小島剛一さんのラズ語の辞書の刊行賛同者を募る講演会のお知らせ

小島剛一さんのラズ語の辞書の刊行賛同者を募る講演会のお知らせ

『トルコのもう一つの顔』(中公新書)の著者、小島剛一さんがラズ語の辞書の刊行を計画しています。

賛同者を募る講演会を開催しますので、ふるってご参加ください。今年は、神戸、東京、秋田の三箇所で講演会を行います。

 名著『トルコのもう一つの顔』には、トルコ共和国で言語を調査している時に出会った、ラズ人たちやラズ人たちの言語のことが述べられています。ラズ語を研究されてきた小島剛一さんが、ラズ語の辞書の刊行を計画しています。

 辞書の刊行は、絶滅危惧言語を保存するために大切なことであり、言語学にとって、人類にとって重要であることはもちろんですが、何よりラズ語話者にとって、ラズ語を保存し、持続させていくために、ラズ語の辞書が刊行されることは重要な意味を持ちます。そのために、ラズ語トルコ語日本語を対照した辞書の刊行を実現したいと考えます。

 しかしながら、辞書刊行については、日本国内においての需要が、大きいとは思われず、商業的な出版は困難です。何らかの支援を求めることが必要です。ラズ語の辞書を刊行することに賛同下さる方に呼びかけ、ご支援によりまして、刊行を目指したいと思います。ご支援をお願いします。今回の催しの企画者はひつじ書房松本功です。

小島剛一氏講演会「シャルリー・エブドの大誤訳とラズ語辞書」


■9月1日(火)神戸 海外移住と文化の交流センター 5階ホール
http://www.kobe-center.jp/access.html
18時30分開場 19時開演

■9月18日(金)秋田 秋田県生涯学習センター
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1397799287660/index.html 
18時30分開場 19時開演

■9月20日(日)東京 アジア文化会館 101研修室
http://www.abk.or.jp/access/index.html
13時30分開場 14時開演


概要

シャルリー・エブド襲撃事件について、日本の大手メディアがそろって誤訳による誤報をしたために大多数の日本人はこの事件を誤解している。シャルリー・エブド紙の2015年1月14日発売号の表紙に「私はシャルリー」と訳すべき文言は無い。日本語として意味をなさないこの大誤訳がなぜ罷り通っているのだろうか。この誤訳が生じた原因として、フランス語とフランス社会への無理解があるが、フランス在住の言語研究者としてその背景を述べる。
 ラズ語のような少数言語に関する情報の欠如は、実は「正しい国際情報の不在」という点でこの誤報事件と同種の問題である。大多数の日本人は、言語が抱える問題に対する認識が不充分であることのせいで世界の言語状況を把握していない。例えばフランス国民の母言語は何種類あるのか。トルコ国民の母言語は何種類あるのか。ラズ語のような少数言語は近い将来にどうなってしまうのか。ザザ語やクルド諸語の未来は、ラズ語よりはマシなのか。ラズ語の辞書の計画と共にこれらについて話す。

講演者略歴

1946年、秋田県生まれ。1968年以来フランス在住。旅の虫。巣はストラスブールにあるが、年に六ヶ月は羽が生えて地球のどこかを飛び歩いている。言語屋。1973年以来、フランス人向けの日本語教育にも携わっている。1978年、フランスのストラスブール大学人文学部で博士号取得。専攻は、言語学と民族学。1986年9月、トルコ共和国で少数民族言語臨地調査のための「研究調査ビザ」を所持していたにも拘らず国外退去勧告を受ける。その後、四度に亙って空き巣被害を受けるが盗まれたものは何も無し。この時以来、身の安全のため、住所や勤務先などは非公表。2003年7月、『ラズ語文法』刊行の直後、トルコ共和国から武力によって国外退去させられる。現在はフランスで自由業。著書『トルコのもう一つの顔』(中公新書)1991年、『漂流するトルコ 続「トルコのもう一つの顔」』(旅行人)2010年、『再構築した日本語文法』(ひつじ書房)2012年、など。論文 『三省堂言語学大辞典』の「ザザ語」の項(1993年)など。

チラシ<www.hituzi.co.jp/kojima/kojima_fund2015.pdf>

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