今年1年の振り返り 2014

2014年12月31日(木)

今年1年の振り返り 2014

今年、1年を振り返りたいと思います。最初に仕事ではなく、私的なことがらを申します。実家のあった埼玉から母を迎えました。ずっと住んでいた実家をほぼ閉じまして、母を迎えました。長い間、両親の希望と努力が結実していた郊外の実家を手放すということを決断したわけです。このことにともないまして同じ町名なのですが、5丁目から4丁目に、引っ越しをしました。私にとっては、食事をして寝るというほとんど最小限の住処から、三世代の住居に移るという環境の変化でもありました。住まいに住むという人間らしい感覚が新鮮です。その延長で、ここで申すのも場違いですが、町内会に入ろうと考えています。文京区の住民になるという決意をしました。

仕事については、本の実質的製作と刊行の仕上げの部分は、今年は、ほとんど、編集部の社員に任せる方向になりました。ひつじ書房が一年で49冊の本を作ることができていますのも、ほんとうに社員のおかげです。今年は、新村出賞と金田一賞の受賞をいただきました。この二つの賞をダブル受賞できたことは言語学の出版社としてはたいへんにありがたいことです。工藤真由美先生のご著書『現代日本語ムード・テンス・アスペクト論』と松浦年男先生の『長崎方言からみた語音調の構造』です。また、府川源一郎先生の『明治初等国語教科書と子ども読み物に関する研究 リテラシー形成メディアの教育文化史』も、ひつじ書房始まって以来の大規模な研究書で、日本児童文学学会特別賞を受賞しました。ありがたいことです。受賞は、担当者にとっても、感慨とやりがいの実感を得ることができたことと思います。彼らも、成長してくれることと思います。こういうことをいうと笑われるかとも思いますが、本当は府川先生の本か『エスペラント運動人名事典』が、毎日文化賞のような大きな賞を受賞するのではないかと密かに思っていたのですが、残念なことに、そのような栄誉は得られませんでした。ひつじ書房の力不足ということだと思います。

今年の重要なテーマは、新人を採用するということでした。昨年、採用を決めたものを、今年前半にうまく育てることができなかったということがありましたこととは、反省と痛恨の思いでした。ひつじ書房は、現在、節目を迎えていまして、次の段階に進んでいくためには人手が足りないということをずっと切実に感じていましたので、採用ということが大きかったのです。2名と思っていますが、まずは1名、決まりまして、鈴木さんに来てもらうことが決まりました。がんばってもらいたいと切に願っていますし、祈っています。

もう一名を探していましたが、ほとんど決まりかけて内定も出していたのですが、残念ながら、白紙に戻ってしまいました。ひつじ書房は、言語学の定期刊行的なメディアの創刊も考えておりまして、のどから手が出るくらい優秀な人手を必要としていますので、2014年12月末現在も、求人を行っています。本を作りたいと切実に思っている方であれば、多少、のんびり屋だったり、おっちょこちょいであったりしても、育てますので、ご応募下さい、と申し上げておきます。

次の段階に進んでいくためには、今、めいっぱいの時間、製作や編集にかけている時間を削りまして、企画立案のための勉強と研究者の方々のところへ伺って、話をするということに回す必要があります。そのためには、編集部員にもっと時間が必要であり、そのためにも人手を増やしたいということなのです。

本年は黒字の決算にもなりました。みなさまのご支援に厚く御礼申し上げますとともに、学術書の出版社として、21世紀の困難な時代を創意工夫と情熱で、乗り切ってきたいとと考えています。来年もどうぞよろしくお願いします。

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執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。



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