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2007.1.31更新

第16回メディアとことば研究会

場所:関東:東洋大学ナレッジスクウェア
   関西:武庫川女子大学
日時:2006年12月9日(土) 15時〜18時

発表者:
多々良直弘(桜美林大学文学部)・八木橋宏勇(慶應義塾大学大学院文学研究科)
相場美紀子(大阪大学大学院言語文化研究科)



発表者:
多々良直弘(桜美林大学文学部)・八木橋宏勇(慶應義塾大学大学院文学研究科)
タイトル:
サイバースペースコミュニケーション―匿名性をめぐることばと人間関係

キーワード:サイバースペース、コミュニケーションスタイル、匿名掲示板、匿名性、ことば、人間関係

概要:
  昨今、テレビやインターネットを代表とする視覚映像媒体の普及により「活字離れ」が盛んに叫ばれているが、「書く」という営みが「話す」、つまり対面コ ミュニケーションの特徴に近づきながらその勢力を大きく拡大させている媒体もある。事実「サイバースペース」は対面コミュニケーションには見られない 様々な現象をも生み出していて、特に「2ちゃんねる」(http://www.2ch.net)を代表とする匿名掲示板では、不特定多数の人々がコミュニティを形成し自身の身分を隠したまま、あるいは偽りながら思い思いに交流しているのが実情である。時に匿名であるがゆえに誹謗中傷といったあらゆる差別が渦巻き、対面では到底許容されないようなことばの応酬が繰り広げられることもある。この発信者情報が明示されない匿名掲示板において、言葉を介して人はどのように繋がっているのだろうか。本発表では、そこでのコミュニケーションスタイルを考察することで、この過渡期とも言うべき電子メディアによるコミュニケーションを「ことばと人間関係」という観点から比較検討していく。

【本発表のレジュメ】をご希望の方は、以下のメールアドレスのどちらかにご連絡ください。資料をお送りいたします。なお、メールタイトルを「メディアとことば資料送付希望」としていただけますと幸いです。

八木橋:terry**2003jukuin.keio.ac.jp
多々良:n-tatara**obirin.ac.jp
(**のところを@に変えてご送信ください)



発表者:
相場美紀子(大阪大学大学院言語文化研究科)
題目:
四つの現代化の意味的変遷―1980年代の人民日報掲載広告を中心に―

キーワード:
四つの現代化、プラスチックワード、改革開放、広告

概要:
1979年12月の三中全会においてトウ(登にこざとへん)小平が改革開放政策を打ち出してから、中国は資本主義社会に対して門戸を広げ、社会主義体制を堅持する一方で先進国の文化、経済、科学技術を導入する路線を歩むこととなった。この改革開放を推進して行く上で当時の共産党指導層が掲げたのが、“四个現代化”(以下「四つの現代化」という)である。本稿では“現代化”が登場する広告文を“致詞性広告(あいさつ文型広告)”と名づけ、ドイツの言語学者Uwe Poerksen(ウーヴェ・ペルクゼン)(1995)が提唱するプラスチックワードなどを手がかりに、改革開放初期という一大変革期を象徴するスローガンとして登場した「四つの現代化」が、広告のキャッチコピーに登用される過程で生じた意味的変遷について考察を試みる。
【発表レジュメ(PDF)】