ひつじ書房 東北方言における述部文法形式 竹田晃子著 ひつじ書房 東北方言における述部文法形式 竹田晃子著
2020年2月刊行

東北方言における述部文法形式

竹田晃子著

定価8000円+税 A5判上製函入り 304頁

白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)

ISBN 978-4-8234-1012-3

ひつじ書房

Grammatical Forms of Predicates in the Tohoku Dialects of Japanese
Takeda Kōko


【内容】
本書は、東北方言における述部文法形式のうち、特徴的な形式が用いられる自発表現・可能表現およびテンス・アスペクト・ムードを取り上げ、共時的・記述的な観点による臨地面接調査、話者の属性差に注目した社会言語学的調査、明治から平成まで約百年間の方言分布調査を分析し、個々の現象・形式や各方言の体系のあり方および地理的分布が形成される過程の解明をめざしたものである。



【目次】


第1章 方言における述部文法形式の研究にむけて
1. はじめに
2.  臨地面接調査の実施
3. 過去の調査資料の分析
4. 本書の特徴
5. 本書の構成
6. 本書での表記

第2章 東北方言の文法的特徴概説
1. 本章の目的
2. 東北方言の方言区画
3. 用言の活用
4. 用言に後接する形式
5. その他の特徴

第3章 自発表現形式サルの意味用法
1. 本章の目的
2. サルの形式的特徴
3. サル形の構文的特徴
4. サル形の意味的特徴
5. サル形の本質的意味
6. 本章のまとめ

第4章 自発表現形式の分布と変化
1. 本章の目的
2. 自発表現の全国的分布
3. 東北地方における分布と変化
4. 本章のまとめ

第5章 可能表現の体系
1. 本章の目的
2. 形式の種類と特徴
3. 可能動詞の意味用法
4. ニイー形の意味用法
5. レル形の意味用法
6. サル形の意味用法
7. 可能表現の体系
8. 本章のまとめ

第6章 可能表現形式の分布と変化
1. 本章の目的
2. 『方言文法全国地図』にみる可能表現の分布
3. 可能の条件による使い分け
4. 肯定文と否定文による使い分け
5. 東北地方における分布と変化
6. 本章のまとめ

第7章 タッタ形の意味用法
1. 本章の目的
2. タ形・タッタ形の形式的特徴
3. 発話時における出来事の存続
4. 発話時における出来事の結果の残存
5. タッタ形の特徴とムード性
6. タッタ形の出自と意味
7. 本章のまとめ

第8章 ケの意味用法
1. 本章の目的
2. ケの形式的特徴
3. ケで表される出来事の特徴
4. 状態用言におけるケの用法
5. ケの周辺的な意味用法
6. 本章のまとめ

第9章 ケのテンス的機能
1. 本章の目的
2. ケの形式的特徴
3. ケの機能と用法
4. ケのテンス的用法
5. テンス・アスペクト体系におけるケの位置づけ
6. 本章のまとめ
 
第10章 テンス・アスペクトの体系
1. 本章の目的
2. テンス・アスペクト形式の特徴
3. 動作動詞
4. 状態動詞
5. 形容詞・形容動詞
6. 回想を表す用法
7. テンス・アスペクトの周辺的な用法
8. 本章のまとめ

第11章 テンス・アスペクトにみる属性差・地域差
1. 本章の目的
2. テンス・アスペクト形式にみる属性差
3. 陸羽東線沿線地域のテンス・アスペクト
4. 南三陸地方のテンス・アスペクト
5. 本章のまとめ

第12章 テンス・アスペクトの変容
1. 本章の目的
2. 『方言文法全国地図』にみるテンス・アスペクト形式の分布
3. テアッタ形からタッタ形への変化
4. 文末のケの用法と類型
5. 「口語法稿本」のテンス・アスペクト
6. 本章のまとめ

第13章 本書の成果と今後の展望
1. 本書の成果
2. 課題と展望

参考文献
本書と既発表論文との関係など
あとがき
索引


【著者紹介】
竹田晃子(たけだ こうこ)
東北大学大学院文学研究科博士課程後期3年の課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、独立行政法人国立国語研究所非常勤研究員、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所プロジェクト非常勤研究員・特任助教、フェリス女学院大学非常勤講師などを経て、現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。主な論文として、「卑罵語と敬語の発達」『敬語は変わる』(大修館書店、2017)、「東北方言の認識的条件文」『日本語条件文の諸相』(くろしお出版、2017)、「オノマトペを用言化する動詞と接尾辞の地理的分布」『感性の方言学』(ひつじ書房、2018)などがある。


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