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批判的談話研究をはじめる 名嶋義直著 批判的談話研究をはじめる 名嶋義直著
2018年11月刊行

批判的談話研究をはじめる

名嶋義直著

A5判並製カバー装 304頁 定価3,200円+税

ISBN 978-4-89476-927-4

ひつじ書房

Invitation to Critical Discourse Studies
NAJIMA Yoshinao


【内容】
本書は筆者がこれまでに行ってきた批判的談話研究の中から、政治家の言説・沖縄米軍基地に関する言説・萌えキャラに関する言説・原発に関する言説を分析した9本の論文を収録したものである。批判的談話研究は決して談話研究や言語学の世界だけに留まるものではない。本書でもその学際性を反映して、ヘゲモニー論を取り入れたり日本語教育への応用を考えたり市民性教育への展開を試みたりしている。社会のあり方に興味関心のある人に広く読んでいただきたい。



【目次】


序章 日本において批判的談話研究はいかに成立しうるか
1. 批判的談話研究とは何か
1.1 歴史的な展開
1.2 批判的談話研究とはどういうものか
1.3 批判的談話研究は何を目指すか
2. 批判的談話研究と欧州という社会的なコンテクスト
2.1 CDSと民主的シティズンシップ
2.2 「批判」という言語行動の位置づけ
3. 批判的談話研究を日本に位置づけ実践していくために
3.1 日本で批判的談話研究は成立するか
3.2 批判的談話研究を日本に位置づけ実践していくための3つの視点
4. 本書の構成
5. 批判的談話研究へのいざない

1章 憲法改正をめぐる安倍首相ビデオメッセージのマクロ分析
1. 改憲をめぐる言説はメディアを通して「わたしたち」に届く
2. 新聞記事を批判的談話研究の姿勢で分析する
2.1 分析する新聞記事について
2.2 批判的談話研究について
2.3 テクストのマクロ的分析を行う
3. 分析を通して見えてきたこと
3.1 産経新聞の一般的な特徴づけと全体的な概観
3.2 当該記事の制度的な枠組みについての分析
3.3 著者について
3.4 民間憲法臨調について
4. 誰と誰とがどういう関係で何をしていたのか
4.1 諸団体間の関連について
4.2 産経新聞の報道姿勢について
4.3 相互依存の互恵関係について
5. 批判的談話研究が明らかにしたこと

2章 憲法改正をめぐる安倍首相ビデオメッセージのミクロ分析
1. 「生きる力」としての批判的リテラシー
2. 新聞記事を批判的談話研究の姿勢で分析する
2.1 批判的談話研究について
2.2 分析する新聞記事について
2.3 テクストのミクロ的分析を行う
3. 分析を通して見えてきたこと
3.1 視覚的レイアウトが伝えるもの
3.2 見出しが伝えるもの
3.3 内容単位に沿った記事の構成
4. 記事に介在するイデオロギー
5. 言語教育に何ができるか

3章 辺野古新基地建設をめぐる社説の批判的談話研究―日本語教育への展開を視野に
1. 「読む」という情報受容行動に求められる批判的リテラシー
2. 何をどのような姿勢で分析するか
2.1 批判的談話研究について
2.2 分析するメディアとデータについて
3. マクロ的視点での分析
3.1 全体的な分析のためのガイドライン
3.2 ガイドラインの全体1と全体2に沿った分析
4. ミクロ的視点での分析の枠組み
4.1 詳細な分析のためのガイドライン
4.2 分析する社説について
5. ミクロ的視点での分析を通して見えてきたこと
5.1 ガイドラインの詳細1に沿った分析
5.2 ガイドラインの詳細2に沿った分析
5.3 ガイドラインの詳細3に沿った分析
5.4 ガイドラインの詳細4について
6. 批判的談話研究がつなげる未来

4章 宜野湾市長選をめぐる新聞記事の批判的談話研究
1. これからの日本語教育は何を目指すか
1.1 言語教育の目標は何か
1.2 言語教育における政治性について
1.3 言語教育における政治的中立性について
1.4 日本語教育が目指すもの
2. 日本語教育を視野に入れた批判的談話研究
3. マクロ的視点での分析と考察
3.1 記事の数について
3.2 中心的主題か周辺的主題かについて
3.3 どのような視点で、何に焦点を当てるかについて
3.4 マクロ的分析から見えてきたこと
4. ミクロ的な分析と考察
4.1 争点外しについて
4.2 代理戦争について
4.3 誘導について
4.4 選挙結果の利用について
5. 批判的談話研究の可能性と今後の課題

