オンライン版「未定稿」を開始する

新しい分野の研究の場合、なかなか知られる機会がない。既存の学会の枠に当てはまらないと、発表の場自体が少ないからだ。今までは、枠にとらわれない研究者が、所属する学校の紀要や同人誌風の研究会誌に発表したり、それを本にまとめることで少しづつ認知度を上げていくというのが、通常であった。これは、良くも悪くもそういう手間がかかるものだった。我々でも100パーセント新しいものは評価できないが、既存の言語学や社会学、認知科学のちょっと先のものならば、少しは勘が働く。そういうもののなかから、新しい分野も生まれてくるはずだ。

我々は、すでにインターネットという手段を持っている。肩ひじ張らずに、大学院の修士課程や博士課程の研究者の論文の全部や一部をHTML化して掲載していきたいと思う。まだ、完璧な状態ではないという意味で「未定稿」と名付ける。これは、国語国文学の研究者ならば聞いたことのある名前だろう。東京教育大学の大学院生たちが、今から30年以上前ごろにガリ版で刊行していた研究雑誌の名前だから。大学院生だけではなく、若手研究者の論文、アイディアのようなものも掲載していきたい。多くの方々のご助力、ご賛同をお願いしたい。特にご投稿をお願いしたい。

(1998.5.25. 房)

                           

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