実際の大学授業事例から英語教育における文学教材の意義を再検討した研究書。本書では、日本の英語教育における文学教材の立ち位置を歴史的に確認し、英米での歴史や理論を踏まえた上で、これまで余り明らかにされてこなかった授業展開や学習者の反応を分析しデータとして示している。コミュニケーション能力育成やESP(English for specific purposes)を重視した授業での文学教材利用の可能性も追究する。
著者紹介
久世恭子(くぜ きょうこ)
長野県生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。外資系銀行勤務等を経て、米国Manhattanville College 修士課程(ESL)修了。都内の大学等で教鞭をとる一方、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程(社会人特別選抜)、博士課程修了。2016年博士(学術)取得。現在、東洋大学経営学部准教授、東京大学教養学部非常勤講師。(主著)「精読の授業における文学的テクストの特徴:A Room of One’s Ownに対する学習者の関心と反応」『英語へのまなざし―斎藤英学塾10周年記念論文集』(2016年、ひつじ書房)など。