ひつじ書房 短篇小説の生成 鷗外〈豊熟の時代〉の文業、及びその外延 新保邦寛著 ひつじ書房 短篇小説の生成 鷗外〈豊熟の時代〉の文業、及びその外延 新保邦寛著
2017年10月刊行

ひつじ研究叢書(文学編)8

短篇小説の生成

鷗外〈豊熟の時代〉の文業、及びその外延

新保邦寛著

定価5600円+税 A5判上製

ブックデザイン 坂野公一(welle design)

ISBN 978-4-89476-865-9

The Formation of Japanese Modern Short Story

Kunihiro Shinbo

ひつじ書房



日本近代において、短篇小説がいつ、どのように生成されたのか。これまでの文学研究では短篇と長篇が別ジャンルであるということすら認識されてこなかった。本書では、短篇小説の特質に迫りながら、日本近代の短篇小説の内実を形作った森鷗外がどのように短篇小説を独自の文学ジャンルに押し上げていったのかを、谷崎や芥川など関連する作家とともに論じる。従来の文学史にはない、新たな近代文学の様相を露わにする。



目次



序章 近代短篇小説の概念と方法

Ⅰ章 鷗外短篇論1──膨張する〈語り手〉
一節 「半日」論──〈建国神話〉のたそがれと〈癒着〉する語り手の戦略
二節 「鶏」から「金貨」へ、そして「金毘羅」──方法的な、余りに方法的な
三節 「花子」と「ル・パルナス・アンビユラン」──自然主義批判を企む語り手


Ⅱ章 鷗外短篇論2──〈隣接ジャンル〉との交響
一節 「普請中」論──〈演劇〉的趣向の小説
二節 「カズイスチカ」化する〈Casus〉──印象派絵画との出会い
三節 四つの〈鷗外小品〉──挑発する散文詩/詩的散文の夢


Ⅲ章 鷗外短篇論3──文化的社会的文脈の中で
一節 「有楽門」論──日比谷焼打ち事件と〈群衆心理学〉言説
二節 「沈黙の塔」一名、慨世悲歌《拝火教徒》騒動始末記──〈優生学〉言説の侵犯
三節 「田楽豆腐」論──〈文学と科学の調和〉の時代/越境する〈植物学〉
四節 二つの怪奇譚、そして「羽鳥千尋」へ──余は如何にして他者の心に迫りし乎


Ⅳ章 谷崎潤一郎の場合
一節 「刺青」論──〈自己表出〉か〈芸術性〉か
二節 「少年」の方法──〈胎内幻想〉と〈金毛九尾の狐〉の物語
三節 「人面疽」論──〈活動写真的な小説〉から文明批評へ

終章に代えて  解体する近代短篇小説と芥川龍之介

初出一覧
あとがき
索引




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