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2004.6.1更新

第5回メディアとことば研究会
場所: 東京工芸大学
日時: 2004年3月21日(金)

発表者:
村松賢一(スピーチコミュニケーション教育研究所)
是永論(立教大学社会学部)



発表者: 村松賢一(スピーチコミュニケーション教育研究所)
タイトル:
ニュース報道におけるキャスター同士の会話が意味するもの
キーワード:
ハッピートーク、アドリブ、開かれたテキスト、モノローグ

概要:
 テレビのニュース番組では、時に、キャスター(主、副、スポーツ担当、天気予報担当など)同士のアドリブの「掛け合い」が挿入されることがある。内容的には、ハッピートークと呼ばれる他愛ないおしゃべりやニュースに対する感想が主で、時間的にもごく僅かだが、台本に基づかない開かれたテキストという点では、原稿を読み上げるストレート・ニュースなどに比べてはるかにテレビの特質を体現していると言える。また、形式的には、複数の視点を提示できるなど、モノローグ的な報道を変えていく可能性も秘めていると思われる。反面、ハッピートークを拡大した報道バラエティ番組に見られるように、問題を矮小化し、ニュースの核心から目を逸らせる危険性も蔵しており、その正当な評価が求められる。
 今回は、その第一歩として,タイプの異なるいくつかのニュース番組を対象に、「掛け合い」の内容や出現場所,回数,番組全体の中での機能などをまとめ、彼らが何をしているのかを明らかにしたい。


発表者: 是永論(立教大学社会学部)
タイトル:
映像広告に関する理解の実践過程
キーワード:
広告、会話分析、社会的実践、カテゴリー化

概要:
 われわれは常日頃からテレビCMをごく自然に視聴しているが、そのときにCMが「広告」であるということをどのように理解しているか、ということについては、特にこれまで詳細には考察されてこなかったように思われる。
 本発表では、広告を理解するということを、一つの社会的実践としてとらえ、その過程について明らかにしたい。具体的には、韓国語の分からない複数の被験者に対して韓国語のCMを見せ、その「映像」の内容について推測させることにより、そこでどのような理解のための実践が行なわれるかについて、被験者どうしの会話データをもとに会話分析の手法を用いて考察する。特にその中で、対象をカテゴリー化してとらえることが、「広告」としての理解に対していかなる役割を果たしているかを中心に検討してみたい。