多職種チームで展示をつくる 日本科学未来館『アナグラのうた』ができるまで 高梨克也編
2018年8月刊行
人々はコミュニケーションをどのように行い、どのように物事を共有し、課題を解決していくのだろうか。その分析のみならず、本シリーズで新たに問われているのは、マルチモーダルな形式を扱うことのできる分析手段をどのように確立していくのかということである。
本書の分析は、コミュニケーション内容や行為そのものの分析であるとともに、その手段、メディア、空間の分析でもある。フィールドで収録された動画を用いて、相互行為を言語、ジェスチャー、音声、動作、視線などの視点から、時間的、空間的に分析していく。ここでは言語学、身体コミュニケーション研究、民俗学、文化人類学、マクロ社会学、芸能学、博物館展示学などの総合的かつ横断的研究が実際に為されている。
ELANなどの動画・マルチモーダル分析ツールを使った分析は、人文学の新たなる研究手法を生み出すという点でも大きな挑戦と言えるだろう。それはまた、人文学自体の再出発を意味する。
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シリーズ フィールドインタラクション分析 1
多職種チームで展示をつくる
日本科学未来館『アナグラのうた』ができるまで
高梨克也編
シリーズ監修 高梨克也
ブックデザイン 中野デザイン事務所
A5判並製カバー装 248頁 定価3,200円+税
ISBN 978-4-89476-731-7
ひつじ書房
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