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2004.6.1更新

第3回メディアとことば研究会
場所: 大阪大学
日時: 2003年10月3日(土)

発表者:
岸本千秋(武庫川女子大学言語文化研究所)
内田らら(東京工芸大学)



発表者: 岸本千秋(武庫川女子大学言語文化研究所)
タイトル:
ネット日記作者に対する意識調査報告
キーワード:
ネット日記、非標準的表記、言語意識、言語行動、アンケート調査

概要:
 現代は、インターネットの急速な普及によって、瞬時に多量の情報を得られるようになり、同時に、自らが情報の発信者となることも可能な時代です。ネット日記もその1つで、個人の日常が赤裸々につづられたものが公開されています。
 発表者は、以前に、ネット日記に特徴的な非標準的表記を分類分析し、そこには、インターネットの持つ、公開性と匿名性が関係しているのではないかという推測を立てました。今回の発表は、それにプラスして、ネット日記の作者を対象としてアンケート調査を行った結果を報告します。内容は、日記を始めようと思ったきっかけ・非標準的表記を使う/使わない理由・日記を公開することについての意識などを中心にしたいと考えています。特に、個人的な日記を公開する意識はどのようなものか、という点については、皆様のご意見をうかがえればうれしく思います。


発表者: 内田らら(東京工芸大学)
タイトル:
トーク番組に見る『メディアの特徴』に関する一考察
キーワード:
メディアの特徴、トーク番組、司会者の言語表現、フレームの「包合性」

概要:
 「トーク番組と日常会話は別物である。」これは当然とされるが、先入観なしに両者を聞き比べると、いずれも一定の話題について円滑に話を進める構造に見える。しかし、普段の生活の中で、人々は会話を耳にした時点で両者を区別している。この時、その根拠は、放送前の編集や打ち合わせといった前知識ではなく、会話で浮かび上がる「メディアでの対談」の特徴を視聴者が感じ取ることにあるのではないだろうか。
 そこで、本発表では、日本のテレビやラジオのトーク番組の録音資料を用い、「メディアを通じて視聴者に伝える」という特徴が会話にどのように現われるかを、司会者の言語表現(聞き返し,共話,メタ言語など)や両者間の話題展開を分析して明らかにする。
 さらに、もし時間があれば、分析結果から「フレーム」(会話での期待の構造)の位置関係を示し、レベルが異なるフレームの存在と各フレームの「包合」関係を考察したい。