5章 萌えキャラのポリティクス―その支配性
1. 萌えキャラをめぐる新聞報道を読んで感じたこと
2. 萌えキャラの支配性・権力性について考える
2.1 萌えキャラの支配性・権力性について考えることの意義
2.2 批判的談話研究という分析姿勢
3. 萌えキャラが作り出す関係性
3.1 ゆるやかなつながりについて
3.2 ゆるやかなつながりから帰属性へ
3.3 帰属性から支配性へ
3.4 萌えキャラが作り出す関係性についてのまとめ
4. 萌えキャラが作り出す経済性・商業性
4.1 自治体および関連サービスの利用を促す例
4.2 地元産業・地元特産品の利用を促す例
4.3 観光を促す例
4.4 社会的活動を促す例
5. 萌えキャラのポリティクスを考える
5.1 萌えキャラとは何者か
5.2 萌えキャラによる支配の内実
6. 萌えキャラに組み込まれている支配性・権力性についてのまとめ

6章 萌えキャラのポリティクス―その多様性と拡張性
1. 支配されていることを意識させずに支配できるのはなぜか
2. キャラクターの多様性・拡張性
2.1 キャラクター設定の差別化による多様性について
2.2 キャラクター社会における多様性について
2.3 キャラクター社会における拡張性について
3. 商品としての多様性・拡張性
3.1 仮想世界と現実世界とをつなぎ消費者を誘導する
3.2 キャラクターを派遣し幅広い市場に消費者を誘導する
4. 支配性を生み出すもの

7章 萌えキャラのポリティクス―そのジェンダー性
1. 萌えキャラのジェンダー性が問題となっている
1.1 人工知能学会の学会誌『人工知能』の表紙をめぐる論争
1.2 碧志摩メグの志摩市公認撤回事件報道を分析する
2. 誰がどのような批判的な声を上げたか
2.1 誰が声を上げたか
2.2 どのような批判的な声を上げたか
3. 誰がどのようにして批判的な声に返答したか
3.1 誰が批判的な声に対応したか
3.2 誰がどのような返答をしたか
4. 問題解決に向けて
4.1 ジェンダー性をめぐる問題の根源について
4.2 ジェンダー性をめぐる問題の解決のために
5. 碧志摩メグをめぐる事件から見えてくること
6. 萌えキャラを通して学ぶ批判的リテラシー
6.1 萌えキャラと言語文化教育との関係
6.2 批判的思考や批判的リテラシーの教育へ

8章 社説に見る「反・脱原発」のイデオロギーとヘゲモニー
1. 原子力発電と「わたしたち」との関係はどうなるのか
1.1 原発をめぐるヘゲモニー
1.2 「わたしたち」は原発のヘゲモニーに抗えるか
1.3 原発再稼働に対抗する姿勢
2. 原発再稼働を主張する新聞記事を批判的に分析する
2.1 読売新聞と産経新聞の社説を分析する
2.2 批判的談話研究の姿勢で分析する
3. 言語形式に着目した分析と考察
3.1 段落数と文字数の比較
3.2 話題展開と談話の連鎖構造の比較
3.3 肯定的/否定的という叙述態度の比較
3.4 2つの話題間の叙述量の偏り
3.5 ここまでの分析から主題を取り出す
3.6 それぞれの社説が前提視しているもの
3.7 論理の破綻
3.8 興味深い表現
4. イデオロギー性に着目した分析と考察
4.1 依拠するものと無視するもの
4.2 イデオロギーとヘゲモニー
5. 「反・脱原発」の談話行動
6. 「反・脱原発」の姿勢にどう対抗するか
6.1 「印象操作」から自由になる
6.2 「対抗する談話」を有機的に結びつけていく

9章 考えることを無効化する言説と対抗ヘゲモニー
1. 原発事故が風化していくのはなぜか
1.1 確実に風化が進んでいる
1.2 メディアの報道も風化している
1.3 「考えることを無効化する言説」にどう対抗するか
2. 風化のメカニズム
2.1 名嶋(2015a)—心理的分断と風化との関係
2.2 風化のメカニズムは今も機能しているのか
3. 新聞記事見出しを分析する
3.1 事態を見せ存在を容認する方向での実践
3.2 事態を見せず存在を容認しない方向での実践
3.3 風化のメカニズムは今も機能し、かつ強化されている
4. 「あからさまに」という意図と実践
5. 風化はメデイアの報道と「わたしたち」との相互作用の産物
6. 「考えることを無効化する」支配
6.1 2つの支配のタイプ
6.2 「考えることを無効化する言説」に対抗するために
7. 「考えることを無効化する言説」に向き合う
7.1 民主的なコミュニケーションと批判的リテラシーの重要性
7.2 2017年の「考えることを無効化する言説」
7.3 「考えることを無効化する言説」に対抗し続けるために

あとがき
索引



【著者紹介】
名嶋義直(なじまよしなお)
琉球大学グローバル教育支援機構 国際教育センター教授
〈主な著書〉『3.11原発事故後の公共メディアの言説を考える』(共編 ひつじ書房 2015)、『それって本当? メディアで見聞きする改憲の論理Q & A』(改憲をめぐる言説を読み解く研究者の会編 かもがわ出版 2016)、『メディアのことばを読み解く7つのこころみ』(編 ひつじ書房 2017)




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