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2020.9.8更新

第44回メディアとことば研究会

日時:2014年7月6日(日)16時から18時(15時半より受付開始)

利用会場:大阪大学大学院言語文化研究科A棟2階大会議室

発表者名:辻 大介(大阪大学)

タイトル:昭和30年代のテレビCMのことばとその構造転換

概要: この報告では、京都精華大学の管理・運用するテレビCMデータベースについて紹介するとともに、その言語データ部分を分析した結果を辻(2010)から抜粋して提示する。
 本データベースには総数14,000篇以上のCMが収録されており、昭和30年代のテレビ放送初期CMに限っても、7,000篇近くにおよぶ。「懐かシーエム」の特集番組でも当時のCMはせいぜい数篇しか取り上げられないことを考えると、きわめて高い資料的価値をもつものと言えよう。
 それら放送初期のCMは、今の目から見ると奇妙なものが多い。どこか「CMらしくない」のである。その違和感は昭和30年代後半に入ると急速に薄れ、現在に通じるような「CMらしさ」を帯びてゆく。その「CMらしさ/らしくなさ」とは、いったい何なのか?
 さらに加えて、放送初期CMについてどのような研究ができるかを参加者とともに議論したい。本データベースは未公開だが、大学に所属する教員・院生であれば、研究目的の利用申請を受け付けている。興味ある方はぜひご参加いただければと思う。
[文献:辻大介「CM言語の断層、一九五〇/六〇」、高野光平・難波功士編『テレビ・コマーシャルの考古学』世界思想社、2010年]