ひつじ書房 増補 感性の変革 亀井秀雄著 増補 感性の変革 亀井秀雄著
2015年5月刊行

未発選書22

増補 感性の変革

亀井秀雄著

四六判上製 640頁 定価7500円+税

ISBN 978-4-89476-745-4

装幀 奥定泰之

ひつじ書房

Transformations of Sensibility: The Phenomenology of Meiji Literature, Augmented Edition

KAMEI Hideo



1983年に刊行され絶版となっていた本書に、2002年の英訳版のために書いた自著解説、これまで単行本に収められなかった関連論文を大幅に盛り込み、4部構成とした増補版。「第1部 感性の変革」、「第2部 文学と歴史」、「第3部 小説の発明」、「第4部 文学生産の様式」。表現論の観点から、柄谷行人や前田愛との方法論的な対峙と共に、インターテクスチュアルな語り手の分析へと近代文学研究を一変させた金字塔の待望の復刊。解説:西田谷洋(富山大学教授)


目次


はじめに

第I部 感性の変革
自著総括―英語版の序文として
第一章 消し去られた無人称
第二章 自己意識の可変性
第三章 捉まえられた「私」
第四章 空想に富みたる畸人
第五章 他者のことば
第六章 口惜しさの構造
第七章 非行としての情死
第八章 負い目としての倫理
第九章 自壊する有意的世界
第十章 気質の魔
第十一章 視ることの差別と危機
第十二章 自然が管理されるまで
あとがき

第II部 変革期の物語
第一章 二人のふとで者―多助とお伝
第二章 戯作のエネルギー―毒婦誕生の場合
第三章 内乱期の文学―農民蜂起とその主謀者の像をめぐって
第四章 政治への期待が崩れるとき―『女子参政蜃中楼』論
第五章 「歴史」と歴史と小説の間

第III部 物語の変革、あるいは小説の発明
第一章 戯作とそのゆくえ
第二章 「小説」の発見―視点の発見を中心に
第三章 小説の近代的構造―『松のうち』の場合
第四章 話術の行方
第五章 近代文学における「語り」の意味―文体というアイデンティティの根拠を問うために

第IV部 「読者」と「作者」の生産様式
第一章 読者の位置―源氏・宣長・種彦・馬琴・逍遙
第二章 虚の読者
第三章 間作者性と間読者性および文体の問題―『牡丹燈籠』と『経国美談』の場合
第四章 生産様式と批評―あるいは批評的レトリックとしての「作者」
第五章 形式と内容における作者

初出一覧

解説―『主体と文体の歴史』『増補 感性の変革』について  西田谷洋

索引(事項索引、作品・人名索引)



著者紹介
1937年、群馬県に生まれる。1959年、北海道大学文学部卒業。1968年、北海道大学文学部助教授、1984年に同教授。2000年、同大学を定年退職、名誉教授。同年、市立小樽文学館館長。2014年、同館退任。同年、合同会社オピニオン・ランチャー設立。主な著書に『小林秀雄論』(塙書房、1972年)、『現代の表現思想』(講談社、1974年)、『「小説」論』(岩波書店、1999年)、『明治文学史』(岩波書店、2000年)、『主体と文体の歴史』(ひつじ書房、2013年)、『日本人の「翻訳」』(岩波書店、2014年)などがある。


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