境界と周縁
年末年始休暇が終わりまして、繁忙期ムードに入りつつあります。
少し風邪気味ですが、体調を整えつつのりきっていきたいと思います。
休暇中『進撃の巨人』を読みました。途中理解が及ばない部分もありましたが、おもしろくていっきに読んでしまいました。『進撃の巨人』を読みながら、巨大な壁が作りだす境界やそこから生み出される周縁というものをぼんやりと考えていたお正月でした。次はアニメもみたいと思います。
近刊を1冊紹介します。
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『境界と周縁:社会言語学の新しい地平』(三宅和子・新井保裕編)
〇内容
本書は、21世紀の言語・コミュニケーションの課題に「境界」と「周縁」の視点から迫る。ジェンダー、翻訳通訳、危機言語、移動する人々、方言やマイノリティ言語、言語実践のリアリティなどをテーマとする11の論考は、「境界」と「周縁」の恣意性、曖昧性、政治性、暴力性、潜在するイデオロギーを多様な論点と方法で顕在化させ、新たな研究の地平を照らしだす。
執筆者:新井保裕、新垣友子、井上史雄、尾辻恵美、木本幸憲、熊谷慈子、クレア・マリィ、寺尾智史、坪井睦子、滕越、三宅和子
〇目次
まえがき
序章 三宅和子「「境界」と「周縁」の観点から読み解く社会とことば」
第Ⅰ部 「境界」の引き方
1章 クレア マリィ 「娯楽と社会運動の境界:「LGBTブーム」の言語的レガシー」
2章 坪井睦子 「バルカン・バベル:言語の境界と翻訳」
3章 木本幸憲 「多言語地域における言語シフトと危機言語を考える:フィリピンの事例から」
4章 滕越 「幼少期に中国と日本を往還した若者のアイデンティティ交渉:共通の傾向と年齢に応じた変化」
第Ⅱ部 周縁性がもたらすもの
5章 井上史雄 「方言景観と方言みやげの社会史」
6章 熊谷慈子 「メディアが再生産する方言イメージ:ドラマと翻訳に描かれる東北方言」
7章 寺尾智史 「播州ことばを起点に世界の周縁言語話者と考える言語多様性継承:それでも話し続けることの言語社会学的対照」
8章 新垣友子 「琉球諸語の再生のために:世代を超えて繋がる力」
第Ⅲ部 「研究」の捉え直しと越境
9章 尾辻恵美 「「トランス」の向こう側に:「言語化された世界」の内実」
10章 新井保裕 「研究・教育の越境をめざした本書の学び方」
あとがき
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各論考の扱うテーマはさまざまですが「境界」と「周縁」という視点から言葉やコミュニケーションの問題に迫ります。本書全体を通して読んでいただいて、新しい視点や方法を感じていただければと思います。
論文の後には「私の研究遍歴」と題したコラムを掲載。各著者の貴重な「自分史」を掲載しています。必見です。
来月末の社会言語科学会にはお披露目したく、鋭意編集中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
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