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2008.6.23更新

第21回メディアとことば研究会

日時:2008年6月23日(土)15時―18時半
利用会場:
〈関東会場〉東洋大学白山キャンパス3号館1階ナレッジスクウェア
〈関西会場〉武庫川女子大学日下記念マルチメディア館(通称MM館のMM-108)


発表者:佐竹秀雄(武庫川女子大学言語文化研究所長)
タイトル:新聞における投書表現の分析−付録:ことば研究の方法と立場−
発表内容:
新聞における投書を調査対象として、その内容と表現スタイルとの間にどのような関係が見られるかについて、計量言語的な視点から分析した。投書を内容によって公的なものと私的なものとに分類し、両者が、品詞比率、語種比率、文の長さ、字種比率などの点でどのように異なるのかを調査した。その結果について発表する。また、この調査研究を踏まえて、ことばを研究するに際して、どういう点に留意し、何を目指すべきかについての私見を述べたい。
【発表レジュメ(PDF)】


発表者名:三宅和子(東洋大学文学部日本文学文化学科教授)
タイトル:メディアへの視線をどう研究に位置づけるか-研究の射程と方法論をめぐって-
キーワード: マスメディア、パーソナルメディア、CMC、方法論、ジャンル、モードの多層性
概要: 2007年度に国外研究で滞英し、ことばとメディアをめぐる国際学会・研究会に複数参加した。本発表は欧英の言語系メディア研究・学会の動向を出発点に、メディアに注目した言語研究が切り拓いていく世界を考えたい。 現在、「メディア」で括られ語られ研究される対象は多岐にわたる。従来からあるマスメディア(新聞、雑誌、テレビなど)の研究に、近年発展の著しい電子メディアを中心としたパーソナルメディア(PC、ケータイ、電話など)の研究が増加しているというのが大雑把な図式だが、さらに文字・視覚メディアと音声メディア、道端の看板やサイン、道路標識などに至るまで多種多様な研究が存在する。際限なく拡散していきそうな対象領域とテーマを言語系メディア研究がつなぎとめる礎として、「メディアそのものへの視線」を意識することの重要性を強調したい。すなわち、当該のコミュニケーションが行われる場としてのメディアとその特性への鋭く執拗な視線である。メディアを介することにより、どのようなものが生み出され、どのようなものが失われているのかという視点である。それなくしては、例えばCMC研究と称しても、単に新しい場と材料を獲得して従来通りの言語研究を行っているに過ぎない。新しい場の特性を注視することにより、従来の言語研究では見えにくかったコミュニケーションの側面を炙り出すことができるのではないだろうか。
【発表レジュメ(PDF)】