ひつじ書房 21世紀の言語学 言語研究の新たな飛躍へ 今井隆・斎藤伸治編 21世紀の言語学 言語研究の新たな飛躍へ 今井隆・斎藤伸治編 ひつじ書房
2018年6月刊行

21世紀の言語学

言語研究の新たな飛躍へ

今井隆・斎藤伸治編

A5判上製カバー装 324頁 定価6000円+税

ISBN 978-4-89476-800-0

装丁 河盛芙海

ひつじ書房


【内容】
ノーム・チョムスキーによる本邦初出初訳、書き下ろしの2つの章を含む、言語研究の指針となるべき注目の書。「言語とは何か?」から出発し、第1部は生成言語学における言語研究の現在の動向と将来の展望を示す3つの章から成る。また第2部は、生成言語学の関連領域の現在とその発展に関して厳選したテーマの4つの章から構成される。これからの言語研究における必携書。 執筆者:ノーム・チョムスキー(斎藤伸治訳、今井隆・斎藤珠代訳)、岸浩介、奥脇奈津美、澤崎宏一、安原和也、斎藤伸治



【目次】


  まえがき


  I 生成言語学の発展

第1章 言語とは何か  
  ノーム・チョムスキー(斎藤伸治訳)

第2章 最小計算と言語の基本構成 
  ノーム・チョムスキー(今井隆・斎藤珠代訳)

第3章 ミニマリスト統語論 
  岸浩介
1. 統語部門の位置づけ:音と意味をつなぐ計算部門
2. ミニマリスト統語論の枠組み
3. 文の生成過程
3. 1 単文の派生
3. 2 A移動の派生
3. 3 Aバー移動の派生
3. 4 フェイズ不可侵性条件
3. 5 統語操作のまとめ
4. 感覚・運動システムと概念・意図システムでの計算
5. 投射とラベル決定アルゴリズム
6. おわりに:今後の展望



  II 生成言語学の関連領域

第4章 母語獲得と第二言語習得
  奥脇奈津美
1. 言語獲得研究の動向
1.1 母語獲得と第二言語習得における類似点と相違点
1.2 内的・外的に導かれる言語獲得
1.3 最近の動向
1.4 まとめ
2. 言語の生得性を重視する立場
2.1 言語獲得における「刺激の貧困」
2.2 肯定証拠と否定証拠
2.3 成人文法と幼児文法が異なることへの説明
2.4 まとめ
3. 言語入力の役割を重視する立場
3.1 用法基盤アプローチ
3.2 言語入力の質と量に関する議論
3.3 生得要因と環境要因
3.4 まとめ
4. 英語冠詞の獲得
4.1 英語の冠詞
4.2 母語獲得
4.3 第二言語習得
4.3.1 第二言語知識のソース
4.3.2 生得的知識を示す証拠
4.3.3 冠詞習得に関する最近の研究
4.4 まとめ
5. ミニマリスト・プログラムと言語獲得研究
6. おわりに

第5章 文処理 
  澤崎宏一
1.文処理の研究方法
1.1 実験文
1.2 実験手法:オフライン実験とオンライン実験
1.2.1 オフライン実験
1.2.2 オンライン実験
2.文処理の即時性
2.1 格助詞の情報を利用した即時処理
2.2 語と語の呼応関係を利用した即時処理
3. 関係節を含む文の処理
3.1 主語関係節と目的語関係節
3.2 主語関係節の優位性が崩れるとき:有生性の問題と袋小路文
3.3 関係節と袋小路効果の大きさ:SR文とSOR文
4. その他の文処理研究
5. 本章のまとめと文処理理論:結びにかえて

第6章 認知意味論
  安原和也
1.プロミネンスの意味論
2.視点の意味論
3.メタファーの意味論
4.メトニミーの意味論
5.概念ブレンディングの意味論
6.まとめ

第7章 言語と文字
  斎藤伸治
1.文字とは何か
2.文字の始まり―シュメル文字について
2.1 絵文字から真の文字へ
2.2 表音化と決定詞の発達
2.3 シュメル文字の構成
2.4 シュメル文字からアッカド文字へ
3.ラテン文字の誕生
3.1 エジプト文字と原シナイ文字
3.2 フェニキア文字からギリシア文字へ
3.3 ラテン文字の成立
4.現代英語の文字
4.1 ラテン文字と英語
4.2 現代英語における綴りと発音の乖離
4.3 英語の文字の表語性
4.4 あらためて、文字とは何か
5.おわりに

  索引
  編者・執筆者紹介


【編者紹介】
今井隆(いまい たかし)
1952年生まれ。大阪府出身。1978年関西外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了。都留文科大学文学部専任講師、同助教授、同教授を経て現在同名誉教授。
(主著・主論文)Issues in Japanese Linguistics (Foris Publications, 1986年,共編著)、Organizing Grammar: Studies in Honor of Henk van Riemsdijk (Mouton de Gruyter, 2005年,共著)、『言語文化と言語教育の精髄―堀井令以知教授傘寿記念論文集』(大阪教育図書、2006年、共著)、『文学、言語、そしてその彼方へ―都留文科大学文学部英文学科創設50周年記念論文集』(ひつじ書房、2014年、共編著、編集委員長)。

斎藤伸治(さいとう しんじ)
1962年生まれ。山形県出身。1989年筑波大学大学院博士課程・文芸言語研究科言語学(英語学)専攻・満期退学。奥羽大学文学部専任講師、岩手大学人文社会科学部専任講師を経て、現在、岩手大学人文社会科学部教授。
(主著・主論文)『チョムスキー理論辞典』 (研究社、1992年、項目執筆) 、ロイ・ハリス/タルボット・J・テイラー『言語論のランドマーク:ソクラテスからソシュールまで』(大修館書店、1997年、共訳)、フロリアン・クルマス『文字の言語学:現代文字論入門』(大修館書店、2014年、訳)。





『21世紀の言語学』の正誤表について


本文中に誤りがありました。
ここに訂正し、深くお詫び申し上げます。

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【『21世紀の言語学』正誤表(PDF)】


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