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2011.6.20更新

第33回メディアとことば研究会

日時:2011年6月18日(土)15時〜18時
利用会場:

〈東京会場〉東洋大学白山キャンパス 5号館2階 5201教室    
〈関西会場〉武庫川女子大学 研究所棟6階 A‒609 言語文化研究所

発表者名:布尾勝一郎(財団法人海外技術者研修協会(AOTS)AOTS日本語教育センター(JLTC))
タイトル:「メディアとことば」研究における分析対象としての新聞—その位置付けと特徴(仮題)
キーワード:分析対象としての新聞、紙面・談話の特徴、批判的談話分析(CDA)、隠蔽・自己正当化、看護師・介護福祉士候補者

概要: 「メディアとことば」について研究する際に、新聞を分析対象とすることが多い。とりわけ、社会的な視座をもつ研究テーマにおいては、「新聞」というメディアの社会的位置付けや制作過程、紙面の特徴、談話の特徴を知ったうえで分析する必要がある。本発表では、まず、現代の日本社会における新聞の位置付けや、新聞を分析対象とすることの意義を確認する。そのうえで、大手新聞5紙(朝日、産経、日経、毎日、読売)を中心に実際の新聞記事を参照しながら、新聞の紙面や談話の特徴を見てゆく。その際、新聞をデータとする際の留意点にも触れる。実際の事例としては、批判的談話分析(Critical Discourse Analysis=CDA)の立場から、「新聞が身内の不祥事を報道する際の隠蔽・自己正当化」「EPA(経済連携協定)で来日したインドネシア人看護師・介護福祉士候補者についての報道の問題点」などを題材として取り上げて検討したい。  なお、本発表は、「新聞のことば」に興味がある、あるいは今後分析に利用してみたいと思っている近接領域の研究者や学部生のかたがたを対象にした“勉強会” の要素も含んでいる。

【発表レジュメ1(Ppt)】
【発表レジュメ2(Ppt)】


発表者名:古川敏明(大阪大学大学院言語文化研究科講師)
タイトル:多声的な言説行為としてのユーモア—ハワイのローカル・コメディー
キーワード:多声性、間テクスト性、ユーモア、ハワイ、ローカル

概要: 言説行為は多声的であり、ユーモア使用も多声的な言説行為である。共同体の成員は日常生活からプロフェッショルな場面まで多岐にわたる文脈において、さまざまな資源と間テクスト性を動員することで多声的なユーモアを構築することにより、成員間の関係性、共同体の共有知識、そしてユーモア使用文脈自体を再生産している。本発表では多言語・多民族社会であるハワイのコメディーにおける言説行為を微視的なアプローチを用いて分析する。ローカル・コメディーではパフォーマーが聴衆との相互行為において、ハワイ・クレオール英語など多様な言語資源と言説的戦略を用いて解釈枠組みを設定し、ハワイで生まれ育った者であることを示すローカル・アイデンティティーを創出・再生産している。本発表ではさらにローカル・コメディーに関するフォーカスグループの相互行為も分析し、言語、エスニシティー、メディアなどハワイ社会における巨視的な諸問題へと関連付けて論じる。

【発表レジュメ(Pdf)】