ひつじ書房 シリーズ言語学と言語教育 38 文学教材を用いた英語授業の事例研究 久世恭子著 ひつじ書房 シリーズ言語学と言語教育 38 文学教材を用いた英語授業の事例研究 久世恭子著
2019年10月刊行

シリーズ言語学と言語教育 38

文学教材を用いた英語授業の事例研究

久世恭子著

装丁者 吉岡透(ae)/明田結希(okaka design)

定価8000円+税 A5判上製カバー装 408頁

ISBN 978-4-89476-987-8

A Reexamination of the Role of Literary Texts in EFL Classrooms through Case Studies

Kuze Kyoko

ひつじ書房



実際の大学授業事例から英語教育における文学教材の意義を再検討した研究書。本書では、日本の英語教育における文学教材の立ち位置を歴史的に確認し、英米での歴史や理論を踏まえた上で、これまで余り明らかにされてこなかった授業展開や学習者の反応を分析しデータとして示している。コミュニケーション能力育成やESP(English for specific purposes)を重視した授業での文学教材利用の可能性も追究する。



目次

はしがき
  
第1章 序論
1. 本書の目的
2. 研究の課題
3. 用語の定義
3.1 英語教育
3.2 文学、文学的
3.3 文学教材

第2章 英語教育における文学教材の位置
日本・英米における文学利用の変遷とこれまでの研究
1. 英語及び外国語教育における文学作品利用の変遷
1.1 日本の英語教育における文学の位置
—明治時代初頭から現在に至るまで—
1.2 英米の英語及び外国語教育における文学利用の歴史
1.3 文学教材をめぐる日本と英米の共通点、相違点
2. 英語及び外国語教育における文学利用の先行研究

第3章 文学教材の意義と問題点
1. 文学教材の意義
1.1 先行研究に見られる意義のまとめ
1.2 言語に関する意義
1.3 感情や人間形成に関する意義
1.4 文化に関する意義
1.5 その他の意義
1.6 意義の主張に対する反論
—Edmondson(1997)の議論を中心に─
2. 文学教材の使用に伴う諸問題
2.1 Hirvela(1989)「語学教師が文学を避ける5つの理由」
2.2 文学読解の難しさ
2.3 コミュニケーション能力との関係
2.4 ESP/EAPとの関係
2.5 評価(testing)に関する問題

第4章 事例研究の概要
研究の方法と対象事例の概要
1. 事例研究の目的
2. 事例研究の方法
2.1 質的研究
2.2 事例研究
2.3 観察
2.4 アンケート調査
2.5 倫理的配慮
3. 各事例研究の概要

第5章 文学教材を用いた大学英語授業の事例研究
1. 伝統的な教授法を用いた事例
1.1 伝統的な教授法について
1.2 伝統的な教授法を用いた事例の概要
1.3 伝統的な教授法を用いた事例研究の結果
1.4 伝統的な教授法を用いた事例の考察
2. Language-based approachesを取り入れた事例
2.1 Language-based approaches(“LBA”)について
2.2 教材としての児童文学
2.3 LBAを取り入れた事例の概要
2.4 LBAを取り入れた事例研究の結果
2.5 LBAを取り入れた事例の考察
3. Communicative Language Teachingにおける文学利用
3.1 Communicative Language Teaching(“CLT”)について
3.2 CLTで文学を用いた事例の概要
3.3 CLTで文学を用いた事例研究の結果
3.4 CLTで文学を用いた事例の考察
4. Compositionの題材に文学を使った事例
4.1 文学とcomposition
4.2 Compositionの題材に文学を使った事例の概要
4.3 Compositionの題材に文学を使った事例研究の結果
4.4 Compositionの題材に文学を使った事例の考察
5. Extensive Readingにおける文学作品
5.1 Extensive Readingとその題材について
5.2 Extensive Readingの事例概要
5.3 Extensive Readingの事例結果
5.4 Extensive Readingの事例考察
6. ESP/EAPに文学を取り入れる試み
6.1 文学とESP/EAP
6.2 本事例研究の背景
6.3 ESP/EAPに文学を取り入れた事例の概要
6.4 ESP/EAPに文学を取り入れた事例研究の結果
6.5 ESP/EAPに文学を取り入れた事例の考察
7. マルチ・メディアを使った事例
7.1 文学教材とマルチ・メディア
7.2 マルチ・メディアを使った事例の概要
7.3 授業展開とメディアの利用例
7.4 アンケート調査の結果
7.5 マルチ・メディアを使った事例の考察
8. 言語横断的授業で用いる文学的な教材
8.1 「言語横断的」と「メタ言語能力」について
8.2 言語横断的授業の概要
8.3 言語横断的授業の実践結果
8.4 言語横断的授業で文学的な教材を用いた事例の考察

第6章 事例研究の総合考察
事例研究に基づく意義と問題点の再検討
1. 文学教材の意義
1.1 言語に関する意義
1.2 感情や人間形成に関する意義
1.3 文化に関する意義
1.4 その他の意義
2. 文学教材利用に伴う問題点
2.1 文学読解の難しさ
2.2 コミュニケーション能力との関係
2.3 ESP/EAPとの関係
2.4 評価に関する問題
2.5 その他の問題点

第7章 結論
1. 要約
2. 結論
3. 改善点と今後の課題
4. おわりに

参考文献
Appendix
あとがき
索引



著者紹介
久世恭子(くぜ きょうこ)
長野県生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。外資系銀行勤務等を経て、米国Manhattanville College 修士課程(ESL)修了。都内の大学等で教鞭をとる一方、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻修士課程(社会人特別選抜)、博士課程修了。2016年博士(学術)取得。現在、東洋大学経営学部准教授、東京大学教養学部非常勤講師。(主著)「精読の授業における文学的テクストの特徴:A Room of One’s Ownに対する学習者の関心と反応」『英語へのまなざし―斎藤英学塾10周年記念論文集』(2016年、ひつじ書房)など。



ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。
書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