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2004.6.1更新

第4回メディアとことば研究会
場所: 東洋大学、関西大学(TV会議)
日時: 2003年12月13日(土)

発表者:
東京 井出里咲子(筑波大学現代語・現代文化学系)
大阪 塩田英子(同志社大学)


【東京会場】
発表者: 井出里咲子(筑波大学現代語・現代文化学系)
トークバラエティ番組における複数ホストの談話的役割
 ―馴れ合い?それともバーバル・アート?―
キーワード:
トークバラエティ番組、笑い、談話フレーム、バーバル・アート

概要:
 最近の日本のテレビ番組には<トークバラエティ>として知られるものが多く、主に話を聞く側のホストと、話をする側としてのゲストとが軽妙なおしゃべりを繰り広げている。こうしたトークバラエティには複数のホストが単数のゲストとおしゃべりをする例が少なくないのだが、なぜこうした番組には複数のホストが必要になるのだろうか。
 本発表ではテレビ番組の「いつでも笑みを!」を談話資料に、複数ホストの生み出す「笑い」に焦点を当て、「何を」話すかではなく、「いかに」話すかというパフォーマンスの部分から「笑い」が生まれる過程を考察したい。また時間が許せば討論の幅を広げ、こうした談話の形態をバーバル・アート(verbal art)として捉える意義について検証してみたい。


【大阪会場】
発表者: 塩田英子(同志社大学)
タイトル:
メディアとしての文字テロップ
キーワード:
関連性理論、文字テロップ、翻訳、媒介者、二次的伝達状況

概要:
 90年代半ばから、ニュース番組に加えてバラエティ番組等でも文字テロップが多用されるようになってきた。これらのテロップは視聴者が番組を理解する上で必要な情報を伝える「情報整理型」、出演者の発話を繰り返す「反復型」、番組内容に対する解釈を示す「解釈型」の3つに大別できる。しかし、これらの文字テロップは必ずしも必要な情報を伝えるとは限らない。場合によっては、視聴者に不快感を与えるという事態も起こりうる。そようなテロップはコミュニケーションとしてどのように位置づけられるのだろうか。
 本発表では関連性理論(Relevance Theory)、中でもGuttによる翻訳分析を手がかりに考察していきたい。そして、視聴者に不快感を与えるテロップに注目し、そのメカニズムを探る。