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2020.8.4(火)

発音指導が苦手な日本語の先生のために



長い梅雨がようやく明け、とたんに暑くなりました。
みなさまお元気でしょうか。わたしは今日も尽きない原稿の山と戦っています。たくさんの素晴らしい原稿や草稿が届いています。お待たせしている先生方、申し訳ありません。ひとつひとつ丁寧に進めていっております。

さて、いろいろな影響もあり6月7月は新刊が出ていなかったのですが、今月は新刊が出ます!



『ベトナム人に日本語を教えるための発音ふしぎ大百科』金村久美・松田真希子著

今まさに印刷前の最終チェックをしているところです。
本書はベトナム語母語話者への日本語の発音の指導法を分かりやすく解説した本で、どうやってベトナム人の日本語学習者に発音を教えたらいいのか分からないというお悩みの声に全面的に応えるものになっています。

本書に登場するお悩みの声を一部紹介します。

「ベトナムの学習者の中に、ザ行やジャ行の音を、ヤ行の音と間違える人がいます。・・・ヤがザやジャになるか、またはザやジャがヤになるか、人によってどちらかに分かれるんですけど、これはどうしてなんでしょうか。」

「ベトナムの学生の発音を聞いていると、長音、短音の間違いがとても多いんです。・・・長い音を短く言ったり、短い音を長く言ったり、その時によって違うみたいで、法則がよくわからないんです。どう指導したらいいんでしょうか。」

「ベトナムの日本語学習者には、文の中で、助詞の部分だけを際立たせるように高く言う癖がある人が多いようです。・・・ただ、日本語の助詞のアクセントって、どんなルールがあるんでしょうか。助詞を高く読むことも低く読むこともあるように思いますが、学生にどう説明したらいいのかよくわかりません。」

などなど、他にもたくさん、日本語の先生なら一度は感じたことがあるのではないかという発音のふしぎ・お悩みポイントが挙げられています。これをひとつひとつ「解説」し、「こんな風に説明しよう!」で学生への指導法を提案しています。練習問題も付いています。
個別のお悩みポイントから読めば、その時困っている事がすぐに分かるので「緊急お助け救急箱」のように使っていただくこともできます。ただ、この本の良いところは、ベトナム語と日本語、それぞれの言葉の発音の仕組みから学習者がなぜそのそのような発音になるのかを解説しているところです。ベトナムの学習者の苦労と困難をより理解していただくには、1冊通して読んでいただくのがおすすめです。

わたし自身は日本語を教えた経験はありませんが、この本を読んでいてとても勉強になりました。
ベトナム語の発音の仕組みを知ることもそうですが、自分が普段当たり前のように話している日本語についてもたくさんの発見があります。日本でベトナムの方に接する機会の多い今、日本語を教える人だけでなく、より多くの人に読んでいただきたい1冊です。
発音のふしぎにせひ触れていただければと思います。8月末ころ発売です。






2020.8.3(月)

Wordでレイアウト設定 版面横幅編


Wordでレイアウトをこまごまと変更する時の挙動は分かりづらく、今回レイアウトの設定を少し詰めてみたので、備忘録的に記します。

今回29字×22行のフォーマットを作成したいと思いました。長くなるので、今回は文字数の点のみに絞ります。

私の手元のWordを開いて、「文章のレイアウト」を見ると、40字×36行になっていることが分かります。数えてみても1行に40字入っています。



これを29字×22行に変更しました。



無事1行あたり29字となっています。しかし、お分かりでしょうか。字間が妙に空いています。これは気になります。あまり気にならないかもしれませんが。
「字送り」というのは文字の真ん中から次の文字の真ん中までの距離を表すもので、これを変更すれば字間が詰まりそうなものです。しかし、これを変更すると文字数も連動してしまい、使えません。



上記のように、和文の本文は、通常文字の間隔は空けません。正方形が並ぶ形、これをベタ組みと言います。

Wordの方で、ベタ組みにするためには、文字間にスペースが入らないように版面の横幅を小さくする必要がありそうです。そのため、余白の変更をしないといけません。


・設定編

今回は文字のサイズをもう少し大きく12ポイントにすることにしました。本文のサイズを12ポイントに変更して、ここではポイントだと計算しにくいので、ミリに直して考えます。1ポイントの大きさは、0.35277...ミリです。

