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2026.4.7(火)

「シリーズ フィールドインタラクション分析」2冊目刊行!



このたび「シリーズ フィールドインタラクション分析」第5巻『「三夜講」で火祭りを準備する 野沢温泉道祖神祭りの伝承を支える仕組み』(榎本美香編)を刊行いたしました。

1巻の『多職種チームで展示をつくる 日本科学未来館『アナグラのうた』ができるまで』(高梨克也編)は、2018年の刊行でした。1巻の刊行から時間がたってしまいましたが、このたび第5巻を出版することができました。5巻ですが、「シリーズ フィールドインタラクション分析」の2冊目となります。

「「シリーズ フィールドインタラクション分析」の狙い」(シリーズ監修 高梨克也)より抜粋---------

本シリーズでは、これまで主に会話分析やジェスチャー研究の手法によって言語使用の研究をしてきた研究者たちが、展示制作や鮨屋、介護施設、ロボット演劇、火祭りといった特色のあるフィールドにおける人々の間の自然なインタラクションをビデオ収録し、分析するものである。タイトルの「フィールドインタラクション分析」における「フィールド」には、「自然な日常生活場面(フィールド)でのインタラクション」を分析するという対象としての側面と、インタラクション分析を「フィールドワークとして行う」という方法論の側面の両方の意味が込められている。
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本書では長野県野沢温泉村をフィールドに、野沢道祖神祭りの準備をになう「三夜講」という約100人の集団の相互行為を分析しています。榎本先生をはじめとする本書の執筆者の先生方は、野沢温泉村の人々に導かれて「三夜講」に出会います。「第1章 フィールド調査をする前に何が分からなかったか(榎本美香)」を読んでいただくと、最初はなにも分からないところから始まっていることが分かります。

「三夜講」というのは、野沢温泉村の公式ホームぺージで「男の厄年を迎える数えで42歳・41歳・40歳の3つの年代が「三夜講」と呼ぶ組織を編成し、この同じ仲間で3年間行事を行う。」とありますように、道祖神祭りを担う三世代の集団です。3つの年代の関係性や、前や次の代の「三夜講」との関係性は、祭りを伝承していくうえで大事なシステムとなっているのですが、その詳細や全体的な仕組みについては本書で明らかにされています。第2章の図2.2もご覧いただきたいです。

「第2章 どんなフィールドか(伝康晴)」以降、著者たちが長年のフィールドワークを通して知った野沢の人々の姿が描かれていきます。

「猿田彦の舞」、祭りを支える「縄結び」、「里曳き」(御神木のうちの2本を二組に分かれて山腹から祭りの会場まで曳き出す行事)など、身体技法の伝承に注目した章や、祭りの準備を行っている人々の様々な身体動作を分析・考察しているものなど充実した内容です。

フィールドでは、移り変わるものと変わらないものとが混在していて、それを見事にインタラクション分析という手法で浮かび上がらせています。

それから、本書では何度か「一升瓶」が登場します。コラムで出てくることが多かったと思いますが、本書のコラムやTipsは、フィールドでの研究の舞台裏を知ることができ、臨場感にもあふれています。必読です。6章の冒頭にでてくる、特別純米酒「水尾」もおいしそうでした。野沢温泉村にある水尾山が採水地とのことです。
https://www.mizuo.co.jp/

ぜひ『「三夜講」で火祭りを準備する』ご覧ください。よろしくお願い申し上げます。

(2巻、3巻、4巻は未刊です。どうぞご期待ください!)







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