ひつじ書房　国語科教育に求められるヴィジュアル・リテラシーの探究　奥泉香著 ひつじ書房　国語科教育に求められるヴィジュアル・リテラシーの探究　奥泉香著
2018年2月刊行

国語科教育に求められるヴィジュアル・リテラシーの探究

奥泉香著

定価5300円＋税　A5判上製カバー装　328頁

ISBN　978-4-89476-908-3

Visual Literacy Foundational for Japanese Education

Kaori OKUIZUMI

ひつじ書房


言語教育（特に国語科教育）を担当する教員が、文字のみで書かれたテクストだけでなく、絵や写真、図といった図像テクスト、さらにはそれらと文章テクストとの組み合わせから意味を構築したり、発信したりする授業を構想する際に、必要となる基礎的な理論枠組みを整理・提示した。学習者を取り巻くテクスト環境の変化に対応するため、本書ではこういった情報の形態の違いを理論的・意識的に整理・活用した授業実践の具体的なアイディアも提示している。



目次

凡例

序章　研究の目的と概要
第1節　研究課題と目的
第2節　研究の背景
第3節　研究の方法と本論の構成
第4節　研究の理論的背景と基盤

第1章　ヴィジュアル・リテラシー概念の変遷と日本への紹介・導入
第1節　ヴィジュアル・リテラシー概念の登場とその変遷
第2節　我が国への紹介・導入と、訳語や内容の経緯
第3節　国語科教育で議論されてきた視覚的なリテラシーの変遷
第1章小括

第2章　 英語圏の母語教育課程に見られるヴィジュアル・リテラシーの検討とマルチリテラシーズの影響
第1節　母語教育におけるヴィジュアル・リテラシーの導入
第2節　教育課程に影響を与えた3 種類の研究分野の知見と導入時の課題
第3節　リテラシー観の変遷に焦点化したマルチリテラシーズ研究からの検討
第2章小括

第3章　図像テクストの特徴と分析の単位・枠組み
第1節　図像テクストの特徴
第2節　図像テクストにおける記号過程の種類
第3節　図像テクストにおける構成要素と単位
第3章小括

第4章　図像テクストから意味を構築する枠組み―選択体系機能理論の枠組みの援用―
第1節　図像テクストから意味を構築する「単位」と「枠組み」

第2節　「過程構成」の枠組みを用いた図像テクストからの意味構築
第3節　関係過程における「登場人物の造型」の検討
第4節　学習者の意味構築の状態を捉えるための枠組みの活用
第4章小括

第5章　「過程」と「過程」との関係を意味構築する枠組み
第1節　図像テクストにおける「過程」と「過程」との関係の構築
第2節　テクストの種類を超えた「過程」と「過程」との関係の学習
第3節　図像テクストと文章テクストとの関係における構造を捉える枠組み
第4節　 国語科学習で活用できるバイモーダル・テクストの分析枠組みの提案
第5章小括

第6章　 図像テクストから意味を構築する枠組みの活用と、学習の要点
第1節　図像テクストからの意味構築における枠組みの活用
第2節　図像テクストと文章テクストとの関係からの意味構築
第3節　選択されなかった要素との関係による意味構築
第6章小括

第7章　ヴィジュアル・リテラシーを育む学習の発展
第1節　文字で記されたテクストの視覚的側面に焦点化させた意味構築
第2節　 図像テクストと文章テクストとの関係からの意味構築―広告における新たなタイプの写真と文章との関係―
第7章小括

終章　研究の成果と課題
第1節　本研究における成果
第2節　まとめと今後への課題

あとがき
文献
巻末資料
索引



著者紹介
奥泉 香（おくいずみ　かおり）
早稲田大学大学院教育学研究科博士課程満期修了。博士（教育学）。日本体育大学・教授。専門は国語科教育。
〈主な著書・論文〉
「文字や表記システムと社会的実践としてかかわる」『かかわることば』東京大学出版会、2017年
『参加型文化の時代におけるメディア・リテラシー—言葉・映像・文化の学習』（編訳）アンドリュー・バーン著、くろしお出版、2017年
『メディア・リテラシーの教育—理論と実践の歩み』（編著）溪水社、2015年

○誤植に関するお詫び

本書にて、以下の誤りがありました。誠に申し訳ありませんでした。

p.1　13行目
誤　多用な感覚器官に
正　多様な感覚器官に
p.265　図1　下段の四角の見出しの2行目
誤　溝築
正　構築
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