛料売り場に、一冊だけ本が陳列されていたのが大変衝撃的でした。 本格的なスパイスの調合法などが記された本なのですが、しかしこんなところに置いてあるとは何だか妙な、と思わせる、すごい演出です。
まさに「スーパー」です。

スーパーめぐりは値段以外にも見どころがあることを発見しました。



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