そこから版面の横幅を計算できます。0.3527(ミリ)×12(ポイント)→1文字あたりの大きさ4.2324ミリ×29(字)=122.7396ミリ、これが文字の入る範囲、版面の横幅となります。
紙は標準的なA4にしています。A4の紙の横幅は210ミリです。

つまり、210(A4のサイズ)-122.7396(版面の横幅)=87.2604

これが余白の大きさとなります。左右に余白が入るので、2で割ると、43.6302ミリが、左右それぞれの余白となることが分かりました。デフォルトでは30ミリが左右の余白となっています。



ここに入力してみましょう。文字数も再度入力します。


するとこうなります。



???
1行に29字入っていません。「これは」の3文字が溢れています。なぜかと言うと、見た目上は12ポイントの文字ですが、レイアウト上はデフォルトの10.5ポイントという風にWordが認識しているからです。試しにこの文字を選択して、10.5に変更すると一行に収まります。つまり、見えない10.5ポイントのマス目が29文字分ここには入っていて、12ポイントの文字を入力するとあぶれた分が次の行に行ってしまっているということなのでしょう。何を言っているか分からないと思いますが、私も分かりません。はい。

そのためどうするかと言うと、レイアウトの設定から、文字ポイントを変更する必要があります。「フォントの設定」から(文字数29字になっているのにな…)、



文字サイズを12ポイントに変更しました。



変更をすると文字数の設定が狂っているので再度29字にしてOKを押すと、無事収まったようです。



しかし、ポイントをミリに換算した際に、端数の7が続くのを切り捨てているし、余白の設定も後から見ると、小数点第二位以下は切り捨てられています。



だから、本当は微妙な端数の関係で綺麗に収まるはずはないのですが、そのあたりはWordがわずかに文字間を調整しているのでしょう。


以上がWordで版面の横幅を設定するときの流れとなります。

まとめると、

1.初めに本文のポイントサイズ、1行あたりの文字数を任意に決定。
2.版面の横幅を計算。
3.[文書のレイアウト]に余白を入力。
4.[文書のレイアウト]に文字数、[フォントの設定]に文字サイズを入力。

という流れになるでしょうか。

素直に考えて、[文書のレイアウト]で文字サイズと1行あたりの文字数を入れたら、余白が自動で変更されて欲しいものですが、そうはなりません。まずは余白から設定する必要があります。

これはなぜかと考えると、おそらくWordがアメリカの会社によって作られたものだからではないでしょうか。
欧文を入力する為に作られたものだからです。

上で見たように、和文の文字は正方形で作成されていますが、欧文のアルファベットは、一文字ずつ大きさが違うので、文字サイズと文字数で自動的に版面が決まるということがありません。



版面に合わせる際には、単語間のスペースで調整をしています。
レイアウト関係のデザイン書を見ると、版面の設計でまず初めに基本として出てくるのは、だいたいが黄金比に基づいた版面設計です。


『グラフィックデザインにおける秩序と構築』(ビー・エヌ・エヌ新社 2020)

このように、本を開いたときに、美しく見える比率で、版面の範囲を決める手法です。(他にも様々な比率と、その際の印象がこの本にはまとめられていて、おすすめです)

和文で考えたとき、こういう風に初めに版面の範囲を決めてから、本文の文字数を設定するということもできなくはありませんが、小数点以下の数字が出てきそうなことが予想できると思います。和文組版では、これまで私が見聞きした限り、文字サイズを小数点以下まで細かく設定するということはありません。あったらすみません。

基本的に、和文組版とは考え方が違うのかなぁと感じます。

出版社として、執筆のための本文フォーマットをWordで作るということはよくあることですが、きちんと設定するためにはとても大変です。

ただ、ここまでベタ組みを前提に書いてきましたが、Wordをそのまま印刷するわけではないので、そもそもベタ組みにする必要はないとも考えられます。実際、これまでそこまで厳密に考えてはきませんでした。

字間が少しくらい開いていてもほぼ気づかないし、むしろディスプレイ上はある程度字間が空いている方が見やすいかもしれません。そのあたりはきちんと考えた方が良いでしょうね。

※文書のレイアウト設定欄にある、「標準の字送りを使用する」にチェックを入れると、「フォントの設定」さえすれば自動的にベタ組みとなり、余白は右側で調整されることが分かりました。その場合、右側の余白で調整がされるので、文章が真ん中に来なくても気にならなければ楽な方法だと思います。他にも良いやり方があればお教えください






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